調布シネマガジン

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テーマ:
リアリティのダンス

鬼才アレハンドロ・ホドルスキーが約23年ぶりに監督した作品。自らの少年時代をモチーフにした作品とのことだが、実際には彼の父親の伝記映画と言っても良いと思う。ちなみに作中に監督本人も出演している他、父親ハイメ役にアレハンドロの長男ブロンティス、行者役に息子クリストバル、アナキスト役に末息子アダンと息子3人が出演しているのも面白い。撮影は実際にアレハンドロの故郷であるとコピージャという村で行われたそうだが、今年85歳になるのに彼が子供の頃と何も変わっていない風景に本人が驚いたらしい。

ちなみに俺はこの監督の作品は初めてだし、過去の名声も一切知らない。というか今回初めてこの監督の存在を知った。でどうだったかといえば結構面白かった。奇抜な映像表現、奇抜な演出は確かに目立つけれど、軸として語られる物語は解りやすい。ウクライナ移民として軍事政権下にやってきたアレハンドロ一家。共産主義者の父親は軍事政権の在り方に疑問を抱き大統領を暗殺しようと企てるのだけど、その過程で息子に厳しく接する父親の姿や、ユダヤ人としていじめられる悩むアレハンドロの姿が描かれていた。

ただメインストーリーの合間合間に例えばサーカスだったり、例えばイワシの群れが空から降ってきたり、手足のない炭鉱夫が登場したりと、奇抜で空想的なエピソードが織り込まれるため、その進み方はとてもゆっくりとしたものだけれどもまるで飽きることがない。そしてその全てがアレハンドロ少年を作り上げ現在の監督の礎になっている。つまり、奇抜な演出故に鬼才なのではなく、少年の目線でとらえた世界のリアリティがそのまま監督の感性に連なっていて、それを表現するからこその鬼才なんだろう。こういうのを観てしまうと過去作『エル・トポ』『ホーリー・マウンテン』も観たくなってきた。

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ストーリー:1920年代、軍事政権がはびこるチリの小さな村トコピージャ。アレハンドロ(イェレミアス・ハースコヴィッツ)は高圧的な父ハイメ(ブロンティス・ホドロフスキー)と、息子を自分の父親の生まれ変わりだと信じる母サラ(パメラ・フローレス)と一緒に生活していた。一方学校では、ロシア系ユダヤ人であることからいじめられていた。(シネマトゥデイ)

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