吉岡正晴のソウル・サーチン

ソウルを日々サーチンしている人のために~Daily since 2002


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★ジョー・サンプル・インタヴュー (パート2)~電気キーボードの登場でツアーを続ける

【Joe Sample Interview (Part 2): Talks About Creole Joe Band And Zydeco And More】

ジョー・サンプル・インタヴューの昨日からの続き。還暦で、ルーツに戻ったジョー・サンプル。それまでにも、彼は多数のレジェンド(伝説)と一緒に仕事をしてきています。そんなエピソードのいくつかを。

メットポッドでインタヴューの模様を聴くことができます。
http://metropolis.co.jp/podcast/

レジェンド。

――多くの人たち、レジェンドたちと仕事をしてきていると思います。マイルス・デイヴィス、スティーヴィー・ワンダー、ミニー・リパートン・・・。そんな中で、ビル・ウィザースとの話をしていただけますか。

「ビル・ウィザースは僕が書いた『ソウル・シャドーズ』を歌ってくれたが、彼がスタジオに来て最初に歌ったのを聴いて、『これで仕事は終わった』と思った。ファースト・テイクだ。彼は『いやいやいや、もう一回やる、やらせてくれ』と言ったが、僕はこれで十分すぎると思った。結局、彼は何度となくやらせてくれと言っていたが、なんとかビルを帰すことにして、翌日、そのテープを電話越しに聞かせたら、「『なんで最初のでうまく歌えてるって、言ってくれなかったんだ』と言われた。(笑) 」

「(ビルもジャズとソウルをうまくミックスした人物だが)もうひとり、ジャズとソウルをうまくミックスした人物がいる。仕事を一緒にしてとても楽しめた人物、それがマーヴィン・ゲイだ。彼の素晴らしさについて、たとえばマーヴィンはソウル界の、洗練されたピアノを聴かせるセロニアス・モンクに匹敵すると思う。彼はソウル・シンガーだ」

ジョーは1939年2月1日生まれ、マーヴィンは1939年4月2日生まれ。2ヶ月しか違わない。ビル・ウィザースは1938年7月4日生まれ、みなほぼ同世代だ。


http://youtu.be/TWqGzH9vKg8

■「ストリート・ライフ」誕生秘話

――もう1曲、あなたが作った傑作で「ストリート・ライフ」という曲があります。このレコーディング・セッションはどのようなものでしたか。

「1976年、(ランディー・クロフォードが所属する)ワーナーブラザースから連絡があった。ランディーのセッションでピアノを弾いてくれないかと言われた。それが78年に実現するんだが、そのときにこのシンガーは、『オフ・ザ・ウォール・メロディー』を実にうまく歌う(註=壁から自然にとろけるようにメロディーが出るというイメージ)ので、このシンガーにそういう曲を書けないかと思った。僕は、いわゆる『トップ40ライター』(ヒットチャートをにぎわすトップ40ヒットを書く作曲家)ではない。僕は、そうだな、『クリオール・ライター』(笑)なんだがね。ただ、ソウル、ゴスペル、クラシックの要素をいれた曲をランディーに書きたいと思ったんだ。そこで彼ら(ワーナー)に、彼女に曲を書きたいと申し出た。すると、彼らはもちろんと答えた」

「僕は当時、山に家をもっていて、スキーに行った。そこでリフトに乗り、頂上に向かった。リフトに乗りながら、人々が滑っている下のスロープを見下ろした。周りに木々があり、みんなジャンプをしたりして滑っていた。そして、その瞬間に『ストリート・ライフ!』って言葉を思いついたんだ。そこでこの単語を思いつき、メロディーが浮かび、いくつかの歌詞、ストーリーを思いついた。すぐに(作詞家の)ウィル・ジェニングスに電話をして、『いま、こんなメロディーが思い浮かんだので、歌詞をつけてくれ』と頼んだんだ。そして、曲(のデモテープ)を完成させ、クルセイダーズ(のメンバー)に聞かせ、彼らも気に入ってくれた。そのとき、(メンバーの一員)ウィルトン・フェルダーが『この曲を歌うにはオールド・タイム・ヴォイス(昔ながらの声)が必要だ、エンディングをもう少し伸ばしたほうがいい』とアドヴァイスをくれた。結局、これをレコーディングしたら、13分くらいになってしまったので、編集で11分にした。だが、この長さでは通常の『トップ40ヒット』には決してならない。(訳注、普通ヒット曲は3分半程度。ラジオでは長い曲はまず普通かからない) そして(リリースされて)、しばらくしてから、ある夜ベッドに入ろうとするときに、ラジオから『ストリート・ライフ』が流れてきた。そのときに、こう言ったものだ。『Damn, that’s great! くそ、これはすばらしい!』(一同爆笑)」


http://youtu.be/5xovXxa6sGU

――1960年代から、あなたは積極的に新しいキーボードなどを使い、言ってみればそうしたものを使うパイオニアでした。新しいテクノロジーを使ってプレイすることについて、どのようなお考えをお持ちでしょうか。

