草村動物病院 「動物の診察室から」

新潟市の草村動物病院のブログです。
高度獣医療のこと、日々の診療で思うこと、動物たちのことなど書いていきます。


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 最近、肝臓外科や、肛門周囲腺腫、子宮蓄膿症などの軟部外科が続いていたのですが、今入院している子達は脳疾患の子もいます。

 

 脳炎の子や、昨日MRI検査のワンちゃんは、脊髄梗塞でした。

 

 脊髄梗塞は脊髄の血管に血栓が詰まる病気です。脳の血管が詰まると脳梗塞、心臓の血管が詰まると心筋梗塞です。

 

 脊髄梗塞の症状は、四肢麻痺なのですが内科的な治療で8割の子は回復します。

 

 昨日は2月に水頭症でVPシャントの手術をした「一翔君」が来院していました。

 

 一翔君は2週間ほど前に神経症状の悪化があり術後のMRI検査を行ったのですが、拡大していた側脳室は小さくなり、薄くなっていた脳も元に戻りつつありました。

 

 しかし、大脳皮質に炎症像が見られたためステロイドの治療が行われました。

 

 昨日の一翔君は、傾きはあるのですが、他の神経症状は治っていました。

 

 

 

症状が良くなった「一翔君」、手術をしてよかっったです。他のワンちゃんですが、昨日PSS「門脈シャント」で入院した子がいます。明日CT検査で確定診断をしてPSSでしたら、後日手術になると思います。やはり軟部外科も続くようです。

 

 

 

 

 

 

 

 

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 1週間前に水頭症の手術をした、チワワの「一翔君」、特に問題もなく経過は順調なので、今日退院です。

 

 若齢時の水頭症は先天性の疾患で、脳の内部にある側脳室が拡大して、その中の脳脊髄液が占める割合が大きくなると、神経症状が発症します。

 

 治療は、内科的に脳圧を下げる治療をまず始めますが、症状が改善しない場合には、VPシャント術を行います。

 

 VPシャント術は、後頭骨に小さな穴を開けてそこからシャントチューブを脳室内に設置します。

 

 反対側のチューブは、皮下織を通して腹腔内に入れるのです。そうすることによって、側脳室の髄液は腹腔内に流れて脳圧が下がってきます。

 

 

 

 

 

術後のレントゲンです。細いチューブが脳室内と腹腔ないと繋いでいます。

 

 

 

 

 

 

一翔君、夕方退院予定です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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 昨日は、水頭症のチワワの「一翔君」のVPシャント手術でした。

 

 この手術は、重度の水頭症で症状が出ている子に行います。人用のシャントチューブを使うので、使い勝手が悪いのですが、試行錯誤で私の病院では今は術式が決まっていて、特に問題もなくできる手術になりました。

 

 

 

 

昨日手術前です。

 

 

 

 

昨日手術後の一翔君。まだボーとしています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今日の夕方の「一翔君」、食事も普通に食べてとりあえず一安心です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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 数日前に、くも膜下血腫で緊急手術をした、チワワの「ミルコちゃん」、13歳の男の子です。

 

 状態が落ち着いたので、今日は2回目の手術でした。

 

 このブログは、獣医師も見ているようなので手術の概要を書いてみます。

 

 前回の手術は、高いところから落下して、けいれん発作を起こした子が連れてこられました。

 

 レントゲンで頭蓋骨の骨折が確認され、発作を起こしているため、抗けいれん薬を注射し、鎮静がかかったところでCT検査を行いました。

 

 CT検査では、血腫が疑われ、緊急手術になりました。

 

 麻酔下で、再度最低限のCT、MRIを撮影し、硬膜下血腫と診断し、開頭手術です。

 

 陥没している頭蓋骨部分をドリルで徐庶して、硬膜に小さな切開をして、そこからチューブを入れて、溜まった血液を吸い出して、そのままチューブを固定して、一旦皮下組織、皮膚を縫合しました。

 

 2日間、鎮静剤の持続点滴で寝てもらい、2日経つと血液が吸引されなくなったので、今日再手術です。

 

 まず、縫合した部分を開いて、硬膜の下に入れてあるチューブを除去します。

 

