就活学生のための偉人に学ぶ折れない心の作り方

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天は必ず正義に与し、神は必ず至誠に感ず

~Admiral東郷平八郎㉓
日本海海戦勝利と武士道精神



戦艦ニコライ一世の甲板で、
ネガボトフ司令長官秋山を迎えた。


あまりに凄惨な艦内を目の当たりにしながら
司令長官室に通された秋山は来意を告げた。


東郷長官は貴官の来艦を心から願っている。
直接、
貴官にお会いし、戦闘終結を祝し、


貴官らの勇戦に敬意を表し
降伏の条件を話し合いたいと。


ネガボトフは乗組員を集め挨拶したあと
三笠に向かった。


東郷は、参謀長以下幕僚を従え
司令長官室にてネガボトフを迎えた。


東郷が心掛けたことは、まず国際社会に恥じぬ終戦処理
その一つが、敵将の帯剣を許し、その名誉を保つこと」だった


終戦処理の条件を話し合い
改めて降伏の申し出を受けた。


交渉が終わると、ネガボトフ東郷に尋ねた。
「どうして我らが対馬を通過すると判断したのか?是非お教え願いたい・・・」


東郷曰く「そう信じただけです」と・・・
その間にも、まだ捉えられていない敵艦の捜索は続行中


一つ一つ発見しては攻撃、撃沈、乗組員救助、
または捕獲を繰り返す中


白旗を揚げた敵駆逐艦、発見!!
直ちに攻撃を中止し艦内捜索・・・


・・・と、そこに、なんと敵将ロジェストウェンスキー提督
重症の体を横たえていた。


喘ぐような声で降伏を告げた彼を
巡洋艦、明石に曳航を依頼し直ちに佐世保に送った。


   宝石ブルー宝石緑宝石赤宝石白宝石紫


・・・かくしてついに、
激闘死闘の日本海海戦は終わった。


東郷は三笠に幕僚を集め労をねぎらい
「われらに天運があり勝利した」短く挨拶した。


現実の戦闘を潜り抜けた東郷はじめ彼らの中には
何か手放しで喜べない深く感じ入る沈鬱があったのだ。


ロシアも日本も、軍人は愛する祖国を護らんとして戦っている。
しかし、その為に払った犠牲の多さを目に焼き付けながら


私怨なき戦いに向き合った軍人たち
これが彼らが寡黙である理由(わけ)かもしれない。


明治38年5月30日熱狂的拍手の嵐鳴り響く中、
東郷率いる日本連合艦隊佐世保に凱旋した。


東郷秋山参謀、山本大尉を伴って
佐世保海軍病院で治療中のロジェストウェンスキーを見舞った。


東郷が言う
「我等武人は祖国の為に命をかけますが、

もちろん私怨などありません。


ここで十二分に御療養くださり

一日もはやく回復をされることを祈ります。

ご希望のことがございましたら遠慮なくお申し伝え下さい」



震えながら東郷の手を握り・・・

・・・・・・・


ロジェストウェンスキー涙を浮かべ答えた。



「武運拙く敗れましたが、祖国の為に最善を尽くしたことで、
心に一点のやましいこともありません。・・・


ただ、稀代の名将である閣下と戦って敗れたことは
残念な中にも、自ら慰めるに足るものがあります



閣下の示されたご厚情に心から感謝申し上げます」


ロジェストウェンスキーは震える手を上げて答礼した。

凱旋の熱狂とドア一枚隔てた病室


勝ち負けを超えた武人二人の敬意静かに行き交った。

勝負の世界に生きる武人には勝ちもあり負けもある


祖国の為に戦い敗れ重傷を負い捕虜になった敵将

東郷は決して辱めることなく礼儀正しく、慰めた。


明治の武士道をみる一幅の美しい空間である。


Be Angel !  流れ星星流れ星星流れ星星
あなたも世界の光となれ!
 キラキラ虹キラキラ虹キラキラ虹キラキラ

 


(つづく)

参考
「沈黙の提督・海将 東郷平八郎伝」星亮一著 光人社
「東郷平八郎」 岡田幹彦著 展転社
「読む年表日本の歴史」渡部昇一著 WAC