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2015-08-24 12:58:24

街に出て姿勢を見よう! 【048】

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ごぶさたしてしまいました。
やすらぎ創健堂のhpをwordpressを使って作り直しました。このため、これまで個別のページに張っていただいてたリンクがすべて切れた形になっています。

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さて、人体の姿勢制御にはクローバル・ルールとローカル・ルールという二つの異なるルールが働いています。この両者を合わせて考えゆくことで、姿勢と健康に関わるさまざまな問題が見えてくるということが、このブログの主張です。

前回はこのような観点からローカル・ルールの乱れの具体的な姿を二例、紹介させていただきました。

クローバル・ルール、ローカル・ルールという二つの観点を重ね合わせながら複眼的に姿勢のゆがみをとらえることが重要だということが、これまでご紹介してきたことなのですが、その意味から、今回は一歩進めて、両者を重ね合わせてみるとどういったことがわかるのかといったことを考えてみたいと思います。

前回紹介した二例では、背骨の関節にローカル・ルールの問題が生じていました。具体的には関節のずれを防ごうとする働きが過剰になって動きを失った関節が点在していました。



ここでまず理解しておかなければならないのは、関節の動きを理解するうえで二つの物差しがあるということです。一つは「関節可動性」と呼ばれ、もう一つは「受動抵抗性」と呼ばれます。

自分で動かそうとしたときの身体の動き・関節の動きを「可動性」、他者の力によって動かそうとしたとき生ずる関節の動きを「受動抵抗性」といいます。




「可動性」と「受動抵抗性」を混同してはいけません。その理由は以下の二点に整理することができます。

1.たとえば背骨の関節のように、個別には自分の意志で動かせない関節がある。
2、意志的な運動(可動性)に比べ、受動抵抗性の表情はとても複雑である。

2、について少し説明が必要でしょう。

足首を例にとってみると、可動性は、屈曲・伸展・内反・外反・内旋・外旋の6自由度に整理されます。しかし、受動抵抗性は屈曲ひとつとっても、外踝側の受動抵抗性と内踝側の受動抵抗性を分けて考える必要があります。

これは、受動抵抗性が関節面の形態・靭帯の走行によって、意志的な運動では現れない表情を持ってしまうためです。しかし、アカデミックな関節運動学においてもこの点が十分に理解されていないように思います。

人間工学の分野では、上記の6自由度で受動抵抗性のデータを数万例集めてデータベース化していますが、手技療法の立場から見ると、「受動抵抗性」そのものの理解が浅いのではないかと思います。

余談になりました。さて、日常のロコモーション(移動手段)では、重力による受動的な関節の動きと、意志による自発的な関節の動きが重なり合って生じています。

哺乳類のロコモーションにおいては、とくに重力の作用が重要な意味をもっているのですが、重力を利用するということは、必然的に受動抵抗域の関節の動きを伴ってきます。

つまり、自発的に見える運動のなかに、身体の重みによる受動的な動きが生じているということなのです。「なんば歩き」の提唱、古武道などへの注目は、この受動抵抗域を上手に使える身体動作にポイントがあります。

「受動抵抗域をしっかり見る」ということは、東洋的な身体観を理解で来ているかどうかの分かれ目です。受動抵抗性を見るということは、重力をちゃんと利用できているかどうかを見ることなのです。

背骨の関節運動を見る上でも同じ問題が生じてきます。

背骨の関節運動は、通常、前後(屈伸)、左右(右側靴・左側靴)、回旋(右回旋・左回旋)の6方向で整理されていますが、実際の受動抵抗性の亢進は複合的で単純なものではないのです。

この点は、後々問題となってきますので、記憶にとどめておいてください。

さて、上のような脊柱のローカル・ルールの乱れの上に、歩行動作のなかでは、重心の安定と頭位の安定のためにグローバル・ルールが生じてきます。ローカル・ルールに乱れがあるので、当然ながらグローバル・ルールに乱れが出てきます。

その際、グローバル・ルールの本来の姿(理念的な姿)を理解しておくことが重要です。本来の姿を理解しておくことで崩れ方を評価する(理解する)ことができるのです。

なにを基準に「姿勢の乱れ」を評価するのか、ここがはっきりしないと「身体症状の発生」との関連を合理的にとらえることができません。順序立てて整理してみましょう。

歩行時にわたしたちの姿勢は一定のパターンにそって刻々変化しますが、その際、とくに理解しておかなければならない瞬間があります。両脚支持から片脚支持に移行した瞬間です。

