昨日の雨で雪像が傷んでいなければいいのですが。小雪像、妖怪だらけです。

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 さて、北海道経済のこれから、です。

 日本全体の少子高齢化について、この本が警鐘を鳴らしています。

地方消滅 - 東京一極集中が招く人口急減 (中公新書)
地方消滅 - 東京一極集中が招く人口急減 (中公新書)

 この本の内容だけでも十分衝撃的です。一度この本の内容について記事を書いています(過去記事⇒「道内経営者必読!地域別に道内人口はどうなるか」2014.10.12)。

1.北海道は2010年対比、2040年の人口が全国では83.8%まで減少するのに対し、北海道全体では76.1%、札幌圏を除く地域では67.7%まで減る。これは最も減少率の高い秋田県に次ぐ数値で、北海道は今後急ピッチで人口を減らす。

2.北海道の人口に占める札幌圏の人口は2010年に34.8%だったが2040年には40.9%まで上昇する。全国における東京のような立場になる。この意味でも日本の縮図、といえる。

3.1990年代まで北海道の人口は自然増を続けていたが、東京圏に人口が吸引される形で高度成長期に3回ほど、人口の純減を経験している。もともと人口の社会減が背景にあるところに、自然減が重なり、急速な人口減に見舞われる。

4.釧路市は水産、炭鉱など主力産業が衰退したことから周囲からの人口流入がない一方、石狩管内や関東圏への人口流出が続く。

5.旭川市は進学、就職などで若年層が流出するが戻ってこない。一方、周囲から高齢者が流入しており、人口構成にゆがみが出ている。

6.北見市は市内に学校が多く、進学時には若年層が流入してくるが、卒業時に流出してしまう。

7.帯広市は、管内全体の人口移動がすくなく、エリア全体で人口を保っている形。

8.札幌圏は、道内各エリアから人が流入する一方、流出はほとんど関東圏に向けたもの。就職時に関東圏に流出するパターン多く、特に女性の流出が多い。男性数/女性数の比率をみると、25-29歳ではかつて1.0を超え、女性のほうが多かったが、今では0.9まで減り、女性の減少が顕著である。札幌市中央区の出生率は0.9まで落ち込んでおり、同内各地から女性が集まり、その女性が子供をつくらない、という構造がある。若年層の流入が細る一方、高齢者の流入が増えること、もともと居住している人が加齢していくことから東京や大阪を上回るピッチで急速に老齢化が進む。

9.道内にも、酪農業が盛んで仕事がある中標津町は老齢化率が低く、周囲から人口を吸引する力がある。観光業が盛んなニセコ町も同様である。マチとしての魅力をどれくらい伸ばせるかが今後の各市町村の運命を決める。

10.国全体として出生率の回復が急務、とされているが北海道の置かれている状況はさらに切迫している
 
 少子高齢化、総人口減少、といいますが北海道は他の地域と全く違うレベルの状況に突っ込んでいくのです。

 「日本の地域別将来推計人口」(平成25年3月推計)から。

 「平成52(2040)年には、北海道の半数以上の自治体で総人口が5千人未満になる。地域ブロック別にみると(略)、平成52(2040)年に総人口が5 千人未満の自治体が最も多くなるのは北海道(109)、中部(58)、九州・沖縄(53)、東北(40)の順であり、これら4 ブロックで総人口が5 千人未満の自治体の70.2%を占める」

 ブロックごとに見ると…と言う書き方をしていますが北海道ブロック=北海道、ですので都道府県別にみると北海道がダントツで人口5千人未満の自治体を抱えることになります。上記の数値を計算し直すと、日本の人口5千人未満の自治体のうち29.5%が北海道に集中することになります。
 
 人口の全国シェアが4.5%、GDPシェアが3.5%である北海道。29.5%のシェアがどれだけ高いものがお分かりになると思います。

 北海道の半数以上の市町村で人口5千人を割ります。日本のどこにもない、人口が減った市町村が広い土地に多数点在するという、唯一の都道府県になるのです。

 人口5千人を商圏と考えれば、スーパーやドラッグストア、金融機関の立地は厳しいのではないでしょうか。ATMや薬、本を求めてどこまで行けばいいのでしょう。

 義務教育や医療など、北海道以外の日本では当たり前に提供される公的サービスはそのとき北海道では維持できるのでしょうか。

 また、高度成長期に作られた、橋や道路などのインフラの耐用年数が切れ始めます。そのとき、それらインフラは維持できるのでしょうか。市町村合併して合計の人口は持ち上げたとしても「点在する人口」はまとめきれません。これが本州であれば、県庁所在地の先に過疎化した自治体があってもその先に隣の件の県庁所在地や中核都市があれば道路やJRは維持できるでしょう。でも、北海道の地形を思い浮かべると、札幌から先にの交通インフラは維持できるでしょうか。今でも天候や土砂崩れなどで陸の孤島と化す地域が珍しくありません。交通・流通の問題で人が死ぬような事態になるのではないでしょうか。

 そのとき、2040年に自治体として、経済の単位として、居住の場所として、北海「道」は維持できるのでしょうか。

 札幌が立候補の意向をあきらかにした2026年冬季オリンピックは今2015年と人口5千人未満の市町村が半数以上になる、とされる2040年のほぼ真ん中にきます。新幹線の札幌延伸は当初予定が5年前倒しされるといいますが開通予定は2030年。函館から札幌へ新幹線を延伸するのに使う1兆7000億円や札幌オリンピックに必要とされる4000億円は、別のものに使った方がよくないか。

 人口減を考えるとこのあと農業漁業が基幹産業に返り咲くのは難しい。それに加えてTPPが実行されれば北海道の農業漁業は壊滅するでしょう。以前から弱い、と指摘され振興に力を入れてきたはずの製造業もこのあと急に花開くとは思えません。介護、医療、飲食などのサービス業も結局域内の他者の財布から売り上げをもらう形なので大きく付加価値をつけられるものではありません。

 外からおカネを集める、という意味で、そのときまでに北海道が世界に冠たる観光基地に変身できていなければ北海道は日本の一部でいるのも難しくなるのではないでしょうか。

 労働力人口減、総人口減、地元NO1銀行の破たん、自治体破産。それに加えて小人口の消滅危機に直面する多数の市町村。

 国全体の好況も不況も関係なく一貫して減少する道内GDPでも解るとおり、北海道は一人旅で衰退の道を歩んでいます。

 北海道はすでに日本の一部と考えることに無理が出始めているのではないかとさえ思います。




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