 チューブを除去した部分の硬膜は小さな穴が空いているので、フィブリン糊をたらして塞ぎます。

 

 副鼻空と頭蓋骨内が繋がっているので、そこを骨ペースト(粘土状の人工骨)で塞ぎます。

 

 頭蓋骨を一部除去しているので、その部分は厚さ0.3mmのチタンメッシュプレートをかぶせてスクリューで頭蓋骨に固定します。

 

 チタンメッシュは隙間があるので、プレートの上部は骨ペーストを乗せて、皮膚を縫合して再建終了です。

 

 使った消耗品の原価は、フィブリン糊が1万円、メッシュプレート、スクリューが5万円、骨ペーストが4万円です。

 

 しかし、これらを使うと、サクサクと頭蓋骨の再建ができます。

 

 ミルコ君のような症例を助けることができるのは、1次病院では無理です。しかし、2次病院に運良く連れて行くことができれば助かりますが、大学病院に行くまでにはミルコ君は死んでしまいます。

 

 1次病院で、脳外科をしている病院でしたら、マルコ君をた助けることができます。

 

 私の病院は、新潟の地方の1次病院ですが、心臓外科、眼科手術を除いては、ほとんどの症例に対応できます。

 

 地方の病院は、なかなか勤務してくれる獣医師がいないのですが、私の病院は勤務医にとってはとても勉強になる病院です。

 

 勤務医募集中ですので、どなたか高い志を持った獣医師さんがいたら、ぜひご連絡ください。交通費支給です。

 

 

 

 

 

 

 

手術が終わった、「ミルコ君」、あとは脳挫傷の後遺症が出ないことを祈るばかりです。

 

 

 

 

 

 

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 昨日は、久しぶり?に会陰ヘルニアの手術でした。会陰ヘルニアは、直腸がヘルニア輪に入り込むことが多いのですが、昨日の子は前立腺嚢胞が入り込んでいました。

 

 この場合には、結構大変なので私が執刀しました。

 

 手術が終わった頃、1頭のチワワくんがけいれん発作で連れてこられました。

 

 高いところから落下したとのことで、頭部の外傷が疑われました。

 

 レントゲンで頭蓋骨の骨折が確認され、頭蓋内の出血が強く疑われました。

 

 けいれんを抑える注射で、少し鎮静がかかった状態でのCT検査では、やはり硬膜内の出血があります。緊急手術の必要があるのですが、午後の診察も始まり、みんな手が開きませんでした。

 

 しかし早期の開頭手術で出血を除去しないと死亡してしまいます。6時少し前に麻酔をかけ、CT、MRI検査を行い、やはり硬膜内の出血がかなりあることを確認して手術に入りました。

 

 骨折の部分は、骨片が脳を圧迫していましたので取り除き、硬膜に小さな穴を開け、血液を排泄させるためのチューブを設置し、血液を除去します。

 

 骨折部除去した骨はそのままで、後日血液が抜けなくなってから、チタンプレートと骨セメントで整復することにして手術は終了です。

 

 ただ、覚醒して動いてしまうと再度の出血が考えられるため、鎮静剤を少しずつ点滴をして寝てもらうことになります。

 

 誰かが状態を監視していなければなりません。上原先生が当直でしたので、彼にお願いするのですが、今日も診察がありますので、先ほど3時に私が交代です。

 

 

 

 

鎮静剤で寝てくれるのですが、時々起きてしまいます。その時は少し点滴を早くして寝てもらいます。硬膜下に設置したチューブからは、少しずつ血液が抜けてきます。1日か2日この状態での管理です。

 

 13歳の男の子ですが、なんとか頑張ってもらいたいです。

 

 

 

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 脳腫瘍で、髄液の流れが止まって水頭症の症状があるチワワの「リンちゃん」。

 

 腫瘍は、第3脳室にもあり今の私では摘出はできないため、脳圧を下げるためにVPシャントを行いました。

 

 水頭症の症例に行う、頭蓋骨に小さな穴をあけて、そこからカテーテルを脳室内に入れて、皮下組織を通して、反対側のカテーテルを腹腔内に入れる手術です。

 

