原油相場は6営業日振りに反発です。米国原油在庫の圧力にも関わらず下げ渋った相場は、サウジ石油相の需要に対する楽観コメントに反応しています。

2月25日のNYMEX WTI 原油先物の終値は前日比$1.71高の$50.99/bblで、引け後の時間外取引は$51/bbl前後です。

サウジアラビアのヌアイミ石油相は、石油需要が伸びているとの見解を示しています。

 ■ Saudi's Naimi says oil demand growing as prices stabilise (Reuters)

確かに統計上昨年第4四半期以降のインドや中国の需要はかなり堅調で、安値に刺激されたことが想定されます。市場が相場の急騰が無い限りこの傾向が続くことも予想されます。

スタンダードチャータードは、米国の産油量も4月には鈍化し、今年後半にはブレント相場が足元の$60/bbl割れから$85水準に上昇すると予想しています。

 ■ 原油価格は7-12月に上昇へ-英スタンダードチャータード (ブルームバーグ)

4月には鈍化ということは、目先の米国産油量は堅調ということですね。
米国エネルギー情報局(EIA)の週間統計によると、先週の全米の産油量は日量929万バレルで前週比同5千バレル増加でした。

EIA150226

油井稼動数が減り続けている割には、生産量の減少が始まりません。
一方、輸入も直ぐには日量700万バレルを割れず、季節的な原油処理量低下もあって在庫は予想を大きく上回る前週比843万バレル増でした。在庫水準は4.3億バレルを超えています。

とはいえ、市場はやや麻痺してきたのか、ガソリン在庫が予想より減ったことなどを注目しています。
また、石油製品の総出荷量は日量1,900万バレル大台後半に留まり、前年比は3週連続でプラスと、相変わらず需要の底堅さを示しています。

EIAinv150226

今週は余り材料にならなかった米国原油在庫ですが、メキシコ湾岸の在庫は昨年第2四半期に記録した過去最高水準に迫っており、クッシング在庫も5千万バレルまであとわずかです。

この調子だと8~10週のうちにクッシングの原油貯蔵能力が一杯になるとの観測も聞かれます。

 ■ HollyFrontier expects Cushing crude storage to be full in eight to 10 weeks: CEO (Platts)

米国の原油在庫は年初から5月くらいにかけて5千万バレル程度積み上がるものですが、今年はスタート地点が高かったのが特徴です。
しかも増勢が例年以上であれば、貯蔵能力の限界に達する可能性も否定はできませんね。

2015/2/25
NYMEX WTI Apr: $50.99/bbl ( +1.71 )
20日移動平均: $50.40 ( +0.06 )
ボリンジャーバンド
 +2σ: $55.24/ -2σ: $45.55
 幅: $9.69 ( -0.54 ) / 100日平均: $13.46
ボラティリティ
 64.78 ( +0.50 ) / 100日平均: 40.53

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