調布シネマガジン

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私の男

直木賞作家の桜庭一樹のベストセラー小説が原作。監督は「海炭市叙景」の熊切和嘉。主演は二階堂ふみと浅野忠信、共演に藤竜也、高良健吾、モロ師岡といった演技派俳優が揃っている。「海炭市叙景」の舞台は函館だったが、今回は雪深い紋別と東京という対照的な土地が舞台だった。奥尻島の津波で孤児になった花(二階堂ふみ)を遠い親戚の腐野淳悟(浅野忠信)が引取るところから物語は始まるのだが、実はこの初っ端から重要な事実をサラッと語らせているのには後で驚いた。

2人に共通しているのはお互いに家族が欲しかったということなんだが、元々天涯孤独の淳悟と花が最初から心が通じあっているというのが運命的であり、大きな伏線でもある。血の雨が降る中での2人のセックスは、とても退廃的でありタブーであるのだけど、一面雪景色の紋別という土地にあってはどこか純粋で崇高的な要素を感じたのも事実だ。心以上の固い結びつきを求めることをどこか許容出来てしまう。ところが、ある事件をキッカケに2人が東京に出てくると様子が正反対になるから面白い。

まるで白銀の紋別が天国とするならば、2人はそこから堕ちた天使のようですらある。花は淳悟の心が解らなくなり同世代の男に興味を抱き、淳悟は父親になりたかった自分と現状のギャップに苦しむことに。淳悟は花の男に言う「お前には無理だよ。」そりゃムリだろう。実のところ人の男女関係において、異性としての愛と家族としての愛を両立させることは難しい。花と淳悟の間にある愛はその隠された真実故にそれが一体となり存在しうる。お互いにお互いを求め捧げ合う、深い深い愛が成立しうるのは花と淳悟だからなのだ。

二階堂ふみが「運命の役」とまで言い切ったそうだが、その言葉に違わぬ演技だったのは間違いない。受ける浅野忠信、関わる藤竜也、何れもそれぞれの立ち位置での愛を表現する素晴らしい芝居だった。ただ…PR的にはともかく個人的には高良健吾くんはピエロだったなと思う。ちょっとキャラ的に物語に入り込めていなかったと感じた。

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ストーリー:奥尻島に猛威を振るった津波によって孤児となった10歳の花(山田望叶)は遠い親戚だという腐野淳悟(浅野忠信)に引き取られ、互いに寄り添うように暮らす。花(二階堂ふみ)が高校生になったころ、二人を見守ってきた地元の名士で遠縁でもある大塩(藤竜也)は、二人のゆがんだ関係を察知し、淳悟から離れるよう花を説得。やがて厳寒の海で大塩の遺体が発見され、淳悟と花は逃げるように紋別の町を去り…。(シネマトゥデイ)

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