 この手術を行うと、流れが止まって脳室が拡大している脳脊髄液を、お腹の中に流してあげるため、脳圧が下がります。

 

 最近では、脳外科をする病院では行います。

 

 人用のシャントチューブを使用するのですが、手術をしてみると使い勝手がなかなか悪く、頭蓋骨に固定する方法など、一工夫が必要です。

 

 私の病院では、やっと手術手技も確立されて、サクサクとできるようになりました。

 

 

 

 

 

 

リンちゃんの、術後のCT3D画像です。

 

 

 

 

さっき、10時半のリンちゃんです。腫瘍はそのままですが、脳圧を下げる手術は、無事終わりました。

まだ腫瘍はとても小さいので、なんとか頑張ってもらいたいです。

 

今日は、あとは岸先生に任せてお休みなさいです。岸先生、よろしくお願いします。ぺこり!

 

 

 

 

 

 

 

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 昨日椎間板ヘルニアの手術をした、プードルの「ニコちゃん」、10歳の男の子です。

 

 2箇所の手術でしたが、今日はだいぶ痛みは取れたようです。

 

 

 

 

 

 

ニコちゃん、良かったですね。

 

 

今朝、胃捻転の手術をした子は、手術が早かったためなんとか大丈夫そうです。

 

 

 

 

 

 

 

とりあえず、一安心です。

 

 

 

 10歳のコリー犬「空ちゃん」、午後から急に後ろ足が立てなくなり入院しました。

 

 年齢、犬種、発症状況から、「馬尾症候群」か「脊髄梗塞」が疑われます。

 

 日曜日は東京で「獣医脳神経脊髄外科研究会」の講演会があり留守にします。

 

 来週も、神経疾患が続きそうです。

 

 

 

 

 

 

空ちゃん、経過を見てMRI検査です。

 

 

 

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 7月にキアリ奇形の手術をした、キャバリア犬の「アロマちゃん」、今日は皮膚の疾患で診察です。

 

 神経症状は、すっかり良くなって、普通に歩けるようになりました。よかったですね!

 

 キアリ奇形やCOMSの手術は、術後2年から3年で症状が再発することがあると言われています。

 

 幸いなことにいままでは、症状が再発した子はいなかったのですが、最近になって昨年の9月にCOMSの手術をしたチワワちゃんが、症状はまだ軽いのですが神経症状を起こした子がいます。

 

 私の病院でこの手術を行ったのは、2年半前からですので、今後症状が出てくる子がいるかもしれません。

 

 COMSや脊髄空洞症の手術は、まだ一般的ではなく、限られた施設でしか行われていません。

 

 今後、症例が増えてくると、この病気の子たちの長期経過についていろいろとわかってくると思います。

 

 私は現状では、COMS、空洞症、キアリ奇形で症状が出ている子には、外科手術が適応と考えています。

 

 

 

 

 

元気になった、アロマちゃん、よかったですね!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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  先日、開頭手術をした、「ひまわりちゃん」。

 

 先ほど、亡くなりました。

 

 術後の経過も順調で、夕方の食事も自分で食べてくれたのですが、突然の死亡でした。

 

 2つの大学へ、画像を送ってみてもらいましたが、腫瘍の可能性が高いとのことでした。

 

 ひまわりちゃんには申し訳ありませんでしたが、緊急の処理にしかなりませんでした。

 

 

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  昨日の夕方入院をした、キャバリア犬の「るいちゃん」。ふらふらするために村上から連れてこられました。

 

 症状から、小脳の疾患が疑われましたので、今日はMRIの検査です。

 

 検査の結果は「キアリ様奇形」、ブログでよく書くことのある、「後頭骨形成不全症COMS」と同じ様な疾患です。

 

 まだ歩くことはできますので、内科的な治療から始まりますが、内科治療だけでは良くならないこともあります。

 

 その場合には、後頭骨を削って圧迫を取り除く「大孔拡大術」の手術をします。

 

 今日はお家に帰って、10日間内服薬を上げていただき、回復がなければ手術になると思います。

 

 

 

 

 

るいちゃん、神経疾患が続きます。

 

 

 

 

 

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