2010-11-30 23:16:38

+ 累犯障害者【山本譲司】

テーマ:* 最近読んだ本。
 人としての道徳的な価値を、生き様だとか性格だとか魂だとか精神論を唱える人間が居るが、結局は与えられた入れ物の差も大きいんじゃないかと思うことがある。

 顔形の作りがどうだとか、家庭環境に恵まれなかったとかいう話なら、精神論で乗り切れるだろう。
 だけど脳は?聴覚や視覚などの重要なデバイスは?


 事故で脳を損傷して性格が変わっただとか、加齢によって怒りっぽくなっただとか言うじゃないか。それはその人の魂の、人格の責任なのか?もし生まれつきそんな脳が、入れ物が与えられていたとすれば?善悪ではなく、健常者の大多数用に作られた法律・社会・制度から、はみ出してしまう人は、居るのではないだろうか?その人達に大多数の制度を当てはめてもいいのだろうか?


 この本は、犯罪を犯してしまう障害者について書かれてある。


 善悪が理解出来ないから犯罪を犯してしまう。取調べが成り立たず冤罪を受け入れてしまう。人として当然の楽しみ、欲求に対する受け皿が、障害者には全く与えられない社会故の犯罪というのもある。


 知的障害者の子供を虐待する非道な父親も、実は軽度の知的障害者であったというように、絶対悪だと思ったものが実はそうでなかったという話も意外と多いのかも知れない。

 本人の責任でなく、犯罪と見なされる結果に陥りがちにな人たちも居るのだという事で、勿論被害者にはなりたくないが、差別・区別もしたくないと強く思う。そんな事もあるのだと理解していたい。本の最後では筆者が具体的にどういう活動をしているかの紹介もある。
 
 良い本だった。

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2010-11-28 20:23:49

+ 目覚めよと人魚は歌う【星野 智幸】

テーマ:* 最近読んだ本。
 最初はキツかったなぁ・・・。

 「あたしの事全部分かって」と、ねっとりと纏わり付く女性のような面倒くささしか感じなかった。

  主人公「糖子」がベットの上で元夫「北枕蜜夫」の幻影と戯れるモノローグから始まり、「あな(糖子が夢の中でアナルと呼ぶから、その「穴」なのだろう)」「密生」「日曜人(ヒヨヒト)」「猛人(タケリート)」
 ・・・・・・登場人物の名前だけで暑苦しくて、甘ったるくてノックアウトだ。
 でも中盤から鬱陶しさがなくなって、その不思議な世界を味わえるようになってくる。

 この文体に慣れたのかな?この世界が好きになりつつあるのかな?と思いつつ読み返すと、単純に最初の数10ページとそれ以後で作風が違うような気がする。何だか不思議。

 全体を通すと割と好きなカンジ。マイケル・オンダーチェを読んだ時のような、「そもそもの異国」を感じた。
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2010-11-24 21:42:17

+ 俺俺【星野智幸】

テーマ:* 最近読んだ本。
 面白かった。
 
 まず俺俺詐欺で別人に成りすましてしまったのがキッカケで、「俺」の境界が崩れてしまい、「俺」が「俺」でなくなる。

 知らないオバチャンが母親として現れ、名前が変わり、いつの間にか兄弟が出来ていたりする。違和感なく。俺の真髄なんて取り替え可能なものなのかも知れない。

 次にそんな「イデアの俺」というべき「俺」が増殖してくる。
 「俺」同士は、見れば分かる。言葉がなくても、通じ合える。
 俺同士の集会は最高に気分良く、語らなくても伝わる気持ち、ユニゾンする発言、パーマンのコピーロボットのように何もかもが分かり合える。
 自分と同じ「俺」を集めて「俺山」を作ればそれはパラダイスになるかも知れない。

 細菌が増殖する様を思い浮かべてみる。爆発的に増殖したら、その後は往々にして自滅だ。
 物語もその通りで。

 20代凡人男子の描写がリアルだ。最近本を読んでいて一番嬉しいのは、リアルタイムの即物的なモヤモヤが共感出来た時で、だから国産の現代小説が割とスキ。

 ハッとした描写はいくつもあって、一番辛かったのは、折角世界中が「俺」になってパラダイスが築ける筈なのに、「俺は自分より下の人間を見つけ出して生け贄する事で安心するような人間関係しか経験してこなかった」から俺相手にさえ、それしか出来ないのだ・・・・・と結局は潰し合いになってしまう所で、なんだかありがちで、とても切なくなった。

