スペインにおける中国問題とは？

人種差別を風刺するスペインのテレビ番組のやり方は非常に拙いし、やるべきではないことです。

やったとしても中国経済が世界首位になろうとしている今、国レベルで言うとこれまでと立場が逆転しているわけで。

ただ、こういう番組が出来てしまう背景にはスペイン国内に中国系ビジネスが浸透してスペインの中小ビジネスを駆逐してしまっているという現実があります。

そのような政策を金のためなら目をつぶり、中国でとくにスペインの大企業が有利となるような取引と引き換えに生じている現象なのですが、一般国民からすると「すべて中国人が悪い」という印象を持つことになりがちです。

また、一部の中国系の人々がスペイン社会のルールを守らない、あるいはそういう印象を与えてしまっているということも空く印象を与える原因のひとつになっていることもあります。

これは移民問題に必ず伴うマイナス面ですが、短期の経済利益のみにとらわれて他の面を軽視していると、中期・長期にはマイナス面が多くなってくるのは歴史が示している通りです。

EU選で数ヶ月前に結成されたばかりのポデモス（We can)という政党がいっきに第4位に躍進してスペインの二大政党が大幅に議席を減らすという激震が起きたのも二大政党に対する失望と諦めからで、その中には移民問題の影響もあるわけで。

移民と言う蛇口は一度ひねって開けてしまうと、あとは「なし崩し的に」歯止めが崩れていくことを痛いほど経験している国では移民に頼らないで先進国の仲間入りをした日本は理想的な国に見えるわけですが、歴史に学ばない人類が失敗を繰り返すのは仕方ないことなのかもしれません＾＾；