草村動物病院 「動物の診察室から」

新潟市の草村動物病院のブログです。
高度獣医療のこと、日々の診療で思うこと、動物たちのことなど書いていきます。


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 昨日は、ハスキー犬の「政宗君」の前十字靭帯の手術でした。

 前十字靭帯は、膝の関節内にある靭帯で、その靭帯が損傷すると急に跛行が始まります。

 診断は比較的簡単で、触診である程度はわかるのです。

 断裂してしまった靭帯は元に戻りませんので、5kg以下の小型犬の場合には、安静にしていると1ヶ月ほどで周囲の筋肉が関節を固めてしまい、跛行しなくなる場合が有ります。

 しかし、ボーダーコリーや柴犬などの活動的なわんちゃんや、15kg以上の大型犬の場合には、関節にかかる負荷が大きいため、なんらかの外科手術をしたほうが回復がよいのです。

 十字靭帯の手術法はいろいろあって、私の病院では今までは「フロー法」と言って、強靭な外科用縫合糸で、関節を固定してしまう方法を行っていました。

 しかし、この方法ではあまりにも大きなワンちゃんは回復はあまり良くありません。

 政宗君は33kgあります。そしてまだ若いのです。

 3週間前に十字靭帯断裂を起こしてしまい、それから左足をつくことができませんでした。

 今まででしたらフロー法で手術を行ったと思いますが、政宗君の体格と運動量を考えると、別の方法での手術の法が良いと考えられます。

 大型犬で良いとされている手術法は、「TPLO」と言って、脛骨を半円形に一部切断して、角度を変えてプレートで固定する方法です。

 以前からこの方法が良いとわかっていたのですが、この手術をするための機器を揃えるとなるとかなり高額になるのです。

 使用するプレートとスクリュウだけでも10まんえん近くします。

 手術法の習得もすぐにできるわけではなく、普通はメーカーの講習間に参加して手術法を勉強するのですが、私の病院は、大学の整形外科専門の先生が月に1回以上来てくれています。

 その先生に以前からTPLOの導入を相談してきました。

 そして、政宗君の手術を機会にTPLOができる環境を整えることにしたのです。

 政宗君には少し待ってもらいましたが、先週器械も全部揃ったので、昨日大学の先生に手術をしていただきました。

 私の病院では新しい手術法ですが、術式は確立されています。その術式を習得できるように、佐藤先生、敦井先生に指導して欲しいとお願いをしておきました。

 佐藤、敦井、二人とも一般整形外科はもうできるようになっていますので、整形外科の基本はもう大丈夫です。

 私がこれから新しい手術を行うより、二人にTPLOを早くできるようになってもらいたいと思っているからです。

 大学の先生は、もう3年近く新潟へ通ってくれていますので、二人の指導も快く了解してくれました。

 そして、昨日の手術は無事修了。さすが専門だけあって、きれいな完璧な手術でした。

 

 




今朝の政宗君です。よかったですね。


 しばらく大学の先生には、TPLOの手術をお願いすることになると思います。そして、近い将来は私の病院の二人の若い獣医師は、上手に十字靭帯の手術を行えるようになるでしょう。









手術前に、レントゲン上で骨の角度を正確に測定し、どれくらい骨を移動させるのか、どれくらいのドリルの刃を使うのかなどを決めていきます。














半円形に切断した脛骨近位を回転させてプレートで固定します。









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 甲斐犬の虎子(ココ)ちゃんは、1週間ほど前の散歩中に急に右の後ろ足がつけなくなりました。

 診察をしてみると、膝の前十字靭帯の断裂が強く疑われました。

 前十字靭帯は、膝の関節のなかにある靭帯で、下腿骨が膝の前方にいくのを防いでいます。この靭帯が切れてしまうと、足をつこうとするときに、膝の関節が不安定になりうまく足をつくことができません。

 断裂があると、膝の半月板も損傷していることが多く、痛みもあるのです。

 完全に断裂していない場合(部分断裂)には、3週間ほど安静にしていると普通に歩けるようになることもありますが、完全な断裂の場合、特に中型犬以上のわんちゃんは、手術で関節の安定化を図ります。

 ココちゃんは3日目に手術を終え、その後入院中です。

 しばらくは安静ですが、歩けるようになるといいですね。

 昨日ご家族が面会に来られてからは、それまでいい子にしていたのですが、遠吠えが始まってしまいました。

 お家に帰りたいのでしょうが、もう少し待ってくださいね!





虎子(ココ)ちゃん。




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 今日の手術は、わんちゃんの前十字靭帯団裂の手術でした。

 ポメラニアンのメメちゃんは、2週間以上前に右の後ろ足がつけなくなりました。

 かかりつけの病院で前十時靭帯の断裂と診断を受けて、安静にしていたのですが、2週間経っても改善がなく、主治医の先生が私の病院を紹介してくれたのです。

 先日の診察で、膝の可動性がまだ大きく靭帯の完全断裂が疑われました。多分半月板の損傷していると思われましたので、外科的手術をご提案したのでした。

 十字靭帯は、膝の関節にバッテンに交差して膝が前後に動くのを防ぐ靭帯です。スポーツ選手なども時々この靭帯を痛めることがあります。

 完全に断裂していなければ2週間ほどの安静でだんだん足をつくようになることもありますが、完全断裂の場合には手術をしてあげた方が早くよくなります。

 そして、午後から手術になりました。

 1週間の入院です。今日は面会はできませんが、明日からは飼い主様が面会にきてくれると思います。




手術が終わり、入院室で点滴中です。
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