この瞬間に、脊柱にも、股関節や足首にも、また上部の頸椎と頭蓋骨の間にも、大きな力学的な負荷が生じます。

グローバル・ルールを理解するなら、まず短脚支持移行の瞬間から、というわけです。




この瞬間の姿勢にはいくつかの重要な注目点があります。

①まず支持脚側の骨盤が上がり、反対に遊脚側の骨盤は下がります。身体の重みよって遊脚側の骨盤が引き下げられます。逆に、支持脚側は下肢を通じて伝えられる反床力の影響で骨盤が高い位置を保ちます。

②この時、腰椎に支持脚側への側屈が生じます。身体重心を基底支持面の中心で捉えようとする動き(カウンタームーブメント)があらゆる部位で生じます。このような力をトルクといいます。

③腰椎の側屈に対して、胸椎部に逆向きの側屈が生じます。これも腰椎部に側屈に対するカウンタームーブメントです。

④腰椎、胸椎の側屈が、上半身の回旋を引き起こします。胸椎・腰椎は、それぞれ逆向きの側屈、同方向の回旋を起こします。このため、上体は支持脚側が前に、遊脚側が後になる形で回旋します。


⑤これが、下肢と反対方向の上肢の運動を作ります。下肢の送りによって生ずる骨盤〈下肢帯〉の回旋に対する、上肢帯のカウンタームーブメントです。この動きは、無理に止めるととても歩きづらくなります。

⑥このような上肢帯の運動は、連続的な骨盤〈下肢帯〉の振り子運動に対するはずみ車(フライホイール)の役割も果たします。

⑦頸部は、このような上肢帯の運動から頭部を守る緩衝帯の役割をはたします。頭部の側屈・回旋を最小化するための免震機構の役割です。



上の図は、これまでの歳々紹介してきた図です。それぞれ短脚支持でほぼ対称的な瞬間を捉えたものですが、左右で骨盤の傾斜が異なっています。

左短脚支持(右側の図)では、遊脚側(右側)の骨盤が上がってしまっています。比較するとわかるように、このときの姿勢はバランスが悪く、肩の高さの差も顕著ですし、首の傾きも大きくなっています。

歩行時には、40%の時間が片足立ちになります。この瞬間は、身体重心の制御の最も難しい瞬間です。歩行時の痛みも、この瞬間に発生するものが最も多いといってよいでしょう。

わたしたちは、通常一分間に100歩のペースで歩きます。つまり、歩行時は一分あたり100回、この瞬間を潜り抜けていることになります。

この瞬間は、歩行動作中、もっとも重心位置が高い状態にあります。落下のエネルギーが発動されていない瞬間ということもできます。

この瞬間を選んで片脚立ちに移行します。試みに、膝を曲げた状態で片脚立ちになっていただくと、この時膝にかかる負担がいかに大きいかが理解できるでしょう。支持脚の膝を伸ばして、直下に重心を受け止めることで、重心支持の効率を高めているのです。

たとえば犬や猫などが後ろ脚だけで立ち上がる姿を見ることはあると思いますが、二本足で歩く(つまり片脚支持に耐える)姿を見ることはほとんどありません。手を取って無理に歩かせようとすると、片足を挙げる瞬間にとても苦労します。

犬や猫の身体にとって片足をあげて立つよいうことがいかに難しいか、つまりはいかに大きな力学的エネルギーを必要とするかということを示しています。二本足で歩くとうことは、「片脚支持に耐えること」と言い換えてもよいのです。

人間の身体がなぜこの瞬間をいともたやすくやり過ごせる背景には、骨盤の形、靭帯の走行など、身体の持っている解剖学的な構造が大きな役割をはたしています。

これをもたらしたのは、いうまでもなく600万年をこえる直立歩行の歴史、生物進化の歴史です。

さて、本題の戻りましょう。

このとき、ローカル・ルールが乱れているということは、この時に緩衝作用が働かない関節があるということです。

人間の関節は、歩行に伴う動的なエネルギーの遷移のなかで、全体を滑らかにしようとする志向性を持っているのですが、ローカル・ルールの乱れは、エネルギーの移動を受け止めない硬い関節があるということを意味します。

トランポリンの上でジャンプすると、着地の瞬間の衝撃が吸収されてゆるやかに身体が沈みこみ、ついでそのエネルギーを利用して上方へ跳ね上げられますが、人体の関節運動も、基本的にこのような志向性を持っているのです。

