調布シネマガジン

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朽ちた手押し車
広島県尾道市で行われている「お蔵出し映画祭」のグランプリ作品。この映画祭は、良作なのに何らかの理由でお蔵入りしてしまった映画を発掘して公開しようという映画祭だ。それにしても、こんなに良い作品が30年もの間日の目を見ていなかったとは何ともったいないことか…。

出演者がまたすごい。メインキャストが三國廉太郎、長山藍子、誠直也、初井言榮、田村高廣という蒼々たる顔ぶれだ。ちなみに長山さんと誠さんを除いては全員すでに鬼籍に入られ、監督の島宏さんも既に亡くなられている。三國連太郎の数ある作品の中でも唯一の未公開作品ということだそうだ。

認知症の老父と、不治の病に冒された老母を抱えた家族の姿を描いた物語は、「老い」「死ぬ権利」といった今の世で問題になっているテーマに真摯に向かい合ったものだった。30年前にして既にこのテーマに切り込み、30年後にその殆どが亡くなっているというのが何とも感慨深いものを感じさせられる。

それにしても出演者の演技の何と素晴らしいことか。特に三國連太郎はこの役にあたってなんと自前の歯を抜いてまで臨んだというが、その演技力にはただただ圧倒されるばかりだった。認知症で別の世界と現実の世界の狭間に生きる老父の姿からは、時に不快さを、時に悲しみを、そして時にやがて来る現実を感じざるを得なかったほどだ。

恐らくこの作品はヒットとは無縁だと思う。がしかし、映画好きは是非この映画を見られる幸運を逃がさないで欲しい。

映画 公式サイト 映画

ストーリー:昭和59年(1984年)、新潟県。元漁師の安田源吾(三國連太郎)は、老人特有の認知症で毎晩はいかいを繰り返していた。さらに妻のトミ(初井言榮)に、余命半年という重病が発覚する。不治の病で死を待つばかりの老母の「殺してくれ」という訴えに悩まされる息子夫婦たち。するとある日、長男の忠雄(田村高廣)が、医者(下條アトム)に対して安楽死の提案をし……。(シネマトゥデイより)

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