吉岡正晴のソウル・サーチン

ソウルを日々サーチンしている人のために~Daily since 2002


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◎□ 第8回ゴールド・コンサート~「車椅子のヒーロー」誕生

【8th Annual Gold Concert: Roundup】

レベルアップ。

障害者が集まる音楽イヴェント「ゴールド・コンサート」が今年で第8回目を向かえ、2011年10月15日(土)、東京の国際フォーラムCで行われた。これは、ミュージシャンを志す障害のある人から、デモテープを送ってもらい、それを10組程度に選び、その予選を通過した者が本選としてこの日ライヴ・パフォーマンスをするというもの。毎年、グランプリやその他の賞が審査員によって選ばれ決まる。

僕自身もここ数年、審査員の一人として参加しているが、年々レベルがあがってきているのを実感している。特に今年は全体的なレベルが底上げされた感じが強くした。

そのため審査もいろいろと難航したが、一番今回話題になったのが、いわゆる歌のないインストゥルメンタル作品と歌物の作品を並列にして、賞を競わせることの難しさだった。インスト物と歌物はある種まったく違うもので、評価基準なども違ってくる。グランプリはひとつでよいだろうが、歌唱賞、楽曲賞などと並んでインストゥルメンタル賞(演奏賞)などがあってもよいということになった。今回は、審査の過程ではみんなになんらかの賞を上げたいというほどまで議論が盛り上がった。

グランプリを獲得した森圭一郎さんの「闇と光」という楽曲は、予選のときのデモ音源よりもはるかにライヴでの存在感が圧倒的だった。たまたまパフォーマンス後の講評を頼まれていたのだが、その歌に胸を打たれた。そのときに彼が語っていたのが、自分はかつて暴走族に入っていてバイクで事故をして車椅子になってしまった。今まではそうしたことを歌ってこなかったが、友人からそういう歌を今まで歌っていない、ということを指摘され、それを歌ったのがこの曲だった、という。そこには彼自身の苦悩の闇とそこから導き出される、あるいは見え隠れする光が描かれる。そのパフォーマンスには、闇と光と、悔しさと後悔と、しかし明日への希望と強い意志が貫かれていた。

吉岡正晴のソウル・サーチン右から・審査委員長・湯川れい子さん、優勝者森さん、吉岡。

これは、まさに彼にとっての「キャリア・ソング」なのだな、と感じた。このブログではよく紹介する言葉だが、「キャリア・ソング」とはそのアーティストにとって、自身の人生を投影する、人生を変える究極の1曲のことだ。いかに自分をさらけ出せるか、どこまで自分を追い詰められるか、それがある点まで行き着くと、そこに素晴らしい作品誕生の光が差し込む。「闇と光」はそうした光から誕生したものだと思う。

楽曲的にも大変よく出来ていて、またパフォーマンスも熱かった。講評のところで、この曲の歌詞のどの部分が最初に思い浮かんだかを尋ねたら、「母の涙」という言葉だと答えた。なるほど、「母の涙」、きっといろいろあったのだろう。感慨深い。

聞けばすでにアルバムを数枚出しているという。尾崎豊に影響を受けているともいう。「ゴールド・コンサート」からいよいよまずは、「車椅子のヒーロー」が生まれそうな気配だ。

そして、昨年も話題を集めた10歳の佐藤英里(さとう・ひらり)ちゃん。今回はなんと自作曲でエントリー。今回は11組中一番最後の登場となったが、そのオリジナルが本当に10歳の彼女が作ったとは思えないほど、しっかりした出来だった。これは、震災直後に震災を受けた人たちのために、それを思い書いた作品だという。そのしっかりぶりに、みな驚いていた。もちろんきっと楽曲の構成や歌詞の言葉の選び方などまだまだ発展の余地はあるだろうが、それでも10歳でこれだけのものが出来ていれば、まったく文句はない。これが彼女が生まれて初めて書いて完成させた楽曲だという。いや、末恐ろしい。

コンサート後も、テレビの取材などを受けていたが、その受け答えが大変大人びている一方、話がのってくると、ジャンプしながら喜びを表現するその子供っぽさがまたかわいらしい。

吉岡正晴のソウル・サーチンテレビ取材を受ける佐藤ひらりちゃん。

英里ちゃんは、5歳のときに美空ひばりの「川の流れのように」のカラオケ・ヴァージョンを聴いて、ものすごくいい曲だなあ、と思い、おかあさんに美空ひばりのCDを買ってもらった。そうしたら、歌を聴いたらもっとすごい曲だったということを知り、以来美空ひばりの大ファンになった、という。英里ちゃんの大人びた歌唱、堂々とした歌いっぷりは、美空ひばりのDNAを受け継いでいるのかもしれない。ただ、それもまだつい最近5年前のこと。彼女は今、10歳だ。

サポーターの野田聖子さんからも、この「ゴールド・コンサート」から「レコード大賞」や「紅白」に出るようなアーティストがでてきてほしい、というコメントがあったが、まさにそのようなアーティストが出てくる機運がひじょうに高まってきてると思う。今年のゴールド・コンサートを見て、強くそう思った。

(この項、続く)


■ 過去記事

2010年10月05日(火)
ゴールド・コンサート第7回~9歳の少女佐藤英里さん「アメージング・グレイス」で観客を圧倒~
http://ameblo.jp/soulsearchin/entry-10666809323.html

2010年10月06日(水)
ゴールド・コンサートの余韻~
http://ameblo.jp/soulsearchin/entry-10666810263.html


■ 第8回ゴールド・コンサートのオフィシャル・ホームページ

http://gc.npojba.org/8

■第8回ゴールドコンサート受賞結果

グランプリ(ファイザー賞)
森 圭一郎さん「闇と光」

演奏賞(コヤマドライビングスクール賞)
仲里尚英さん&国吉政淳さん「星になって・・・」

楽曲賞(フォーシーズ賞)
森 圭一郎さん「闇と光」

観客賞(アドビシステムズ賞)
佐藤 英里さん「みらい」

ネット投票結果

第1位 大城 友弥さん「大切なもの」
第2位 佐藤 英里さん「みらい」
第3位 森 圭一郎さん「闇と光」

第9回ゴールドコンサートは、2012年9月22日(土)に東京国際フォーラムで行われる。

EVENT>Gold Concert
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