ローカル・ルールの乱れは、その中に断絶をつくることであり、滑らかな推移のなかにカタストロフィーを作ることなのです。

ローカル・ルールの乱れは、身体内部の不調の表現であるとともに、さまざまな身体の不調を生み出す原因としても作用します。この仕組みを理解することは、不調の連鎖を断ち切る合理的な対処法を編み出すことも糸口になります。

手技療法に期待されていることは、このことなのです。この議論を、一歩進めて考えてみたいと思います。

(つづく)

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2015-03-16 01:49:22

街に出て姿勢を見よう!  【047】

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前回は、姿勢制御のローカル/ルールについて考えてみます。そこで、とくに哺乳類の関節運動が自律神経系の影響を受けるやすいと指摘しました。

今回は、実際にそのことが手技療法の「経験」を通じてどのように観察されるかについて紹介してみましょう。

下に素描した背骨の様子は、ある病気で大腸の手術をされた方の背骨の様子です。

記載したのものは、指先で観察した関節の位置の変位とその矯正のために操作した脊柱の関節深部の筋肉をカルテから再現したものです。

赤く示したのは実際に調整した単関節筋です。



身体には多くの筋肉が階層的に分布していますが、実際に関節を固定するのは「ただ一つの関節」をまたぐ単関節筋です。

これに対立するのが多関節筋です。複数の関節をまたぐ大きな筋肉で、身体の表層に分布します。僧帽筋、広背筋、脊柱起立筋、大腰筋、大腿四頭筋など、名前をよく知られた筋肉はほとんどが多関節筋です。

陸上生物の身体には、単関節筋のない関節はありません。すべての関節に、その関節固有の単関節筋があるのです。そして身体運動に伴う関節のズレを防ぐ役割をはたしています。

姿勢制御のローカルルールはこの単関節筋の働きで作られます。図中、赤く示した単関節筋の部位は関節が硬く固定されています。

この方は、手術前から身体を見させていただいていました。手元の記録によればこの方は以前から同様な傾向を示していたのですが、手術後にその傾向が非常に悪化していました。

ご本人いわく、背骨の違和感がひどくてとてもつらい、身体を曲げると肩甲骨と肋骨がぶつかって動かせないなどといった状態でした。

下の図は同じ図に表在筋を描きこんだものです。



このような違和感があるから表在筋に緊張があるかというと、じつはそうではありません。

ご本人にとっては、硬くなった関節の深部筋(単関節筋)に触れることで、はじめて心地よい圧痛が生じます。硬くなった身体の緊張がほぐれる感じがするというのです。

このような単関節筋の付着部位は、とても小さな部位であり、正確な触診が必要になります。ここを的確に緩めると、背骨のアラインメント(直線性)が大きく改善されるとともに、ご本人も身体の違和感から解放されたと述べられています。

姿勢制御のローカルルールという観点を持たないと、このような部位を的確に判定することはほとんど不可能です。

一般に、ストレッチやヨガはあくまでグローバルな姿勢の制御に働きかける運動です。グローバルルールの観点からみると、動かない関節はそのままに、動く関節が代償して運動をつくるといったことが生じてしまいます。

ローカルルールの観点からみると、このような運動はゆがみを助長することになりかねないのです。

というのは、動きの悪い関節はロックされたまま、動きのよい関節が代償的に動くからです。この代償性の負荷がどのような影響を及ぼすかという点は、ローカルルールを考える上で最も重要な点です。

この点は、次回以降にさらに掘り下げてみたいと思います。

さて、なぜ手術後に背骨のゆがみが悪化したのでしょうか? その理由を私は次のように考えています。

手術の経験は、人の身体にとって大きなストレスです。当然、身体はいわゆるストレス反応を引き起こします。

ストレス反応というのは、1.警告応答期、2抵抗期、3.疲憊期(ひはいき)という3つのステージから構成されます(H.セリエ、ストレス学説)。ストレス下では、脊柱のなかの自律神経系、とくに交感神経系はつよい緊張状態が続きます。

そうなると、たとえば日ごろ腰痛の人なら関連する腰髄、胃の調子が悪い人なら関連する橋髄の神経系のように、日ごろから緊張状態にある脊椎分節の緊張がよい強調されるのではないかと思います。

このように考えるのは、具体的にそのような事例によく接するからです。この点については、詳しい説明が必要ですし、さらに研究すべき問題もあります。次回以降に、少しずつ深めていければと思います。

