テレビで感じた酒の話 | 山本祥一朗の酒情報

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『鶴瓶に乾杯』というNHKの番組で、笑福亭鶴瓶が山形県の酒蔵を訪ねていた。

村山市の十四代という酒名の蔵元である。この酒は今から10年ばかり前まではパッとしなかった。朝日鷹という酒名だった時代である。それが現社長が蔵元の14代目に当たることから酒名を十四代に変えた頃から、全国新酒鑑評会でも金賞を得ることが多くなった。

鶴瓶がその社長と話す中で、社長は「お客さまにはインターネットを通じて買われる場合、高い値段で買われる話も耳にします。できるだけ安くお求め頂きたいのですが……」と言っていた。これも幻の酒現象か。

鑑評会では山形県の酒は、平成26年は17社も金賞を得ていたようだから、特にここだけが光っているわけではないが……。


テレビで見た酒といえば、赤穂義士が討ち入りを果たした祝い酒として飲んだという「男山」という酒がある。それをカレンダーにしたものを北海道の男山が送ってきたが、その赤穂義士を描いた『四十七人の刺客』という映画をテレビで見た。高倉健主演で監督は市川崑である。これで特に酒がクローズアップされていたわけではないが、討ち入りを果たした後、槍の石突きで四斗樽の鏡を抜き義士が飲んで勝鬨の声を上げるというエピソードがあるだけに、そんなカットでも入れてあればと期待したが、市川崑の演出ではダメだった。
(写真は大石内蔵助役の高倉健と妻)