浅田真央という道 WFS翻訳

Mao Asada – The fight must go on
April 04, 2012
By Vladislav Luchianov

$やっちのブログ 『just like an Amaranth』


ニース世界選手権で浅田真央のパフォーマンスを見た多くのフィギュアファンは考えたと思う。
“なぜ彼女はまた難しいトリプルアクセルに挑戦するのか?何のための戦いなんだ?ダブルアクセルを跳んで、後はトリプル-トリプルを跳べばいいのに。その高いプログラムコンポーネンツで確実に金メダルを獲ることが出来たのに!終わってみたら6位じゃないか!”
初めは私もこのように考えた。

しかし、そう考えていたのもキス&クライの一角で彼女の顔に浮かぶ気強さを見るまでだった。真央は他の方法でこの大会に勝つことなど考えてもいなかったのだ。例えその方法が他の大多数が使う方法であっても。彼女は“彼女の”トリプルアクセルが必要なのだ。何故なのか?おそらく彼女の考えは次元が違う。彼女には他とは全く異なる戦略と戦術があるのだ。

興味深いのは、彼女が誰かに何かを証明する必要がないということだ。既に彼女は2010年バンクーバーオリンピックで銀メダルを獲得し、2008年と2010年には世界チャンピオンの称号も手に入れ、2008年と2010年は四大陸選手権でも優勝、GPF優勝(2005–2006 & 2008–2009)も経験済み。2005年は世界ジュニアチャンピオンになっており、2004–2005シーズンのジュニアGPF優勝、そして5度の(2006–2009, 2011)全日本チャンピオンである。

しかしそこには、このフィギュアスケーターの大きな特徴がある---この先のためのスケート;展望のため。
望むか望まないかに関わらず、女子フィギュアスケートがこの先より困難になることを、彼女は理解しているのだ。状況の変化は早くも来シーズンに現れる場合もある。例えばエリザベータ・トゥクタミシェワ、アデリナ・ソトニコワ、グレイシー・ゴールドといったジュニア世代のスターたちが大舞台に登場した場合は。

これらのジュニア世代たちが、例えばトリプル-トリプルといった大技を跳ぶことなく主要大会で優勝することなど考えられないだろう。それもまた非常に難しいエレメントであり、悲しいかなその基礎点はよりシンプルなトリプル-ダブル-ダブルよりも低いのだが。彼女たちはプログラムの向上に確実に取り組んでくる。そして真央はそのことを完全に理解しているのだ。それがこの先の為のスケートということだ。

真央は単に優勝したいわけではなく、納得のいく勝利が欲しいのだ。ライバルたちに付け入る隙を与えず、他の者に疑いの余地を与えないような。今シーズンの彼女はこのゴールに確実に近付いた。真央は現代の女子スケーティングの全ての複合技術を持っている。その中で唯一不安定なまま残っているのがトリプルアクセルなのだ。しかし進展もある。ニース世界選手権でのFS、彼女のトリプルアクセルは決めることが出来たはずだ。しかし、私の考えでは、少し力み過ぎていたのではないだろうか。それでも無駄なことは何一つとして無い。彼女がミスを全て考慮に入れることは疑いようもなく、トレーニングでそれらに懸命に取り組み、望んでいる通りの結果を成し遂げる可能性は非常に高い。

こういうことは、古代ローマの勝利と比較することが出来る。ローマが最初の頃のあらゆる戦いに大抵負けていたことを、歴史を良く知る人ならば解るはずだ。しかし彼らは敗北から非常に多くを学び、敵を知り、改善に取り組み、最後には本当に大きく最も重要な戦いで驚異的な勝利を手にし征服を達成したのだ。この背景に比べると、中世の様々な王国の勝利は控え目に見えるものだ。

それが浅田真央とその他を区別する全てのもの。彼女は毎年行われる世界選手権の優勝を手放す余裕がある。しかし彼女が勝つ時、その勝利は計り知れないものとなるだろう。

© やっち



これほどに、浅田選手のことを言い表してくれている記事に出会えたことが、本当に嬉しいです。
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