調布シネマガジン

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『ディア・ピョンヤン』『愛しきソナ』という2本のドキュメンタリーを作ってきたヤン・ヨンヒ監督の初のフィクション映画。これって前の2本を観てから鑑賞した方が良いと思う。何でかってと、観てればこの作品がフィクションであっても監督自身のことを描いていることがすぐ解るし、一貫して監督が伝えたいと思っていることがより受け止めやすいんだよね。
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それは一言でいえば家族の絆に他ならないと思う。各国固有の体制は厳然としてあって、人々はその中で生きていくのだけれど、たとえどんな国に生きようとも家族という社会組織の最小単位“かぞくのくに”は皆同じってこと。物語では主人公リエ(安藤サクラ)の兄ソンホ(井浦新)が病気治療のために一時帰国するんだけど、ある日突然の帰国命令が出る。

当然納得いかない家族を尻目にソンホは黙って従うんだけど、その命令を伝えるのが『息もできない』のヤン・イクチュン監督演じるヤン。リエがヤンに「私は、あなたもあなたの国も嫌い!」と怒鳴るシーンで彼は「あなたの言うその大っ嫌いな国であなたのお兄さんも私も生きていくんです、死ぬまで。」と静かに返すのね。このセリフがホント心に響いたなぁ…。

今日韓・日中関係がしっくりといってないよね。でも国どうしの諍いを個人に持ち込むべきじゃないんだよ。だってさ“かぞくのくに”はどの国家にだってあって、そこで皆それぞれ精一杯生きている。幸せになろうともがいてる。それって俺たちだって同じことじゃないか。もちろんその“かぞくのくに”を侵す事に対する怒りもこの作品では描き出されてるよ。$調布シネマガジン

でもそれでも、監督は自分の中に流れている血故にその怒りをぶつける相手が個人ではないことを理解しているんだよね。井浦新、安藤サクラ、ヤン・イクチュン…これでもかという実力ある俳優が監督の想いを汲んで表現するそれぞれの芝居は本当に素晴らしかった。特にヤン・イクチュンは韓国人だから余計に複雑な心持もあったんじゃないかな。この作品、アカデミー賞外国語映画賞の日本代表作品に選出されたそうです。

『かぞくのくに』公式サイト
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