調布シネマガジン

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$調布シネマガジン-二郎は鮨の夢を見る

監督・製作・撮影はアメリカ人のデイッド・ゲルブ。まずはこれを日本人の監督は恥じなきゃいけない気がする。「すきやばし次郎」と言えば6年連続ミシュラン三つ星店として有名なのだが、これまで何度かテレビにも登場しているものの、ここまでキッチリ密着したドキュメンタリーはなかったのではないか。お膝元のことを日本人監督が映画化しないでどうするのよ!と思わずにいられない。

$調布シネマガジン-二郎は鮨の夢を見る0120カンフルコースで3万円からというお値段を高いとみるか妥当と見るか。少なくともこのドキュメンタリーを観た後には妥当と思わざるをえない。もちろん最高の素材を使っているのは当然だが、それ以上に一つの鮨に込められた最高の技術、職人の魂にたいする対価としては当たり前ではないかと思うのだ。二郎は言う「一つの事を極めたかったら24時間ずっとそのことだけを考えなくては」と。

自分の全てを鮨を極めることに費やすその姿はまさに日本語でいう“道”に通じるもので、もはやこれは“鮨道”とでも言うべきものではないか。もう一つ思ったこと。二郎は今87歳。いつまでもお元気で鮨を握り続けて欲しいが、無論永久に出来るわけはない。そこで二郎の二人の息子、特に現在は本店店主を務めている禎一にもカメラは密着していた。偉大過ぎる父を持った息子の心境が聴けるのがまた面白い。

$調布シネマガジン-二郎は鮨の夢を見る02当然ながら彼とて一流、いや超一流の鮨職人である。しかも現在では仕入れは彼の担当であり、仕込の全ても彼が目を光らせている。このあたりがまたポイントで、若い職人にとって二郎は正に神の如き存在だが、まだ50代前半の禎一ならばそんな彼らともまだ繋がりが持ちやすいと思うのだ。結果的に彼の存在が現在の「すきやばし次郎」を支えているのだと言うことがよく解る。

二郎は二人の息子たちを一人前の鮨職人に育て上げた。それは自らの体験に基づき、大げさに言えば生きていくための手段を叩きこんだということだ。父は息子の手本となり、息子は父を見て育つ。実は何のことはない古き良き日本の家族像がそこにはしっかり息づいていた。そう本作は鮨ドキュメンタリーでありながら小野父子の家族のドキュメンタリーなのである。だからこそ見ていて彼らの言動がしっくりと馴染んだ。

『二郎は鮨の夢を見る』公式サイト

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ストーリー:銀座に店を構える「すきやばし次郎」の店主で、大正14年生まれのすし職人・小野二郎さんが握るすしは5年連続で「ミシュランガイド」三つ星を獲得し、大きな注目を浴び続けてきた。その味に魅了されたアメリカ人監督のデヴィッド・ゲルブが密着取材を行い、二郎さんの職人としての姿勢や、父を超えようと精進する2人の息子や弟子たちとの師弟関係を映していく。
(シネマトゥデイ)

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