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1/11 じゅういちぶんのいち


自主制作時代から応援させてもらっている片岡翔監督が演出・脚本を務めた初の商用作品。しかし応援していることと、その作品が面白いかは無関係なんで、特にバイアスなしで観ようと意識したのだけれど、そんなことはいらぬ心配だった。うん、凄く素敵な、監督らしい作品だったよ。彼の作品は一人ひとりの登場人物の描写がとても丁寧で、気持の小さな揺れや、引っ掛かりまできちんと表現しているのだけど、この作品もやっぱりその通りだった。

映画はある高校のサッカー部、その部員の勧誘をするソラとその周りの若者たちの過去を含めた物語が描かれる青春群像劇だ。そもそも俺は群像劇が苦手なんだが、今回はそれぞれの人間物語に素直に引きこまれてしまった。登場人物それぞれをとりまく希望、諦め、悩み、恋といった若者らしい感情がとてもダイレクトに響く。中心となるソラも、一度はプロサッカー選手を目指すものの挫折した青年だ。

彼は「あきらめないで努力すれば必ず夢は叶う」という言葉をとあるきっかけで思い出し夢を取戻すのだけれども、その想いが波及するかのように周りに広がっていくのだった。これはそのまま監督に重なると俺は感じた。自主制作時代から一生懸命努力し、ようやく今がある。ようやくプロの監督としての第一歩を踏み出したのが片岡監督だ。そんな彼が登場人物たちを見つめる目線はとてもとても優しいのだけれど、やっぱりそこには自分自身の経験による想いがあるんじゃないか。

若い俳優が多く、そして片岡監督もまた若い。だからもちろん細かい部分で気になるところはあった。個人的には特に脚本の流れ的にもう少し心地よさというか、最後まで無理の無い流れがあっても良かったのではないかとは思う。若干観るものに我慢を強いるような流れの部分もあったから。でも、この作品の若者たちと同じで、彼はここからが本当のスタートだと思うし、きっと更にいい監督になるに違いない。最初にバイアスなしでと書いたが、エンドロールの最後に彼の名前が出た時、自分のことのように嬉しくて、しばらく劇場で余韻を味わってしまった。

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