調布シネマガジン

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テーマ:
渇き。

「このミステリーがすごい!」大賞を受賞した「果てしなき渇き」を『告白』の中島哲也が実写化した作品。とにかく役所広司のクソオヤジぶりが強烈なインパクトで迫ってくる。しかも娘役を演じる小松菜奈が今風かつそのオヤジ世代には完全理解不能な女子高生というのが面白い。R15+指定だけあって表面上はもう過激の一語。ナイフで刺されたり、スコップやバットで頭殴られたりなんて可愛いもんで、腹かっさばかれて内蔵見えてたり、車で人間跳ね飛ばしたりもう下手なスプラッタ系より血まみれムービー(笑)

ただ中島監督の映像と演出ってこれがどことなくポップでシュールなんだよね。だから散々な映像見せられてるのにグロいというよりクスリと来ちゃったりするところもある。物語はざっくり言えば行方不明になった娘の加奈子を元刑事のオヤジが探す話し。ただ探している過程でどんどん我が娘のクソっぷりが露見していくんだ。ちなみに加奈子は一度も今現在のタイムラインに登場しない、その存在は全て過去の振り返り映像で描かれている。「渇き。」が何でそうなのか、それは観始めてすぐに解る。

愛した妻が浮気をし、愛する娘からは相手にされず、心の底から愛を渇望するオヤジ。でも実はそれは娘も同じで、要するにこの映画は心の渇きを癒やすために行われたオヤジと娘の全てを書き留めた映像記録と言えるかもしれない。面白いのはその父娘の対照的な姿で、オヤジはやたらと攻撃的なのに、それは実は優しさの裏返しだったりする(通じないんだけどね)。反面、加奈子は表面上の優しさで結局は他人を攻撃しているんだ。娘のたちの悪さは疑う余地なしだと俺は思うんだけど、もしかしたらこれは世代間で感じ方が違うかもしれないね。

ただどこまでも人間臭く心の奥底にたまったヘドロが噴出するさまは、まるで韓国映画によくあるような人間の醜悪さをこれでもかと見せつけてくれた。原作は読んでいないけれど、中島監督でなければこの作品は映画化出来なかったんじゃないかな。

映画 公式サイト カチンコ

ストーリー:品行方正だった娘・加奈子(小松菜奈)が部屋に何もかもを残したまま姿を消したと元妻から聞かされ、その行方を追い掛けることにした元刑事で父親の藤島昭和(役所広司)。自身の性格や言動で家族をバラバラにした彼は、そうした過去には目もくれずに自分が思い描く家族像を取り戻そうと躍起になって娘の足取りを調べていく。交友関係や行動を丹念にたどるに従って浮き上がる、加奈子の知られざる素顔に驚きを覚える藤島。やがて、ある手掛かりをつかむが、それと同時に思わぬ事件に直面することになる。(シネマトゥデイ)

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