◎フランク・マッコム約3年ぶりのライヴ~オランダ在住若手とのトリオで | 吉岡正晴のソウル・サーチン

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◎フランク・マッコム約3年ぶりのライヴ~オランダ在住若手とのトリオで

【Frank McComb Live First In 3 Years】

3年ぶり。

リアル・ミュージシャン、キーボード奏者、ヴォーカリスト、フランク・マッコムによるライヴ、今回は、ドラムスとベースとのトリオ。しかも、公演日まで一か月を切る、急遽決まったライヴだったが、この日はほぼ満席になっていた。

今回初参加のドラムス、ヨランは1991年5月16日生まれの24歳、ベースのグレンは1982年10月20日生まれの32歳。フランクは1970年7月15日生まれだから、44歳。つまり、20代、30代、40代という3ジェネレーションが一堂に会しているトリオというわけだ。

フランクが若手後輩を起用し、ひっぱりあげている形のバンドとも言える。ヨランとグレンはいずれもオランダ・アムステルダム在住のミュージシャンで、フランクとは2年ほど前の「ノース・シー・ジャズ・フェス」で知り合い、連絡を取り合うようになったという。

グレンは自身、スヴェン・ハモンド・ソウル、マインドメンダーズといったグループに在籍したり、2012年6月にリリースされたオランダのシンガー、レベッカ・リンをプロデュースしている。

彼らはフランクがヨーロッパをツアーするときなどに一緒に稼働する。二人ともヨーロッパ以外は初めて、もちろん日本も初めてだ。

どちらも若手ながらきちんとしたプレイをして、フランクを支えていた。

フランクは若手ともヴェテランともプレイするが、彼はたとえば先輩のマーカス・ミラーと共演したときなどは、フランクが大いにパフォーマンスや才能をひっぱり上げられていた。今回はフランクが、若手二人の才能を引き出していた恰好だ。彼らにとってはとてもいい勉強になっていると思う。

しかし、すでに半年以上一緒にプレイしているだけあって、なかなかタイトなバンドになっていた。

フランクは、ローズもグランドピアノも自由自在に弾き、そして歌う。やはり、あの声がでてくると、ダニー・ハザウェイ、そして、スティーヴィー・ワンダーを彷彿とさせる。これは毎回、ノックアウトさせられる。

今回の圧巻はダニーのライヴと同じニューヨークのライヴハウス、ビターエンドで録音したアルバム『ライヴ・アット・ザ・ビターエンド』にも収めた「ア・ソング・フォー・ユー」と「フォー・オール・ウィ・ノウ」をメドレーにした「ア・ソング・フォー・オール」、さらにローズに戻ってのスティーヴィーの「スーパースティション」。特に後者はドラムス、ベースとともに見事なグルーヴを生み出していた。

アンコールでの長尺のドラム・ソロもなかなかのものだった。

3人はライヴ後、サイン会。写真も一緒に撮っていて、とてもフレンドリー。

ところで前回ライヴ評を読み返したら、そのときも神谷エリ、柴田敏弥(敏孝)さんたちと会ったと書いてあるのだが、今回もまさに同じ二人に会場であった。神谷さんたちは翌日フランクとランチをしたそうだ。彼女はフランクのことを「ガハハおじさん」と呼んでいる。いつも「ガハハ」と笑っているからだ。言いえて妙。

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■この日のライヴと同メンバー3人による「スーパースティション」。パリでのライヴ、動画。

https://www.youtube.com/watch?v=UUBU0AGLWu8



2015年1月のライヴ。

■前回来日時ライヴ評
フランク・マッコム・トリオ~ハービー・ミーツ・スティーヴィー
2012年03月12日(月)
http://ameblo.jp/soulsearchin/entry-11188174111.html

■ フランク・マッコム「ラヴ・ラヴ・ラヴ」動画

http://youtu.be/CocoZhYhYXw



■ フランク・マッコム過去記事(一部)
(2004年の初来日からかなり追っかけてます)

2011年03月09日(水)
フランク・マッコム・ライヴ~新作『ニュー・ビギニング』を従えて
http://ameblo.jp/soulsearchin/entry-10824696197.html
(過去記事全一覧はここに)

2004/02/16 (Mon)
Second Coming Of Donny Hathaway? : Frank McComb Is Keep On Runnin' Like Forrest Gump
http://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200402/diary20040216.html
(フランクのインタヴューも含めたいい紹介の記事)

2009年12月26日(土)
フランク・マッコム・ライヴ@モーション・ブルー
http://ameblo.jp/soulsearchin/entry-10419667061.html

December 29, 2007
Frank McComb & Gatz Live: Back To Back
【「もっと歌って」のフランク・マッコム・ライヴ】
http://blog.soulsearchin.com/archives/002232.html

December 07, 2006
Frank McComb Live At Cotton Club
http://blog.soulsearchin.com/archives/001440.html

■ ニュー・ビギニング 

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■セットリスト
Setlist : Frank McComb, June 30, 2015

Show started 20:02
01. Somebody Like You
02. Love Natural
03. Just Another Day
04. A Song For All (Medley Of A Song For You – For All We Know)
05. Superstition
Enc. Do You Remember Love
Show ended 21:08

■メンバー

Frank McComb (vo,p,key),
Glenn Gaddum Jr. (b),
Yoran Vroom (ds)

(2015年6月28日日曜、丸の内コットンクラブ、フランク・マッコム・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>McComb, Frank