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あらすじ:
その村では、人は必ず五十歳で死を迎える――。
獣の皮を被った役人達が取り仕切る《この世》と呼ばれる村で、四体の神々に見守られて暮らす人々。杏の双子の姉は、生まれてすぐ村の生け贄となった。
少女となった杏は、《あの世》と呼ばれる山の向こうの事を知りたくて・・・・。
おすすめ:
ネットカフェ読み
一巻から三巻までイッキ読みしたんです。
ちょこっとメモりながら。
「どこ・・・・・!?ここ!」
「すげーおもしろい」
今見返したら、こんなこと書いてた。
汚い字で(/ω\)
だってかなり予想外だったんですもの!
興奮して書き殴らずにはいられなかったんですよねー。
これから読む方に告ぐ
絶対予備知識を入れずに読みましょう。
その方がおもしろいからっ
だからこの後ネタバレあるのでドーゾ読まないでくだされっ!
ご注意召され~
↓↓↓
:-:+:-:+:-:+:-:+:-:+:-:-:+:-:+:-:
まず、「このお話何時代なんだろう?」と思いながら読み出しました。
神事が全てを支配する《この世》。
天災時には生け贄として子どもを捧げる。
村の東西南北には四ツ神様と呼ばれる巨像(?)が取り囲んでいる。
五十歳で《知命》と言って、元気でも人は死に《あの世》へ行く。
そんな、日本昔話的な村。
でもどこか奇妙な世界なのです。
《知命》の謎以外にも引っかかったのが、登場人物たちの名前が割りと現代的なこと。
「杏」とか「アン」とか「真理」とかね。
ちょっと現代風なわけです。
めでたいとされる《知命》の葬列でも身分の差があって、上の身分の葬列とかち合えば平伏して道を空けるとか。
杏の父・捨吉は名主に仕えていて子捨てが役目だとか。
この辺は普通に時代物。
だけどやっぱ違うぞオイ!
これは思ったより百倍スケールでかいぞ!!
と、興奮したのは一巻のラスト。
《あの世》への興味が抑えられない杏。
鷲の足につかまって飛ぶシーンがありまして。
「死んでたまるか」って。
このコマがすっごくいいのです。
そしたら。
杏の遠く目の前に近代的な都市が!!!!
そんで私は思わず前記の二言を走り書いたわけです。
もーほんと、こりゃ誰のどんな陰謀よ?
はっ!実験社会?
萩尾さんの『マージナル』的な?
もう頭グルグルでワクワク!
で、この謎について二~三巻でちょっとずつ見えてくる。
まだまだ真意は全然だけど。
杏の姉・アンは、異形の姿で里に父を殺しに現れるんですよね。
父に捨てられた赤ん坊のアンを鷲が谷に連れて来て、アンはそこに住む者たちに育てられていたんでした。
(彼らの中にはテレパスや火を放てる者、透視できるものがいて、ひっそり、しかしたくましく《この世》と《あの世》の谷間で生きてるんですよね・・・)
や~~それにしても、この三巻分でたっぷり色んなことが起こっちゃってもう!!
処刑されそうになった杏の叔母さんの精神が崩壊しちゃったり。
家は暴徒に焼かれ半焼しちゃうし。
アンに刺された捨吉は重傷を負って《あの世》だし。
杏の幼馴染の平太は《この世》の不条理を肌で感じたのか、権力に近づこうとするし。
夜間外出が禁じられてる意味もなんかわかったし(農薬散布とかか・・・なるほど)
《あの世》に行った《知命》の人々のその後もわかってきたし。
杏、二つの世を行き来する和音にもらったタブレットで文字を覚えてるし(一気に近代感!ナイス)
どんどん夢中にさせられるわ~
:-:+:-:+:-:+:-:+:-:+:-:-:+:-:+:-:
今ちょっと後悔してんですよね。
あんまりおもしろいんで、ネカフェ読みじゃなくて買えば良かったなって
山下さんのおもしろさ、少女マンガ描いてたころの比じゃないなあ・・・。