Twickenham Stadium(トゥイッケナム・スタジアム) | Stadiums and Arenas

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スポーツ観戦が趣味の筆者が、これまで訪れたスタジアム・アリーナの印象を綴るブログです。

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Twickenham Stadium(トゥウィッケナム・スタジアム)
開場1907年
収容可能人数82000人
アクセスTwickenham駅(South West Trains)から徒歩約15分


外観


熟年のラグビーファンの方であれば、その名前を知らない人はいないラグビーの聖地。サッカーでいうならばウェンブリー、テニスでいうならばウィンブルドン。トゥイッケナムは、それらの競技場と同格の扱いを受けるスタジアムである。

このスタジアムは、1909年にイングランド・ラグビー協会がイングランド・ラグビーの中心地を作ることを目的として作ったもので、開場したときは10000人も収容できなかった。だが、1921年に12000人、1927年に20000人を収容できるスタジアムに拡張され、その後70年近く目立った改装もされなかったが、1995年に大改築を断行して75000人収容可能な大スタジアムに変貌を遂げた。2005年には更に改築を施し、82000人収容のスタジアムとし、現在に至る。イングランドの屋外スタジアムではウェンブリーに次ぐ大きさで、ヨーロッパ全土でも4位。ラグビー専用スタジアムでは世界最大である。

地元のキャベツ農家の土地を買って作ったので、The Cabbage Patchという愛称で呼ぶ人も少なくない(もしくは、20世紀初頭にイングランド及びウェールズで活躍したビリー・ウィリアムズの名前を付けて、Billy Williams' Cabbage Patchとも)。そのほかには、トゥウィッケナムの名前を短縮したTwickersや、「本拠地」を意味するHeadquarters・HQという名前で呼ばれることもある。イングランドの場合、ラグビー場はそこを本拠地としているチームが管理することが多いが、トゥウィッケナムはイングランド・ラグビーの聖地なので当然そういうわけにはいかず、管理運営に携わるのはRugby Union(ラグビー・ユニオン/イングランド・ラグビー協会)である。

イングランド代表のホームゲーム、プレミアシップリーグのプレーオフ決勝戦、アングロ・ウェルシュカップの決勝がは必ずここで行われると決まっている。そして、ヨーロピアンラグビーチャンピオンズカップ(及びその前身のハイネケンカップ)の決勝をイングランドが主催することになった時には、必ずこの競技場で行われる(大体5年に1回くらいめぐってくる)。最近はプレミアシップの開幕節に、ロンドン首都圏を本拠地とするチームをこのスタジアムに集めてオープニング・ダブルヘッダーを行ったり、7人制ラグビーの大会も主催していて、主催試合数が増えてはいるが、それでも聖地と呼ばれるだけあって選手の立場からすると簡単にプレーすることはできない場所である。




上:内装(試合開始1時間前)
下:内装(試合開始直前)

この試合は一番安い席を買ったので、相当上の方で試合を見たのだが、それほど見づらいとは思わなかった。ウェンブリーやO2アリーナのように、21世紀になって建設・増築されたイングランドの大型スポーツベニューはスタジアムは最新の建設理論を用いているのだろうか、集客可能人数が大きくても観戦環境がいい。少なくとも、日本の6万人以上収容可能な大型スタジアムの上層で試合を見るよりはるかに見易かった。

私がこの競技場を訪れたのは、2012年5月26日に行われた、ハーレクインズレスター・タイガースのプレミアシップのプレーオフ決勝のときだった。82000人収容のスタジアムが満員になるという素晴らしい雰囲気で、試合自体も緊迫した展開で、結果は30-23と言う僅差でハーレクインズが見事勝利。選手1人1人のコンタクトの強さが持ち味のタイガースに対して押し込まれながらも、正確なタックルを80分間浴びせ続け、逆に相手がペナルティーを喫したら確実にキックで加点。そして試合の佳境でしっかりとトライを決めて、試合中1度もリードを許さなかった。ラスト10分は7点差で自陣22メートルラインの内側に釘づけにされたが、執念のタックルで何とかトライラインを守り切るハーレクインズの姿に、震えるほど感動したことを覚えている。そして、試合終了のホイッスルを聴いた瞬間の興奮と言ったら!私が競技場で生で見た試合の中で、最も興奮した試合の中の1つである。



アクセスは、電車のサウスウェスト・トレインが乗り入れるトゥイッケナム駅から15分ほど。ロンドン中心部から少し距離がある上に、路線が一本しか通っていないので交通の便は微妙なところ。駅から降りてからも、ほぼ一本道ではあるものの少し距離がある。特に試合のある日は人通りが多いので、ちょっと大変である。ただ、食糧調達は試合の日は出店が出ているので、食事の調達には苦労しない。

また、イベントのある日は事前予約をすればスタジアムの駐車場を利用できるので、自家用車でのアクセスに対するホスピタリティもいい。ただ、このスタジアムでのイベントには常にお客さんが大挙して押し寄せるので、事前予約はできるだけ早くした方がいいかと思われる。また、イベントのある日は周辺道路の混雑が予想されるので、公式ホームページでも注意喚起がなされている。

多くの試合を主催する訳ではないので、巡り合わせが悪いと訪問するきっかけが得られないトゥイッケナムだが、ラグビーファンの期待は絶対に裏切らない素晴らしいスタジアムである。82000人収容な上、ラグビーはサッカーほどチケットがとりづらいというわけでもないので、直前に申し込んでも案外チケットが取れたりする。もしチャンスが目の前に転がり込んで来たら、逃がさないでほしい。

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トゥウィッケナム・スタジアムの紹介(英語・RFU〔イングランドラグビー協会〕の公式ホームページより)