調布シネマガジン

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※本記事は「LOVE Cinemas 調布」用に書かれたものですが未掲載だった原稿です。
『マリリン 7日間の恋』でようやく興味を惹かれたマリリン・モンロー。本来ならあの作品のベースになった『王子と踊子』から行くべきなのかもしれないが、記念すべきマリリン・モンロー初鑑賞作品はこれからいってみる。彼女に全く興味が無かった私ですらタイトルや場面場面は見たことがあるほどに有名な作品からの方が敷居が低いというものだから。ところが何とこの作品、物語の主人公はジェリー(ジャック・レモン)とジョー(トニー・カーティス)というバンドマン2人だった。待てど暮らせどお目当てのマリリンは登場せず待つこと25分、しかし駅の構内でいきなりアップで登場する彼女の輝かんばかりのオーラに一気に引きこまれてしまった。

$調布シネマガジンホームをあるく彼女の後姿に「あぁ、これがかのモンローウォークか…」と思わず見入ってしまう。さて、では何故ジェリーとジョーが駅にいたのか。実は2人はバンドマンでジョーはサックス奏者、ジェリーはベース奏者である。この二人が偶然にもシカゴマフィアのスパッツ(ジョージ・ラフト)の殺人シーンを目撃してしまったからさあ大変。命を狙われる羽目になった彼らはフロリダに演奏に行くという女性だけのバンドに、女装して潜り込む事に成功する。ちなみにジョーはジョセフィン、ジェリーはダフネとそれぞれ名前を変えていた。マリリン扮するシュガーはこのバンドのメンバーだったため、この駅で3人は運命の出会いをすることになるというワケだ。

冷静に考えれば良いガタイの白人男性がいくら女装したところで誤魔化せるワケもないのだが、そもそもそれ自体がコメディーの要素として面白いし、不思議なことにずっと観ていると慣れてなんとも思わなくなってしまう(笑)何でもこの作品がモノクロになったのはこの2人の女装が原因だったらしい。フロリダに着くまでの車中でもマリリンの魅力全開だ。それにしても何て可愛らしくてセクシーなんだろう!彼女の一挙手一投足に目が行き、これまた愛らしいあの声に聞き入ってしまう。ダフネがシュガーと2人きりになりたいのに、無邪気にもバンド仲間を呼んで飲み会ならぬ女子会にしてしまうシーンは、そんなシュガーヤキモキしつつも全く憎めない。大体世は禁酒法の時代だというのに!

$調布シネマガジンフロリダについてからはジョーとジェリーの珍妙な恋物語を中心に話は進むのだが、その話の前のマリリンが「I Wanna Be Loved by You」を唄うシーンがなんと言っても見せ場だろう。胸元が強調されたセクシーな衣装に身を包み、それこそマリリン・モンローの代名詞ともなっている有名な歌。DVDで10回はリピートしてしまった…。さて、ここから先、ジョーはジョセフィーヌと2役をこなしながらシュガーとの恋を成就させようとあれこれ策を巡らし、一方のジェリーは何故か大金持ちのオスグッド3世(ジョー・E・ブラウン)にダフネとして気に入られてしまうことになるのだが、物語的にも見せ方的にも実に楽しいシーンがこの後待っていた。

ジョーがジェリーの協力でオスグット3世のヨットにシュガーを連れ込み甘いキスを交わしているシーンからカメラをスウィッシュするとダフネとオスグット3世がフラメンゴを踊っているという演出。美男美女のロマンティックなシーンと、ジイサンとオカマのダンスシーンというあまりにも対照的なカップルを交互に映し出すだけなのに、このあまりのギャップで思わず笑ってしまうのだ。大体トニー・カーティスの女装とジャック・レモンの女装ではどう見たってジャックの方が変態度が高い。なのにそちらを好きなるオスグット3世。またそれをジョー・E・ブラウンが小粋かつ可愛らしく演じているのが実に良い。この後ジョーとジェリーのホテルに何とスパッツたちが現れる。

$調布シネマガジンマフィアの集まりで偶然にもやってくるのだが、当然ながら彼らは見つかって追いかけられるハメに。ホテルで展開されるドタバタ劇はそこそこ面白いといったところか。それより最高に痛快だったのはラストシーンだ。オスグット3世のモーターボートで逃げ出すジョーとシュガーとジェリー。ジョーとシュガーはもうすっかりラブラブモードなのだが、ここでもワイルダー監督は対照の演出を決めてくる。何を言ってもダフネを諦めないオスグット3世に業を煮やしたジェリーは遂にカツラをとって男であることをバラスのだが、それに対して彼が言ったのが「Nobady is perfect」(完全な人間なんていないよ)というセリフ。軽快なリズムで展開される会話の応酬の最後のオチとしてはもう最高だと思う。

マリリン・モンローの魅力にどっぷりと浸らせてもらいつつ、コメディとしても実に痛快。この作品が多くの人に愛され、マリリンの作品として有名なのも解るというものだ。

『お熱いのがお好き('59)』goo 映画

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ストーリー:禁酒時代のシカゴのもぐり酒場。サキソフォンを吹いていたジョー(トニー・カーティス)と、バス・ヴァイオルを弾いていたジェリー(ジャック・レモン)は、酒場に警察の手入れが入って失職した。困った2人は新しい仕事場へ都落ちするため、ガレージに自動車を借りに出かける。ところがそのガレージで、彼らはギャングの殺人を目撃する。折からの聖ヴァレンタインの日を期して、2人がもと働いていた酒場の持ち主スパッツ・コロンボ(ジョージ・ラフト)が、もぐり営業を密告した男に機関銃弾をぶちこんだのである。逃げ出した2人は、コロンボ一味に狙われる身の上となった。生命の危険を感じた2人は、ジョーがジョセフィン、ジェリーがダフニと名を変えて、女装して女性オーケストラ一行にまぎれこみ、マイアミ演奏旅行に出発する。オーケストラの一員に、ウクレレ奏者の金髪娘シュガー(マリリン・モンロー)がいた。ジョーは一目でシュガーに惹かれたが、彼女は過去に6回もサキソフォン吹きとの恋愛に失敗し、今度は成金と結婚しようと狙っている娘だった。それに女を装う身の上では、求愛もできない。一方ジェリーのダフニは、マイアミで年輩の大金持の御曹子オスグッド3世(ジョー・E・ブラウン)に一目惚れされてしまう。そこで一計を案じ、ジョーは男の姿に戻って石油成金と偽り、シュガーをつれ出す。そしてジェリーの誘いで外出したオスグッド3世のヨットを使い、彼女と愛をささやくことに成功。2人の二重生活が進行中のそんなある日、ギャング達の集会がマイアミで開かれ、スパッツ・コロンボが一味をつれてオーケストラ一行と同じホテルにやってきた。びっくりした2人は、正体を見破られかけて逃げ出す仕度をする。ギャングの集会では、勢力拡張を計るコロンボが組織の怒りをかい、集会の席上で突然射殺される事件が起こる。そんな騒ぎのうちに、ジョーは実は自分は男だと打ち明けて、シュガーとともに安全なヨットに逃れる。ヨットに向かう途中、ジェリーもオスグッド3世に、自分が男である身の上を打ち明ける。しかしオスグッド3世は、平然として言った。「誰でも完全な人間なんてありはしない」と。
(MovieWalker)
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