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今年の司法試験に合格された方々が,司法修習生となり,各地への配属が始まったようですね。私の事務所にも2ヶ月間,司法修習生が来られることになりました。



私は弁護士になって6年目です。つまり7年前には司法修習生だったわけです。本当に月日が経つのは早いものだな,と思います。






これから司法権を担うことになる,司法修習生の方々に,メッセージをお送りしたいと思います。



まず,修習では,弁護士会,検察庁,裁判所のどこに配属されていても,「自分ならばこの事件をどう解決しようとするのか」,「自分ならば今どのような尋問をするだろうか」というように,常に自分ならその事件について,どのようなアプローチをするのか,という観点から,修習をされると良いと思います。



法律学には正解はなく,司法権の作用にも正解はありません。ご自身の価値観,社会観に基づいて,どのように発生した事件に対して光を当てるのかを考えながら修習をされると,とてもいい経験になると思います。






また,司法修習が終了した時点で,いわゆる2回試験という試験を受けることになります。司法試験に合格した人に,さらに司法修習卒業のために試験が課されるのはなぜか,ということを,よく考えながら修習を受けられるといいと思います。



司法試験はいわば平面的な法解釈論を学ぶ場でした。それに対して司法修習は,「法曹三者の役割」そのものを学ぶ場です。



司法試験に合格された人達を,あえて裁判官,検察官,弁護人のように,3つの役割に分けて,それぞれの立場から,社会で発生した事件に光を当てるのが法曹三者制度です。



どんなに凶悪な事件であるとされていても,どんなに社会が被告人に怒りを感じていても,弁護人が就き,被告人にとって良い光を事件に当てなければ,その事件は適切な解決にならない,ということを,人類は経験的に学んだのです。



「完全な人間はこの世にはいないのだ」という人類がたどり着いた悲しい結末によって,法曹三者制度が生み出されたと言ってもいいと思います。法曹三者制度は,不完全な人間が,それでも社会をより良い姿にするために編み出した知恵なのです。



司法修習では,その法曹三者制度そのものの理解を学ぶ場です。2回試験では,民事裁判,刑事裁判,検察,民事弁護,刑事弁護の5科目が課されますが,そのすべては,それらの法曹三者制度の役割は何か,という理解を見る試験となっております。その点を頭の片隅に置きながら,修習を受けられると良いと思います。






最後ですが,事件そのものをよく見る姿勢を大切にしてほしい,ということです。



社会で発生した事件には,どんなに小さい事件でも,必ず法律上の問題点が含まれています。また,どんなに小さい事件でも,必ず感情を揺さぶられるようなエピソードが隠されているはずです。



皆さんは,司法権の担い手として,それを感じることができるようになることが求められています。担当される事件の中で,それらの側面を見つけることができるように,一生懸命事件記録を読み,尋問を聞き,さらには当事者の訴えに耳を傾けて下さい。






司法修習生の皆さんが,良い修習を経験されて,1年後には法曹の仲間として,一緒に社会の問題を解決する日が来ることを,とても楽しみにしています。頑張って下さい。

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