「1968年、クルセイダーズのメンバーに言ったんだ。『もうジャズ・クルセイダーズとして、一緒にツアーできない。ジャズ・ミュージシャンとして、ツアーをし続けて生きることができない』と言った。というのは、全米のジャズクラブのピアノは、すべてどこへ行っても最悪なものばかりだった。(メンバーの)君たちは、自分のサックスや自分のトロンボーン、自分のギターを持っている。君たちは確実にコンディションのいいものを自分のチョイスで使える。だが、(ピアノは持ち歩けないので。各地の最悪のピアノに)僕はピアノを選べない。それですっかりうんざりしてたんだ。だから、もう旅にはでないで、ロスの家に留まってスタジオの仕事なんかをする、と宣言した」

「すると、ウーリッツァー(電気キーボード)が登場した。1950年代後期にレイ・チャールズがウーリッツァーをプレイするのをテレビで見た。それからフェンダー・ローズが登場した。フェンダーはその頃は、今ほど、十分に強くなかった。僕やジョー・ザビヌルのプレイに耐えられるほどではなかったんだ。僕たちは、フェンダーをよく壊してしまったものだ。そこで僕たちはこれをもっと強くしなければと考えた。しかし、このフェンダー・ローズの登場で、再び、ツアーに出ることができるようになった。だが、このフェンダーはピアノではない。だから、ピアノとはまったく違ったアプローチをしなければならない」

「あらゆる雑誌、キーボード・マガジンなどが尋ねるようになった。『あなたは、電気ピアノからどのようにしてあのサウンドを出すのですか』と。僕は、工場出荷されたままの状態でプレイすることをまず考えた。それからヴォリュームを一番低いところにして、4のあたりにまわしてそこで止める。4を越えると決していい音はでない。(音が割れてしまう) その低いところでの音が、その楽器の一番いい音を出すことができる。だけど、『どうやってあの音を出すか?』って質問かい? それは、この(僕の)指から音を生み出すんだよ!(と、両手の指10本をみんなに見せる)」(笑)(一同爆笑)

――かなりの回数日本の東京にやっていらっしゃいますが、何があなたをこれほどまでに日本に来させるのでしょうか。

まず何より、日本の食べ物(食事)が大好きということがある。(笑) 日本の食事の大ファンなんだよ。僕が日本に初めてやってきたのは1967年、パーシー・フェイス楽団の17人の一員としてだった。以後、ほとんど毎年のようにやってきている。前回は東京ジャズだったかな。それと、僕のロンジェヴィティー(永続性、継続性、長く続くこと)の秘密のひとつは、太陽が昇る前にベッドに入るということだ。(笑) 

――ジョー・サンプルさん、ありがとうございました。

ジョーが今回「ザディコ」を選んで、そのバンドを結成し、演奏を日本で初披露したことには、自らのカルチャーへの敬意を表わす意味がある。世界の各地にさまざまな文化(カルチャー)がある。それが、みな同じではつまらない。あちこちにあるものがそれぞれ違っているから、多様性があるからこそ、おもしろい。そこで、ジョーは「(固有の)文化にしがみつこう(こだわろう)Stick to your culture」と声高に宣言する。おそらく「ザディコ」音楽は、世界規模で見ても聴く人は少数だろう。だが、それを堂々と掲げて演奏するところに、ジョーの自身の文化へのこだわり、先輩への尊敬、歴史への正しい認識などがある。彼がただの「トップ40アーティスト」ではない証だ。

ちなみに、今回ステージで披露されたザディコ楽曲は、ほとんどがジョーのオリジナル。歌詞をつけたのが、デニース・ラブリーという作詞家だ。ラブリーは、実はジョーの奥さんの妹、したがってジョーの義理の妹ということになる。

これらの楽曲、ほぼレコーディングは終えているが、若干の手直しが必要なために、帰国後、そうした作業をする。忙しいみんなをもう一度集めて、一部の楽曲の再録音も計画されているようだ。もともとは、来日の前に、日本でCDをリリースしたかったようだが、震災の影響でプレスがなかなか思うようにならず、結局、リリースする前に、来日してしまった。出来るだけ早くリリースしたいとのことだ。

(この項、つづく)



http://youtu.be/lQwE3wBlt-A

ARTIST>Sample, Joe
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