 身勝手で閉鎖的な人間に用意される地獄というのは、こんな感じかも知れない。
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2010-11-17 21:07:59

+ 今年もあの夢を見る季節が来た。

テーマ:* 日記。

 冬になると必ず見る夢がある。


 分厚い冬の掛け布団にくるまりながら、、フツーに出勤する夢だ。

 通勤路はリアルで、スーツや学生服の満員電車の中でもその格好、布団重いなぁなんて思いながら会社へ向かう。


 あんまり繰り返し見るので、前世の記憶か何かかも知れない。

 同じ夢を繰り返し見る、7人の美女美青年との出会いがあるといいな。

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2010-11-16 22:20:15

+ 天使の囀り【貴志祐介】

テーマ:* 最近読んだ本。

 寄生虫の話。ナマモノ好きの私には、チと辛かった。


 黒い家やクリムゾンの迷宮の時も思ったけど、専門知識の解説が少し無駄に感じるし、リアルではほぼ使われないであろうルビがハナにつく。品質を落とさず、この本のボリュームの何割かは落とせるんじゃないかとか。


 たまたま詳しい業界の話になると「うわ、それちょっと不適切ちゃうん。そもそもストーリー関係ないんやから黙っといた方がエエで」と思ってしまう所もあったりで、そうでなくても書けば書くほど年月が経過した時に古さが際立つ場所でもある。


 それに箒木蓬生にしても、どうしてコレ系の作家さんのヒロインは、こうなっちゃうんだろう。男が求める「理想のオンナ知性派バージョン」ってのはこんな感じなのかな。


 ・・・・・・と言いつつ、とっても面白かったです(^_^)b


 脳に侵入して、宿主の恐怖のスイッチと快感スイッチをすり替えてしまう寄生虫という設定が何とも怖くて、宿主はそれぞれが一番恐れている事を実行して死んでしまう。

 うわ~。イヤだなイヤだなあせる


 私はホームを超ッ早で通り抜けていく快速電車が怖い。頑張れば乗り越えれそうなフェンスの低い高層階が怖い。つい巻き込まれてしまいそうな近距離で見る大きな機械が怖い。

 つまり、つい「死んじゃおっかな」と取り返しのつかない行動に出かねない、自分の激情やウッカリが怖いのだ。

 うわ~。考えるのやめとこあせる

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2010-11-10 21:17:47

+ ホームレス中学生【田村裕】

テーマ:* 最近読んだ本。
 一回読んでみたいと思っていた本が回ってきたので。
 「住宅街の公園に中学生ホームレスが住み続けられる事が大阪クォリティ」という評価があって、印象に残ってた。
 そもそもホームレスなんて高速の高架下や森のように広い公園や繁華街でしか見た事がない。
 普通の中学生が、公園でホームレス。そのまま登校。それが想像がつかなくて。
 読んでみて、ホームレスをしていた期間が1ヶ月前後と短いことと、夏休み中だった事で少し納得がいった。
 これが比較的本当の話で、ゴーストライターでもないとしたら、田村は素直で、頭が良くって、コミュニケーション力が高い子だったんだなぁと思う。
 些細な躓きで不登校になったり引きこもったりする子供も居て、私はそちら側の人種だ。不謹慎だが田村ならホームレスとか、大抵の事は大丈夫だろうなぁと。それは生まれつきの能力の高さや、性格や、母親の存在や、生活圏の人々の暖かさもあり。
 冒頭の少年時代、寂しくて仕事中の母に会いに来てしまった田村少年に、同じパートのおばちゃんが優しくしてくれた。母はそんな人間関係を築いてくれていたのだ・・・とあったが、そんな関係にも助けられたのだろう。
 しかしここまで慕われる母親というのは、何なんだろう。
 こればっかりは相性もあるし、受け手(子供側)の能力にもよる。一概に慕われる母親=努力した母親で、そうでない母親が自堕落だったとは言えない所が母親業の難しさ。結果がすぐ出るものでもないだろうし。
 私ならこの年齢で父親の事を許せる自信ないし、姉に足を踏まれて喧嘩になった時「姉がそんなに怒るということは、」なんて瞬時には理解出来ない。頭の良さが羨ましい(笑)
 
 余談だが映画版の小池徹平がホームレスしてたら、3日と経たずお持ち帰られると思う。
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