調布シネマガジン

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$調布シネマガジン-さよならドビュッシー

橋本愛はアイドル的な部分ではなくその芝居の良さが光る若手女優だ。これまでも様々な作品に出演してきているが、今回も非常に質の高い演技を見せてくれたと思う。一応、中山七里の同名ミステリー小説が原作だが、ミステリーと言う部分に関して言えばそう大したものではない。観ていれば大抵の人が橋本愛演じる片桐ルシアの秘密には気づくだろう。むしろこの作品の見どころはそこではないと思う。

$調布シネマガジン-さよならドビュッシー01不幸にして失ってしまった親友。そしてその親友の想いを叶える事が生き残ってしまった自らの贖罪であるかのごときルシアの苦悩。彼女のピアノの教師である岬洋介がそれをどのように受け止めるのか、そして彼女自身がどのように乗り越えるのかと言う部分がみものなのだ。そこで橋本愛。火事で全身に皮膚移植をし、喉は熱傷で声があまり出せないため今回は全体的にセリフは少なめである。

しかし彼女の抱える深い心の闇や、指が動かなくてもどうしても「月の光」を弾きたいという決意、この辺の想いの強さを的確に伝えてくれる演技だった。この子はやはり目の力が素晴らしいね。彼女の目の演技は若いのに本当に秀逸だと思う。一方の清塚信也。彼は元々プロのピアニストだ。「のだめカンタービレ」で玉木宏の吹替え演奏を担当したと言えば通りが良いかもしれない。

$調布シネマガジン-さよならドビュッシー02もちろんピアニストがピアニスト役だからというのは当然ある。だが今回の役はお見事だった。発するセリフの一言一句にやどる説得力、切れの良さを感じる穏やかなしゃべり口が見知らぬ岬洋介と言う人物に完璧に命を吹き込んできたと思う。ピアニスト故に音楽を、そしてその音楽を奏でる才能をこよなく愛す洋介。洋介に愛される演奏を見せる遥、音楽をベースにした2人の恋愛模様がしっくりと馴染む。

だからこそラスト付近で人と人、男と女としてのLOVEが垣間見えたのはちょっと違和感を禁じ得なかったのだが、それも洋介が照れくさそうに笑いながらウヤムヤにしてしまうことで、余計に彼が本物のピアニストであることに説得力を与えていたと思う。あそこで安易にキスなどしてしまったら安っぽい恋愛ドラマに堕していただろう。配役全体がこの2人を際立たせるため、脇役らしい脇役だったのもいいキャスティングだった。

『さよならドビュッシー』

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ストーリー:ピアニストになることを目標にしている16歳の遥(橋本愛)は両親や祖父、いとこらに囲まれ幸せに暮らしていたが、ある日火事に巻き込まれ一人だけ生き残る。全身に大やけどを負い心にも大きな傷を抱えた遥だったが、ピアニストになることを諦めず、コンクール優勝を目指して猛練習を再開。しかし、彼女の周囲で不可解な現象が続発し……。
(シネマトゥデイ)

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