調布シネマガジン

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テーマ:
オンリー・ゴッド

ライアン・ゴズリングの革手袋がやたらとカッコ良かった「ドライヴ」。そのニコラス・ウィンディング・レフン監督とライアンと再びタッグを組んだサスペンス映画だ。カンヌ国際映画祭でスタンディングオベーションとブーイングを同時に受けたという賛否両論作品らしい。観終わってその評価も納得だった。「ドライヴ」はとにかくライアンのクールな格好良さに痺れる作品だったし、それなりに話しも理解しやすかったが、今回はもうなんだかサッパリ。おまけに徹底的にグロい。しかもやたらと赤をベースにした映像効果がキツイ。

しかし個人的には結構惹きこまれちゃうんだよね。物語はタイを舞台に展開していた。ライアン扮するジュリアンの兄貴ビリーが殺され、それをしった2人の母親がやってくるんだが、その母親の命令で復讐が始まるんだな。兄貴が殺された理由は普通に考えて自業自得なんだが、そこに絡んでくるのが元警官だというチャンという男。こいつの行動が凄い。悪を断罪し自らの刀でぶった斬る。そして惨殺した後は何故かレストラン?で歌う。何なのこいつ一体って感じ?

ちなみにタイトルは正確には「ONLY GOD FORGIVES」といって「神よ赦したまえ」という意味らしい。なるほどどことなく「贖罪」的な匂いがプンプンしてくる。実はジュリアンたちは麻薬の密売人なんだが、死んだ兄ビリーにしても、ジュリアンにしても、どこか己が罪を悔い悩む姿が見受けられる。心の中では「神よ赦したまえ」と唱えつつも負の連環から抜け出せない、いやそもそもそれ自体を運命として諦めているのかもしれない。そんな兄弟を尻目に母親は手下を使ってチャンたちを殺そうと画策する。

チャンの手下たちに対する容赦の無い殺戮ぶりは正しく裁きの神のようでもあった。彼の存在に関して象徴的だと思ったのが、劇中ジュリアンとチャンが素手で戦うシーンだった。そこにムエタイの戦士の像がインサートされる演出があるんだけど、その映像を観ているとまるで仏を守る四天王像、の姿みたいなんだよね。四天王は仏法や仏教徒を守護する天部の神々、要するに守護神のうちの一種なんで、これは正にチャン=守護神ということなのかもしれない。

対人の殆どが敬虔な仏教徒であることはよく知られているが、チャンはそのタイの人々を守る守護神…そう考えるとラストにチャンの前に両手を差し出すジュリアンの姿は「ONLY GOD FORGIVES」そのものだと思う。そもそもこの言葉はキリスト教を前提としているはずが、仏教思想に相通じる宗教観を内包していると言うのがユニークだと思った。

映画 公式サイト 映画

ストーリー:ビリー(トム・バーク)とジュリアン(ライアン・ゴズリング)兄弟は故郷アメリカから逃げ、タイのバンコクでボクシングジムを経営しながら、その裏でドラッグビジネスに手を染めていた。ある日、兄ビリーが若い娼婦(しょうふ)をなぶり殺しにした末、彼女の父親に殺害される。犯罪組織を仕切る兄弟の母親(クリスティン・スコット・トーマス)がアメリカから急行し……。(シネマトゥデイ)

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