カキの驚愕の効能…

内臓疾患や疲労に効果!

究極のおいしいカキを食べる方法

(Business Journal)

http://biz-journal.jp/2016/12/post_17333.html

http://www.asyura2.com/16/health18/msg/209.html

カキの驚愕の効能…内臓疾患や疲労に効果!

究極のおいしいカキを食べる方法

http://biz-journal.jp/2016/12/post_17333.html 2016.12.01

文=中西貴之/宇部興産株式会社

環境安全部製品安全グループ グループリーダー

Business Journal

 

牡蠣

 

 

都会のオイスターバーで

新鮮な生ガキとワイン……

 

「俺ってオシャレじゃない?」

と思っている、そこのあなた。

 

そのライフスタイルは、

数万年前から進化していない可能性があります。

 

人間は、古くから森の恵み、

海の恵みに生かされてきました。

 

今は高級食材になってしまったカキも、

数万年前の貝塚からは大量に発掘されます。

 

これは、私たちの遠い祖先が栄養豊富でおいしく、

しかも動かないので捕まえやすいカキを

貴重なたんぱく源としていたことを示しています。

 

カキの魅力といえば、

なんといってもそのうまみです。

 

海中で生きる魚介類は、

体内の水分を海水中に吸い出されないように、

 

体内にミネラルや化学物質を蓄えることによって

海水と自身の体の浸透圧とのバランスをとっています。

 

魚やイカ、タコは味のない化学物質で

浸透圧を調節していますが、

 

カキなどの二枚貝は、

うまみ成分のグルタミン酸を体内に蓄えることによって

バランスをとっています。

 

そのため、二枚貝は魚とは異なる

独特のうまみを持っているのです。

 

 

■なぜ広島、三重のカキはおいしいのか?

 

お店で席に案内され、

「さぁ、カキを注文しよう!」と思ってメニューを見ると、

 

日本地図や世界地図と共に

さまざまなカキの名前が書かれていて、

 

何をどう注文すればいいのか

戸惑うことはありませんか?

 

外国産と日本産では見た目も味も大きく異なりますが、

日本産でも産地によって味が驚くほど異なります。

 

食用に供されるカキは数種類しかないため、

メニューに大量のカキが並んでいても

生物学的な種としてはほぼ同じものです。

 

また、海外産といっても

味のいい日本固有種が海外で養殖され、

それが輸入されていることも多いのが実態です。

 

前述の浸透圧との関係から、

生息環境の海水の塩分濃度によって

 

グルタミン酸の蓄積量が異なることが

味に大きく影響しており、

 

一般には塩分が濃い海水で育つほど

うまみが強くなるといわれています。

 

それは、広島や三重、長崎などの湾で育ったカキが

おいしい理由のひとつでもあります。

産地表示のある生ガキ(撮影=筆者)

 

味は生息環境のプランクトンの種類や食べる人の好みにもよるので、

「とにかく塩分濃度が高ければおいしい」というわけではありませんが、

 

「今年はエルニーニョの影響で南米近海の海水温度が高いらしいので、

今日は南米産を食べてみようか」「北米西部で熱波の被害が出ているので、

 

カリフォルニア産を選んでみよう」などと、

科学的根拠に基づいて塩分濃度の高そうな地域で獲れたカキを

食してみるのも楽しいものかと思います。

 

 

■カキの殻は超万能薬!

心身ともに健康増進

 

カキはしばしば「海のミルク」と呼ばれますが、

それはクリーミーな食感とアミノ酸やミネラルを豊富に含む

食品であるためです。

 

それにもかかわらず、

カロリーは身4~5個分の100グラムで60キロカロリー程度と

牛肉の数分の一しかない低カロリー食品です。

 

「牡蠣よりは海苔をば老の売りもせで」(松尾芭蕉)

これは、老人の行商人にとっては重いカキよりも

 

海苔(「法=守るべき行いやその教え」との掛詞)

のほうが商売をするにはいいのではないか、

という芭蕉の句です。

 

殻付きカキの重さは百数十グラムもありますが、

身の重さは20グラム程度しかないので、

 

殻付きカキを手にしたときの

ずっしりとした重量感は、

ほぼすべて殻の重さです。

 

それもそのはず、カキの殻は

炭酸カルシウムが主成分でリン酸やケイ酸からなる

岩のような物質なのです。

 

ですが、この殻は単なる岩ではなく、

古くから生薬として用いられてきました。

 

カキの殻の基本構造。実際の殻は、

この隙間にさまざまな種類のミネラルが入り込んでいる。

(「Wikipedia」/Tem5psu を元に筆者作成)

 

カキの殻は「ボレイ」と呼ばれ、漢方薬として服用すると、

制酸作用による胸やけや慢性胃炎の抑制、食欲不振の改善、

 

不眠症や液晶ディスプレイの見すぎによる眼精疲労、

仕事のストレスで高ぶった神経を鎮めることにも

効果があります。

 

ボレイだけで現代のビジネスパーソンが抱える

体の悩みの多くに対処できるわけで、

優れた生薬なのです。

 

カキの殻を薬として利用していた歴史は古く、

6世紀に成立した中国の医薬品事典『神農本草経』にも

収載されているほどです。

 

ボレイは市販の漢方胃腸薬に含まれているので、

生ガキとワインを楽しんだ後に漢方薬を飲めば、

 

まさにカキを丸ごと楽しんだことになり、

仕事の疲れを癒して心身ともに

健康増進につながるのではないでしょうか。

 

 

(文=中西貴之/宇部興産株式会社

環境安全部製品安全グループ グループリーダー)

 

【参考資料】

「『日本薬局方』ホームページ

「厚生労働省」 「タケダ健康サイト 」

「武田薬品工業株式会社」

 

『マギー キッチンサイエンス -食材から食卓まで-』

(共立出版/Harold McGee 著、香西みどり監訳、北山薫、北山雅彦訳)