
2010年12月16日発売 Tarzan571号
新世界基準競技「みかんの皮とばし」第1回世界大会が11月20日、
静岡県藤枝市で行われ、子供80名、大人男性70名、女性50名、計200名のとばし屋が参加。
藤枝の山奥でみかんの皮が飛び交いました。
競技唯一のルールは藤枝特産、温州みかんを完食しその皮を使うこと。
練習、本番一投ずつ行い、本番で一番遠くに皮をとばせば優勝です。
皮の形、大きさ、投げ方は自由。地元農協の現物提供により参加費は無料です。
時代をさかのぼること半世紀。みかんの収穫を手伝う子供たちが、
休み時間にみかんを食べ、山の斜面から皮を投げて遊んでいたのが競技の起源。
時は流れ、みかんの収量が減り、子供たちの遊びも多様化、
みかんの皮とばしは絶滅の危機に瀕していました。
そこで地域の文化を守り、ご当地スポーツとして復活させようと
地元有志が立ち上がり、今回の世界大会につながりました。
大会当日は快晴、気温18℃、微風という絶好のコンディション。
選手はダンボールの中からみかんを選び、皮をむき、食べるというルーティンをこなし集中。
ビタミン、糖分補給を終えると投擲ラインに並び、競技開始の号令とともに
オーバースローやアンダースロー、人差し指と中指に挟んで投げる手裏剣投げなど
個性あふれるスローイングで飛距離を競います。
この日、世界記録36.58mを叩き出し会場のどよめきを誘ったのは、
地元在住の自衛隊員、荒芳樹さん(32)。
競技初体験にして一気に世界記録ホルダーとなったチャンピオンは
「みかんは重く、皮の厚いものを選ぶこと。さらに、足で踏んで平らにするのがポイント」
と勝利の方程式を明かしてくれました。
11月はまだ皮が薄いため、風が強く皮も厚くなる冬本番での記録更新が期待されます。
大会を主催した「農作物の皮投擲競技国際普及委員会みかん部会」の佐野芳正会長(58)は
「みんな楽しんでくれてよかった。今後は技術を磨き、みかんの産地である
三ケ日や和歌山、愛媛、輸出先の米国でも対抗戦をやりたい」と意欲満々。
みかんさえあれば、いつでも、どこでも、誰でもできる新スポーツ。
みかんの皮とともに世界に羽ばたく日も近い!?

文・写真を寄稿しました。