吉岡正晴のソウル・サーチン

ソウルを日々サーチンしている人のために


テーマ:
△マサ小浜、初ソロ・ライヴ~ソウルとファンクとスムース・ジャズと

【Masa Kohama: First Own Live: Soul, Funk And Smooth Jazz】

多様性。

長くアメリカで活躍し数年前に日本に戻ってきて、以来、日本の音楽シーンでひっぱりだことなったファンキーなギタリスト、マサ小浜が「人生初の」自身名義のライヴを行った。これまで、幾多のサポート、また自身が参加したバンドでのライヴはあるが、マサ小浜としてのライヴは名実ともに初だそうだ。ブルース・アレイのマネージャー、高橋さんが1年くらい前から「ソロやってくださいよ」と口説き落として、この日を迎えた。

マサ本人は、「客が5人くらいしか来なかったらどうしようかと思ったけど、こんなに来てくれて本当にありがとうございます」とあいさつ。ほぼ満員、立ち見もでるほどの盛況だ。

マサ小浜は、基本的にブラック・ミュージック、R&B、ソウルが好きだ、ということがプレイや選曲からリアルにわかる。下記セットリストをじっくりご覧いただけばわかるように、「白い曲」はほとんどない。しいて言えば、ドゥービーズの「ミニット・バイ・ミニット」くらいだが、これとてソウルフルな1曲。

しかし、マサ小浜はそのブラック・ミュージックの中のファンク、R&B、ソウル、ブルーズ、ジャズ、そして若干のロックの要素をふんだんに自由自在に取り入れる。ヴァーサタイル(多様性)ではあるが、自身の根っことなるルーツに忠実で、ただ単に「いろいろなジャンルを寄せ集めました」的な安いオムニバスになっていないところが素晴らしい。Versatile, but stick to rootsという感じだ。ひとつの根っことなる土台がしっかりしているために、様々な多様性ある音楽がひときわ輝きを増す。ソウルとファンクとスムース・ジャズの見事な融合、そんな感じだ。

$吉岡正晴のソウル・サーチン


ギターの音色もいいし、プレイもいい。そして、バックのバンドもソリッドで完璧だ。いつも、ジーノのベースの音が、ここブルース・アレイで聴くときにひじょうによく聴こえるのだが、それをジーノに尋ねると、「ほら、ドラマー(ジェイ)がいいからさ。ジェイのキックと相性がいいんだよ」。いやあ、それもあるだろうけど、たぶん、ジーノのパフォーマンスがいいに決まってる。

$吉岡正晴のソウル・サーチン


そしてセカンド・セット、ブルーズの2曲をやり終えたところでマサ小浜が言った。「いやあ、楽しいなあ」。マサは曲の中に、ちょっとした有名曲のフレーズをほんのひとかけらだけちょくちょくいれる。これがディズニーで隠れミッキーを探すように、実に楽しい。「あ、これなんだっけ」、でも考えてるともう元の曲に戻ってるといった感じだ。たとえば「レッド・ライト・スペシャル」(ケイリブが女目線の歌詞を男なのに歌ったのが面白かった)の最後にちょっとだけアイズレイの「サマー・ブリーズ」を挟み込んだり。「ロック・ウィズ・ユー」にアースの「ブラジリアン・ライム」を入れたり。

アーニー・アイズレイ、ジョージ・ベンソン、デイヴィッド・T・ウォーカー、ジミ・ヘンドリックス、プリンス、BBキング…。さまざまなギター名手の音が浮かび上がる。それまでマサ小浜が影響を受けてきたギタリストが、彼の体をフィルターにしてその音を表出させる。

マサのギターは歌う。マサのギターは跳ねる。マサのギターは飛ぶ。マサのギターは泣く。マサのギターは汗が飛び散る。そして、マサのギターは、ソウルがあふれている。

アンコールでの「パープル・レイン」は、マサ小浜のギター・ソロが見事に輝いた圧巻の出来だった。そして、客席にブレンダ・ヴォーンの姿を見つけたマサは、ギターを弾きながらブレンダを呼び込むジェスチャーをする。一瞬ためらったブレンダは結局ステージに上がり、いきなり「パープル・レイン」の最後のフレーズを、独自アレンジの即興で歌った。お見事。さらに圧巻は、後半。マサが説明する。「『パープル・レイン』って、後半とてもスピリチュアルな曲でしょう。だから弾きながら、ブレンダ向きにチャーチ(教会的)な曲をやろうと、その場で思いついて『アメイジング・グレイス』を弾いた」 そう、「パープル・レイン」のギター・ソロがゆっくり静かになったところで、マサが「アメイジング・グレイス」を弾き出したのだ。もちろん、ブレンダにとっては、この曲は朝飯前。またまたスリリングな即興「アメイジング・グレイス」が披露された。いやあ、ここのアンコール部分は、全員のミュージシャン力に特に感銘を受けた。

$吉岡正晴のソウル・サーチン


ライヴ後、ミュージシャンたちみんなといろいろ話をしたが、なんと今回リハーサルは当日の午後1時半から5時半までの4時間だけだという。いやあ、それを聞いて、二度びっくりだ。曲を決め、それぞれが宿題をやってきて、曲のソロや終わりは、マサが合図をする。それにしても、いつも他のアーティストのサポートなどでよく顔をあわせ一緒にやっている仲間同士だからできる芸当なのだろう。

ギター・ソロのライヴというので、ヴォーカルがほとんどなく、若干退屈になるかと思ったのだが、そんなことはまったくの杞憂。実にソウルフルでファンクで、ここまでR&B・R&Bしたギタリストは日本広しと言えどもなかなかいない。マサはこの日膨大な数のエフェクターと、8本以上のギターを持ってステージに上がっていた。ステージの人数は少ないが、機材で足の踏み場がないほどだった。素晴らしい初ソロライヴだった。スター・ギタリストの誕生だ。そして、この日の観客は女子率がえらく高かった。年内に再演しそうだ。

■ メンバー

(G)マサ小浜 (Key)Kaleb James (B)日野“JINO”賢二 (Ds)JAY Stixx
Brenda Vaughn (vocal)

■ セットリスト マサ小浜@ブルースアレイ
Setlist

Show started 19:47
01. Let The Goodtime Roll (Kaleb on vocal) [Louis Jordan]
02. That’s The Way Love Goes [Janet Jackson]
03. Creepin [Stevie Wonder]
04. All I Can [Al Jarreau]
05. P.Y.T. [Michael Jackson]
06. Red Light Special [TLC] (Kaleb on vocal)
07. Never Can Say Goodbye [Jackson Five]
08. Rock With You [Michael Jackson]
09. Little Wing [Jimi Hendrix]
Performance ended 21:00

Performance started 21:22
01. C Smooth [George Benson]
02. Minute By Minute [Doobie Brothers]
03. Anytime, Anywhere [Janet Jackson]
04. Hideaway [Blues]
05. Have You Ever Loved A Woman [Blues] (Kaleb on vocal)
06. Yearnin’ For Your Love [Gap Band]
07. Never Too Much [Luther Vandross](Kaleb on vocal)
Enc. Purple Rain [Prince] (Kaleb, Brenda on vocal) – Amazing Grace [Brenda]
Show ended 22:37

(2010年7月6日火曜、目黒ブルース・アレイ=マサ小浜ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Kohama, Masa
2010-97


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