調布シネマガジン

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$調布シネマガジン-レ・ミゼラブル

オープニングで船を引く男たちの歌声、そしてその中でもヒュー・ジャックマン演じるジャン・バルジャンの歌を聴いた瞬間から圧倒的な映画力で作品に引き込まれた。これは紛れもなく傑作だ。ヴィクトル・ユーゴーの原作は誰でも知っていると思う。俺が読んだ時は「ああ無情」だったけど(笑)それを『英国王のスピーチ』でオスカー監督となったトム・フーパーがミュージカル映画化したものだ。

$調布シネマガジン-レ・ミゼラブル01ジャンを生涯かけて追い続けるジャベール警部をラッセル・クロウ、ジャンの人生を変えた少女コゼットをアマンダ・セイフライド、その母で幸薄き人生を送ったフォンテーヌをアン・ハサウェイ、コゼットの恋人となるマリウスをエディ・レッドメイン…もうそうそうたる俳優が出演しているこの作品。最大の特徴は、実際に歌いながら演じているところをカメラに収めた点だ。

「実際に歌い演じることで、より感情表現がしやすくなった」とヒューは言っていたが、まさに彼ら一人一人のその時の感情が怒涛の如く観ているものの心に流れ込んでくる。序盤で貧困のためにどん底まで墜ちるフォンテーヌ、アンの歌うその声と表情にあっという間に涙腺が決壊してしまった。何も悪いことはしていない、ただ娘のために必死で生きているだけなのにどうしてこうなってしまうのか…。

$調布シネマガジン-レ・ミゼラブル02ヒューが歌って踊れる俳優なのは知っていたが、この作品の彼は時に激しく、時に弱々しく、ジャンの様々な側面を歌と共に聴かせ見せてくれる。序盤の教会で彼がジャン・バルジャンを封印する、即ち人を憎まず愛に生きる事を誓った時の力強さは未だに耳にこびりついて離れない位だ。もちろん一本調子ではない。随所に登場するテナルディエ夫妻はコミカルな人間臭さで話にアクセントをつけていた。

これに関しては夫妻にヘレナ・ボナム=カーターとサシャ・バロン・コーエンという2人をキャスティングしたのはお見事と言うほかはないだろう。ジャンの直向きに愛に生きる姿勢はジャベールをして「あいつは俺を生かして、俺を殺した」と言わしめ、実際彼は自殺してしまう。一人の人間の生き様が他の人間のアイデンティティを崩壊させ死に追いやるなどどう考えても尋常ではない。

$調布シネマガジン-レ・ミゼラブル03しかしジャンが仮釈放を受けてからそこまで必死で生きてきた姿を見てきた我々は、その事実に対して哀しいけれどどこか納得してしまう部分があるはずだ。つまりジャンは人のために生き、ジャベールは自分のために生きていた。しかし監獄で生まれたジャベールはそうでなくては生きられなかったのかもしれないし、ジャンだって司教の優しさにふれなければ似たようなものだったはずだ。

コゼットとマリウスに看取られながら息を引き取るジャンは、ようやく全ての重荷から解放され自分のために生きることができる。その表情には全力で生き抜いた人間だけがもつ満足感が見て取れた。間違いなくヒュー・ジャックマンの代表作になるであろうこの作品、必見だ。

『レ・ミゼラブル』公式サイト

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ストーリー:1815年、ジャン・バルジャン(ヒュー・ジャックマン)は、19年も刑務所にいたが仮釈放されることに。老司教の銀食器を盗むが、司教の慈悲に触れ改心する。1823年、工場主として成功を収め市長になった彼は、以前自分の工場で働いていて、娘を養うため極貧生活を送るファンテーヌ(アン・ハサウェイ)と知り合い、幼い娘の面倒を見ると約束。そんなある日、バルジャン逮捕の知らせを耳にした彼は、法廷で自分の正体を明かし再び追われることになってしまい……。
(シネマトゥデイ)

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