そうゆうクンのおはなし

ちょっと「へぇ~」な仏教のお話、宜しければお付き合いください。


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東京では桜の花は散って、青い葉が目につくようになった。

 

青山の、というか、表参道のというか・・・・。

 

青山学院大の向いに国連大学っていうのがあります。

 

一般にいう大学とは違うらしい。

 

威風堂々、若干「おいら、そんじょのがっこーと一緒にしねーでおくんなさい」というふうな建物だ。

 

建物前の広場は、土曜日の朝、マーケットのテントを張るお兄さんとおねーさんで、活気がある。

 

国連大学ができるず~っと前、昭和40年のころは都電(あの黄色いボディーの路面電車)の車庫だった。

 

と、昔のことを知ってる人は言いますね。

 

で、その国連大学の隣には、こどもの城といって結構な児童施設もあったけど、今は閉鎖。

 

一回だけこどもをつれていったことがある。屋上にプールなんかあった。

 

その国連大学の裏は、白いタイルの歩道になっている。

 

その道を、わたくし、朝、歩いているんであります。

 

取り壊し工事でも始まるんでしょうか、鉄の板に囲まれた、こどもの城の敷地に、桜の木がある。

 

3月には、蕾が膨らみ始め、それが一日いちにち膨らんでいって、ちいさな花が一つふたつ。

 

次の日にはあっちとこっち。

 

で、しだいに花がそろい、やがて満開。

 

一日で、ずいぶんとちがうのが桜の花。

 

その桜の向いは、各住宅メーカーの展示場になっていて、でかいウルトラマンがすっくと立つ。

 

                             ★

 

かなりの確率で、犬の散歩に出会うので、地元の方のわんちゃんストリートなのかも。

 

この桜の木は、多分、とくに固有名詞もなく、「こどもの城の裏側の桜の木」なんでしょうけど、

 

毎日、あっていると、なんか近所のおばさん程度の親しみがわくからおかしい。

 

岐阜県高山に「荘川桜」(しょうかわさくら)という桜の木があるのをご存知でしょうか。

 

知らない?

 

えぇ、わたしも知りませんでした。

 

御母衣(みぼろ)ダム、っていうのがあるんですね。

 

時はずいぶんとさかのぼりまして、戦後昭和28年、電力不足に悩んだ国は、経済発展のため

 

電力事業の確立を目指しておりました。

 

適地と目された、この地にダム建設計画が持ち上がったわけです。

 

しかし、そこには先祖代々、厳しい自然の中で人々が暮らしていました。

 

当然、激しい反対運動が起こります。だって、家どころか、村全体が、ダムの水の底になってしまう計画

 

なんですから。

 

反対運動を起こした会の名前がすごい。

 

みぼろダム絶対反対期成同盟死守会。

 

自分たちのふるさとをダムの底なんかに沈めるもんか!!!

 

という決意が伝わってくるではありませんか。

 

一方、ダム建設を進める側には、高碕達之助という方がいた。

 

電源開発(J-POWER)初代総裁。

 

この方は、いまでいう、住民との話し合い尊重路線をとった方。

 

権力を使って、反対派を排除するなんて乱暴なことはしなかった。

 

話し合い、はなしあい、説明し話しつくしていく、という姿勢に、反対する会のしだいに軟化。

 

7年間かかって、死守会は解散。住民は、ふるさとを離れ、それぞれの地方に生活の場を移すことに

 

なった。

 

死守会の解散式に電源開発を退職していた高碕さんも招かれた。

 

解散式のあと、高碕さんは、やがて水没する村をゆっくりと歩いた。

 

学校の校舎や、鉄橋、一軒一軒の家。

 

そして、お寺。

 

光輪寺、という寺の前に来た時、高碕さんは、歩みを止めた。

 

境内の隅に、それはそれは年季の入った桜の古木があった。

 

樹齢450年。

 

幹の周囲、6メートル。高さ20メートル。

 

高碕さん、電源開発の社員に、この桜を沈めたくない。助けたい。

 

と言った。

 

死守会の一人は、「この桜は、赤ん坊の時、背負われて見上げ、小学生の時は遊び場で、

 

若い男女にとってはデートの場所。歳をとってからは、彼岸やお参りでみんなが憩う場所だった」と。

 

高碕さんは行動を起こし、桜研究の専門家や、造園業で移植技術随一といわれた職人の力を借りて、

 

桜の木を、ダムの水面上になる場所まで、引っ張り上げる工事を計画、実行した。

 

櫻は、傷に弱い。

 

へたに枝など切ると、そこから腐ってしまう。

 

600mの距離を引っ張り上げるにも、枝を折ったりしたらヤバい。

 

そこで、丁寧に枝をはらい、コモを巻いた桜の木を、根元から移植した。

 

そのまま、水没したほうがいい、という意見もあったようだ。

 

しかし、翌年、桜は見事に花をつけた。

 

                        ★

 

今、移植された二本の桜の木は、湖底に沈んだ村を見下ろすところにすっくと立っています。

 

各地に散った住民は、桜の季節になると集まるようになり「ふるさと友の会」という会をつくって、水の下     

 

の村を想い続けている。

 

櫻の木は、たぶん、たんなる植物でなくなっているんだろう。

 

ひそかに想像するに、この大木に触れて、「元気か?」とか、「まだ100年はいけるぞ」とか、話しかけてい

 

る人が、絶対いると思う。

 

                      ★

 

有名ではない「こどもの城の裏側の桜の木」だって、どこかの誰かにとっては、大事な思い出の木

 

かもしれない。

 

土日のファーマーズマーケットに行かれる方、もし、お時間があったら、裏側の桜の木に会いに行くのも

 

悪くはない。もう、とっくに花は散ってしまったけれど。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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