2011-01-31 19:38:26

+ 厭な小説【京極夏彦】

テーマ:* 最近読んだ本。

 京極作品、流石の安心感。


 嫌じゃなくて厭という字を使うあたりも、蜻蛉(蜉蝣)をKAGEROUと記したアノ人とは違い、必然で。


 言葉の一つ一つをしっかり受け止めても、決して肩すかしを食らわない気持ちの良さ。


 全編「厭な小説」。「嫌」ではなく「厭」としかいいようがないシチュエーションを一話一話丁寧に取りそろえ(笑) 
 ハヤシライスの話がもう怖くてね。この彼女は何なんだろう、精神病者なのか、化け物なのか。京極だから後者だろうな。この話に限らず、話の7割くらいはリアリティがある。だから浮いた部分が怖い。ハヤシライスの彼女も大筋では居そうだしね。


 最後の「厭な小説」。
 大嫌いな上司と新幹線で2人きり。その時間が無限ループするよりも(だって何万年何億年もループしない保証もない)、「何よりも厭な事が、この先お前に起こる」って・・・・・・・何なんだろう。少し離して同じ文章があるし、やっぱりループなのかな。


 全ての話は最終章の主人公の周囲で殆ど漏れなく起きているというのに、これまた全ての話に出て来る嫌われ者の「クズ上司」だけは、怪奇現象からも仲間外れにされているかのように暢気な厭っぷりで、何だか可笑しい。

 頭の大きな、山羊のような目の気持ち悪い子供が出て来たり、仏壇を開けるとご先祖が「みつしりと」入っていたり、想像を絶する地獄のような厭さの中、この上司だけが動かぬ日常だ。


 意外とラスボスはこの上司かもよ(笑)

AD
いいね!した人  |  コメント(0)  |  リブログ(0)
最近の画像つき記事
 もっと見る >>
2011-01-25 22:08:06

+ おちおち死んでられまへん 【福本清三 小田豊二】

テーマ:* 最近読んだ本。
 時代劇の最後10分。「かまわん やっちまえ!」のあのシーンで必ず見る顔があった。
 もの凄く分かりやすい悪役ヅラ。ずっと前から気になっていて「こないだ斬られてたあの人!また斬られる!」と画面を指さしたものだった。

 ある時、その人が海外でThe KIRAREYAKUというほど有名で、本も出しているのを知る。

 稀~にプチ自慢?にも取れる自己卑下がハナにつくが(これは実際に文章を書いた小田さんかな?)、いい人だなぁとしみじみ。これまた絵に描いたようなオヤジギャグにも心が暖まり。

 月並みだけど、「目立たない事を地道に真面目にやり遂げる事の大事さ」を体現したような、良い生き方だ。
 時代の革命児だとかビジネス新伝説だとか地球の夜明けだとか、斬新なアイデアで一山当てた人、短期戦の右肩上がりが持て囃される時代、もう一度こういう人に注目して欲しいなぁ・・・・・・。

 それはそうと香住出身とのこと。香住といえば2,3年に1度はカニを食べに行く。
 とても失礼だが、「中学を出た子供は家を出て自ら口を減らすのが親孝行。職がなくて親戚の言いなりで京都に出てきた。自分が俳優の仕事をしていると知ったのは、随分後だった」というのが頷ける、寒くて少し淋しい町。

 豊かで、「役者になる!」「有名人になる!」という夢と気負いを以て業界入りした人では、こうはいかないのかも知れない。

AD
いいね!した人  |  コメント(0)  |  リブログ(0)
2011-01-22 22:58:20

+ 四畳半神話体系(アニメ)

テーマ:* 観たもの。

 いくら本文中で「茄子のような顔」と書かれてあろうと、飄々とした神懸かり的キャラから勝手に仙人系美形だろうと想像していた樋口師匠のビジュアルがとても残念だった。茄子。しかも特大。

 まぁそれは単に私の妄想が挫かれたというだけの話で、アニメとしては大成功だと思う。原作を好きな人が、作ったんだろうな。



 ただひたすら早口で内省する「私」の声優も上手かったし、最終話の1回前、連続四畳半の無間地獄を一人放浪する所もとても良く。


 腐女子的には、これは主人公と小津との出会いの物語にしか見えないのだ。小日向さん?あれは小津と主人公に添えられる香辛料でしょ。


 小津の妖怪のような目が、演出的に上手かったなぁ。妖怪に見えていた未知の男の顔が、友達になってみれば普通の少年の顔だったなんて良くある話で。

AD
いいね!した人  |  コメント(0)  |  リブログ(0)
2011-01-18 22:53:11

+ 魍魎の匣(アニメver)

テーマ:* 観たもの。
 良かったなぁ・・・。

 ちょっと女性向けな作画だったけど、京極作品の危うさ、ツジツマが、魍魎の領域が、無駄なくバランスよく13話に纏まっていると思う。

 一番光ってたのは、関口君じゃなかろうか。

 狂言回しというか、情緒不安定で想像力が豊かな故に、物語に同調して犯人に取り付かれたように叫び、狂う。

もうね、最高。
いいね!した人  |  コメント(0)  |  リブログ(0)
2011-01-10 00:54:00

+ インシテミル【米澤 穂信】

テーマ:* 最近読んだ本。

 初めての作家さんのミステリを読む時は、謎解き以前に作者の力量を推し量るのに手を取られてしまう。

 細部まで読み込んだのに、「実はそこまで考えてませんでした~」という噴飯モノのオチに出会った負の経験の為せる技。


 最初は主人公が「突出した能力もなく、受け身でボヘー、でも何故か運が良く、謎の美少女とご縁があってメリット受けまくるであろう」典型的なラノベ主人公(男)に見え、キャラが立つ前の応募者全員の志望動機や、暗鬼館という名称や、阿藤先生、伊藤先生、宇藤先生というチャチ臭さも手伝い、半ば消化試合で読み進めたが。


 途中で主人公が隠してた爪を出し始める辺りからは、電車乗り過ごすほど面白かった。ちゃんとミステリとして読み応えある。
 
 感情と私情だけで隙あらば事態を悪化させようとする若菜のウザさもミステリものにはお約束のキャラで、真実よりも安心を選ぶ渕さんの気持ちも共感出来る。


 ラストは犯人が主人公の性格を最初から計算に入れていた所にトキメキつつも、みんな生きてて欲しかったなぁ。譬えジエンドの後の部分だったとしても、安易な因果応報よりも背負って生き続ける方がズッシリくるから。


 それにしても何だろう、このハードカバーの可愛らしい装丁は。

いいね!した人  |  コメント(0)  |  リブログ(0)

AD

ブログをはじめる

たくさんの芸能人・有名人が
書いているAmebaブログを
無料で簡単にはじめることができます。

公式トップブロガーへ応募

多くの方にご紹介したいブログを
執筆する方を「公式トップブロガー」
として認定しております。

芸能人・有名人ブログを開設

Amebaブログでは、芸能人・有名人ブログを
ご希望される著名人の方/事務所様を
随時募集しております。