さて、次の方は、腰が伸ばせなくなったとう年配の方です。意見して図にほとんど変化が感じられないかもしれませんが、詳細にマーキングされた椎骨を見ていただくと上の例とはかなり異なっているのがわかるでしょう。

立った姿勢では、円背と側弯が強く歩くのがつらそうな姿勢で、上の方に比べると大きな違いがあります。ご本人は立ったり歩いたりがつらいといっていらしゃいました。

背骨を触診してみると図に掲げた関節がとても硬くなっていました。



よく誤解されるのですが、こういうときすべての背骨の関節が硬くなっているわけではありません。実際は2つとか3つとかの関節が硬くなるだけで、背骨のほとんどの関節は健全なのです。

背筋が伸ばせなかったり違和感がありますが、このとき脊柱近傍で働いているほとんどの力は、身体重心を中心に引き戻そうとする働きか、あるいは関節にかかる荷重を平均化しようとする働きで、健全な生理的な関節運動です。

歪みの原因となっている特定の関節の動きさえ回復できれば姿勢はその場でかなり元の状態に戻ります。ただし高齢の方の場合、持続力にはかなり個人差があります。

この方の場合も、左側の上部の腰椎、硬くなっている関節を固定する単関節筋の付着部に快痛がありました。そこをしばらく刺激して緊張を解くと姿勢がまっすぐになりました。

まがっていた腰がまっすぐになってご本人はびっくりされていました。ただ、まっすぐに伸びているのはその日限りで、翌日にはもとにもっどったとおっしゃっていました。

持続できるようになるためには、継続的な刺激が必要です。その場所(一度刺激を受けるとご本人にはよくわかる)を日々、緩めていただくように指導して、継続的に通っていただくことになりました。

さて、注意すべきは、わたしが操作したポイントです。この方は数年前、激しい背中の痛みを感じて病院で解離性大動脈の診断を受けておられました。

わたしが、「実際に固くなっているのはここでしょう」といって示した場所は、そのときに痛みが出た場所だとおっしゃられたのです。

腰椎のすべり症など、腰痛の要因も抱えてたおられましたが、実際に問題だったのは、この様子では動脈からの自律神経性の反射部位であろうと推察しています。

実際に、脊柱に生ずる強固な運動制限の部位は、T1~L2の交感神経の分布領域(※前回紹介した「側角」の発達した領域)であることが多いというのが実感です。

(つづく)

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2015-01-29 18:52:05

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複雑性とはどういうことか?
前回、グローバルルールとローカルルールという考え方が、さまざまな現象に適用されることを紹介しました。お祭りの御神輿はわかりやすい例です。

100人を超える人が一所懸命におみこしに働きかけます。しかし、誰一人としてお神輿を自分の意志に従わせることができません。

担ぎ手に依存しながら、担ぎ手の意思に従わない。誰もお神輿の動きをコントロールできない。これがお神輿の本質です。

同為替相場とか、市場での価格決定とか、話し言葉の変化といった社会現象にはすべからくこういったことが成り立ちます。

ローカルなルールとグローバルなルールの乖離という現象は、社会現象のなかにはたくさん見出されます。これを「複雑性」と呼んでいます。個々の現象が、大規模に集積されるとことによって予測のつかない結果を生み出してしまう現象です。

このような複雑性は、決定論的に捉えられていた薬理作用とか、溶質の溶媒への拡散などといった現象にも幅広く認められることが今日では理解されるようになってきました。

姿勢制御におけるグローバルルートとローカルルール
姿勢制御にグローバルルール、ローカルールという言葉を当てはめて考えるべきだというのは、わたしのアイデアです。

今日、歩行解析などにおいては姿勢のグローバル・ルールが研究されています。一方、カイロプラクティックやオステオパシー、AKAなどの手技療法では、姿勢のローカル・ルールが研究されています。

残念ながら、両者を関連づけて考えようという視点が欠けています。おそらく近い将来そうなるであろうことは間違いありませんが、そのための大きな壁があります。

それは伝統的な手技療法の成果をいかに評価するかという問題です。整形外科学や理学療法をおこなっている人たちは、伝統的な手技療法に対して懐疑的です。科学的ではないと考えているのです。

しかし、モノサシや画像診断で静止画として確認できる客観性にこだわっているといつまでたっても運動の本質が見えてきません。たとえば野球の投手の投げるボールをスピードガンで計測したところで、出てくるのは客観的な数値だけです。

