調布シネマガジン

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$調布シネマガジン-われに撃つ用意あり

先ごろ交通事故で急逝した若松孝二監督がバブル時代真っ只中の1990年に撮った作品。主演は昨年亡くなった原田芳雄だ。他にも桃井かおり、蟹江敬三、室田日出男、石橋蓮司、山口美也子、小倉一郎、斉藤洋介、西岡徳馬、佐野史郎、麿赤児…といった、とんでもなく素晴らしい役者が揃っている。でもね、この映画は原田芳雄を見る映画だと思う。少なくとも全共闘世代を知らない俺にとっては。

$調布シネマガジン-われに撃つ用意あり0190年の新宿歌舞伎町と言えばまだ猥雑で蠱惑的な香りの漂う面白い街で、今のただの居酒屋街と化したつまらない街とは違う。危険もあったけど大人が遊ぶ街だったなとつくづく懐かしくなった。そんな街の片隅でスナックのマスターをしてるのが原田芳雄扮する郷田克彦。このスナックの閉店パーティーに彼の全共闘時代の仲間が集まってくるんだけど、そこに珍客が乱入するのよね。

まあベトナム人の女が警察とヤクザの両方に追われて、それを匿い彼女のために克彦は動くことになる。細かい理由はもちろんあるけど、彼の行動原理の中ではそれはさして重要じゃない。客観的に観たら全共闘時代のとある“悔い”を晴らそうとしているようにも見えるけど、本人にとっては理屈じゃなくて、弱い存在がそこにいたら助けるだけってことなのかも。この辺がもうえらく渋くて…。

$調布シネマガジン-われに撃つ用意あり02ベトナム人の女・メイランを助けるべく動く克彦と、行動を共にする李津子役を桃井かおりが演じているんだけど、この2人の纏っている空気感てある種似通ったものがあって、他の役者では出せないものだと思うんだよな。しゃべらない演技でこんなにも人を引き込める俳優って中々いないよ。短いセリフの中に全てが込められ、互いに通じ合える関係であることをキッチリと解らせる表現力。

もちろんそれは過去に共に闘ったというバックボーンがあるからなんだけどね。今は無き新宿コマ劇場前の公園で克彦と李津子が2人で座り込むシーン、写真を挿し込むようにフリーズ映像を並べながらセリフだけが被ってくるこのシーンは、2人にとっての闘いがようやく終わったかのようでもある。何となくやりきった清々しさを感じたんだけど…いや、そんなことどうでもいいのかもな。

『われに撃つ用意あり』-goo映画

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ストーリー:新宿・歌舞伎町。スナック“カシュカシュ”のマスター郷田克彦の前に、ヤクザに追われている女が現れる。女の名はヤン・メイラン、台湾人である。その頃、外では桜道会系戸井田組々長が銃殺される事件が発生し、新宿署のマル暴刑事・軍司が捜査を開始していた。殺人現場にはVHS-Cビデオのアダプターが残されていたが中身のテープはなかった。一方“カシュカシュ”では20年間続いたこの店の閉店パーティが行われており、克彦のかつての全共闘の同志である季律子、秋川、三宅らが集っていた。中にはメイランの姿も見え、実は彼女がベトナム難民であり、偽造パスポートを持つ密国入者であることが判明する。逃走のためのパスポートを取りに店を出たメイランは、戸井田組に追われるが克彦はそんな彼女を救出するのだった。一方、事件を追う軍司は、戸井田組がタイの女にパスポートをネタに売春させ、その女に組長が殺されたらしいことと、女がビデオテープを持っていることをつきとめた。時を同じくして香港ヤクザが戸井田組々員を殺害する事件が起り、そこで軍司はビデオテープを発見する。それは桜道会桜田のフィリピン女の殺人シーンだった。メイランは克彦と仲間に戸井田に脅され、犯されそうになった時、銃が暴発して戸井田を殺してしまったことを打ち明ける。そして対策を練っていた時、秋川が香港ヤクザに殺されてしまい、メイランもさらわれてしまう。克彦は一人でメイランを救出することを決意する。そんな克彦と行動を共にする季律子。リボルバーを手に香港ヤクザのいるフィリピンパブへ向う二人は、ヤクザと警察を向うに激しい銃撃戦の末、メイランを無事逃がす。そして、負傷した二人は互いを支え合いながら薄れかける意識の中で笑い合うのだった。
(goo映画)
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