更生緊急保護

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秋田の佐藤です。


今日は,更生緊急保護という一般人(下手したら弁護士も。かくいう私も今までよく知りませんでした。。。。)があまり知らない制度についてお話したいと思います。


更生緊急保護というのは,刑務所から釈放(満期・仮を問わない)された人や保護観察無しの執行猶予付き判決を受けた人等に対し,国自ら又は国の委託を受けた更生保護施設が当面の宿泊所の提供や食事・衣類などの給与,就業の援助,社会生活の訓練といった必要な保護を行うことを言います(以上,法務省保護局のHPを参照しました。)。

条文上の根拠は犯罪者予防更生法48条の2ないし4です。


上記のような人々は社会に出ても行くあてがなく,心ならずも再び犯罪を犯してしまうことが少なくありません。

そのようなことを防ぎ,犯罪者の更生を図るためにこのような制度があります。

ほとんどは出所時あるいは裁判終了後に刑務所や検察官から「保護カード」なるものを渡され,これを保護観察所に持って行けば,面接の後保護が受けられる(受けられない場合もある。)ということになります。


以下は私の経験です。


事案は,前科約10犯の男が刑務所に入るために軽微な犯罪を犯したというものでした。

当該犯罪は罰金刑のみしか定められていない犯罪であり,裁判終了後はすぐに社会に戻ることになっていました。

といっても彼は身よりもなく(もちろん心当たりは当たりましたが,全部断られました。)仕事もお金もないので,このまま放置していればまた犯罪(最悪の場合,確実に刑務所に入ることができるように人を傷つけるような犯罪。)を犯してしまうことが十分に予測できました。


困った私は本人が持っていた保護カードを見て,更生緊急保護を受けさせることにしました。

とはいっても,そんな彼なので,昔保護施設を飛び出した経緯があったこともあり,すんなり保護を受けることができるか大きな不安がありました。

再び困った私はダメ元で保護観察所に電話をかけ,更生緊急保護に必要な保護観察官との面接に弁護士が同行できるかきいてみました。

答えはあっさり(といっても返事は翌日。ま,お役所ですし。あまり例ないみたいだし,)「いいよ。」というものでした。


そして裁判終了後,タクシーで拘置所まで被告人を迎えに行き,保護観察所まで同行して面接に臨みました。


色々経緯はありましたが,何とか保護の決定が出ました。

内容は秘密です。

以下の記述で察してください。


なお,彼は結局東京へ行くことになったのですが,確実に電車に乗るよう,警察の人がついていったそうで,後で「電車に乗りました。」とご丁寧なご報告までありました。


以上,更生緊急保護について簡単な制度解説と体験談を書いてみました。

身寄りのない人の再犯が増える昨今,もう少し更生緊急保護を活用できるようになったらと思います。


追記
彼,東京に着いたら手紙をくれるはずなんだが・・・・未だに届かない。

終わり

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