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東日本大震災により被害を受けられた皆様に,心からお見舞いを申し上げます。






メールについて,興味深い判決がありますので,ご紹介いたします(2008年8月26日付共同通信配信の記事より)。



「メール1通の婚約破棄不当 女性が逆転勝訴



メール1通で婚約を一方的に破棄したのは不当などとして,盛岡市の女性(57)が岩手県内の男性(57)に200万円の慰謝料を求めた訴訟の控訴審判決で,仙台高裁は26日,請求を棄却した1審盛岡地裁判決を取り消し,男性に30万円の支払いを命じた。



小野貞夫裁判長は『メールで一方的に婚約破棄を通告した』とした上で『女性に感じた違和感を本人に伝えて善処を求めるなどのコミュニケーションを取ろうともせず,いきなり1通のメールで突き放したというべきで正当な理由があるとはいえない』と指摘。女性に精神的苦痛が生じたと認めた。



判決などによると,男性と女性は昨年2月に婚約。男性は婚姻の意思がなくなり,同年5月に『1人の方が気楽。大変勝手なのですがおつきあいはやめさせてください』とのメールを送った。



その後,女性が慰謝料請求などを求めるメールを送ると,男性は付き合いのある暴力団員がいるなどと脅迫する内容のメールを送信した。」






結婚の約束をしあった婚約者に対して,1通のメールでその婚約を破棄し,そのまま突き放す,ということは,社会通念からするとひどい対応だな,と思わざるをえません。



それは逆に言うと,私達の社会におけるメールの存在(現在では電話よりもメールで情報交換を行う機会の方が多いのではないでしょうか)と比べて,私達の心の中におけるメールの存在は,まだまだ機械的なものにとどまっている,ということを示しているように思います。



少し考えたのですが,上の事件で,男性が電話をかけて婚約を破棄していた場合は,メールで婚約を破棄した場合と異なる判断が出されたのではないのかな,と思うのです。でもひょっとすると,私達の社会に「電話」というツールが登場した当初に,直接会って婚約を破棄せずに,電話でそれを行った場合には,社会通念上正当なことではない,という判断が出されたのかもしれませんね。となると,私達の社会で,さらには私達の心の中で,電話というツールが機械的ではなくなった時があったのかもしれません。






いつか将来,メールというツールの役割につき,私達の心の中の存在が変化する時は来るのでしょうか。



日本でも人気のある,アメリカのロック・バンド「TOTO」には,「ハイドラ」というアルバムがあります。そのアルバムに,「99」(ナインティ・ナイン)という曲が収められています。



「99」とは,近未来,人に名前がなくなり,数字でお互いを呼び合う時代が来て,「99」という番号の女性を好きになった男性の曲なのです。



そのような時代になると,ひょっとすると,メールというツールの存在も変わっているのかもしれないな,と思ったのです。


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