しかし、実際にボールを投げたり、バットで打ち返してみてわかるような運動の性質については何も語ってくれません。関節運動についても同じことで、画像診断やモーションキャプチャー、ゴニオメーターなどによる客観性に頼っていてはごくごく入り口の議論すら乗り越えることはできません。

個別の関節運動を理解するためには、恐れることなく手を使うべきです。そのためには手の感覚を磨き、使える手にしなければなりません。そこにはかなりの鍛錬と熟練が求められます。

グローバル・ルールの本質
さて姿勢制御のグローバルルールとは、まさしく身体が全体としてたもっているルールです。その基本的な性質は以下の二点に集約できます。

1、頭の位置の安定を安定させる、
2、エネルギー消費を少なくする、

エネルギー消費を少なくするとは、安定する、ラクであるということです。

静的に見ると、広い基底支持面と低い重心位置を持つことでもっとも安定した姿勢が得られます。人間にとってこれは「寝そべった状態」です。

しかし、立って歩くことのなかに姿勢の本質があります。狭い規定支持面と高い重心の持つ姿勢です。この不安定さ上回る高度な安定性によって統御するのが姿勢のグローバル・ルールの本質です。

この「不安定さ」は、運動エネルギーを生み出す源泉となっています。



同じ複雑性をしめす現象でも、たとえば気候変動は、熱力学の第二法則(エントロピーの法則)にしたがいます。しかし、わたしたちの動的な姿勢制御は、徹底的に熱力学の第二法則にあらがいます。

不安定な姿勢をそのままの形で維持し続けようとします。わたしたち哺乳類は、内側から促されて姿勢の不安定さ(動的安定姓)を維持し続ける生き物名のです。

現実には、それは不安定であるどころか、しなやかですばやい運動です。ワニやカメ、トカゲなどの爬虫類の運動に比べ、哺乳類の運動は滑らかですばやく、さまざまな形態へと発展性をもっています。

これは進化という生物学的な要因、物理学的には説明のできない「目的因」(エルンストマッハ)を考えないなければならない点です。

哺乳類の運動能力を神聖視するのはまちがいですが、ただ現在客観的に解析できている知見では、おそらく3歳児の運動すら十分に説明できません。そのことは、実際にロボットを作ってみればわかります。



本田技研工業のアシモはもっともよくできた二足歩行ロボットだと思いますが、3歳児の鬼ごっこなどの動きは、これよりもはるかに滑らかで高度な動きです。


ローカル・ルールと神経系の役割

一方で、人間の姿勢は、局所局所の関節運動の総和です。

個々の関節は局所の運動エネルギーに反応して動いています。はたして両者のアルゴリズムに衝突がおこったらどうなのでしょうか? 実際、このような観点から説明できる身体の故障が、少なくないと思います。


とくに関節のためのコントロールが、神経の電気的なエネルギーによって支えられていることは重要な点です(※筋肉は、脊髄からの電気的な刺激がないと働けません)。

神経の電気的なエネルギーは、関節運動の物理的エネルギーを生み出す筋肉の活動単位か活性化する引き金です。より大きなエネルギーを発揮するためにはより多くの活動単位を駆動する必要があります。

したがって、関節運動の物理量は神経の電気的なエネルギーに比例します。

神経系の事情により力が入らない関節や緊張状態が解除されない関節が生まれることがしばしばあります。

たとえば風邪で高熱が出ているときなど、間接に力がないらなくなります。熟睡しているところを無理やりたたき起こされても、同じことが起こります。

神経系はそもそも運動制御とは異なるアルゴリズムで動いています。

哺乳類という生き物は、体温をこまめに調節して、外気温に影響されることなく運動することができる生き物です。じつは、このために独特な神経機能を持っています。胸髄から腰髄にかけて側角という領域が発達しているのです。



わたしたちの身体は、たえず36度前後の温度に加熱された状態にあります。もし加熱することを止めれば、体温は外気温と平衡状態になるまで低下します。

仮に体重を50kgとするば、これを一定の温度に維持しておくためには大きなエネルギーが必要です。そのための多くのは、筋肉の働きによって生み出されます。

神経系が血管をコントロールし、筋肉に供給される酸素・糖分の量を調節します。その結果、筋肉の活動レベルを変化させることができます。

このように筋肉は、自律神経の影響下で、姿勢制御のグローバル・ルールとはまったくアルゴリズムで活動することも求められているのです。
(つづく)

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