特別区設置住民投票の結果に思う。 | そして神戸・新館

特別区設置住民投票の結果に思う。

特別区設置(いわゆる都構想)の賛否を問う、大阪市の住民投票が昨日実施され、僅かに反対票が上回る結果になった訳ですが…


自分は兵庫県民ですので、投票権はありませんでした。

でも、大阪の将来というものは関西の将来をも左右しうることであり、決して無関心でいられる訳ではなく自分なりに当事者意識を持っていたつもりですが、もし自分が投票していたら「反対」と書いていましたので、この結果には安堵したというのが正直な気持ちです。


ただ、反対派の主張や行動にも疑問は多く、強いて言えば「賛成出来なかった」というのが自分の気持ちとしては一番近いでしょうか。


自分のTwitterやブログ等を前から読まれている方は、もしかしたらご存知かもしれませんが、自分は橋下徹という人が大嫌いで(笑)。

当初は、それが大きな理由としてずっと反対していました(とても短絡的な理由ですがあせる)。


ところが、自分が選挙や政治というものに関わることになった。

それも、旧日本維新の会の政治家さん目

昨年の維新分党で次世代の党所属になりましたが、それまでの経緯上、陣営と関わりがある方にはやはり維新に近かった方もいらっしゃった訳で、そうした方からの主義主張を聞くことが出来ました。


また、かつては橋下氏とともに教育を考えるプロジェクトを立ち上げ、方向性の違いから選挙で維新と戦うことになった政治家さんとも関わることにもなり、「都構想」に関して、賛否両論から考えるきっかけに恵まれたんですよね。


そうするうち、橋下氏が嫌いだから(笑)とかいう短絡的な理由ではなく、自分はこの構想案の中身、及び住民投票の意義やそこに至る手法や経緯、いろいろと疑問を抱くようになりました。


1橋下氏が特に得意とする戦法ですが、「橋下さんだから」「何かが変わりそうだから」「反対派は大阪の将来なんて考えていない」…このような善悪二元論のような構図でイメージ先行型の投票になりつつある。

→構想案そのものの中身を議論し評価する以上に、イメージ先行になり得る現状で街の将来を審判することは極めて危険。


2この構想案(修正が加えられたもの)で、本当に二重行政を解消できるのか?

→二重行政を解消するための「都構想」(本来の構想)を賛成する人こそ、この不十分な構想案に妥協することなく「反対」票を投じるべきではないか?


3一度解体してしまえば、もう後戻りは出来ない。

→こんな強引な手法で都構想を推し進められるよりも、この構想案に不安を持つ方々と謙虚に向き合い、もっと多面的で幅広い議論を重ねるべきではないか?


3主義主張が違う自民と共産と民主が結託して反対を訴える状況にも疑問。

→結局党利党略や、既得権益のために反対している連中もいる。


4「反対派は大阪を変える気が無い」というのは大きな誤解。

実際には「都構想」(本来の構想)なら賛成するが、この不十分な中身では大阪を変えることは到底無理…という、頭ごなしの反対ではなく、大阪の将来像を考えるが故に「賛成出来ない」という方もいる。


ということで、自分のスタンスもこの「賛成出来ない」に近いものだった訳です。


で、投票結果は、僅かに反対票が上回ったとはいえ、これだけ結果が拮抗したというのもまた事実。

賛成派・反対派の子供だましのような議論、意に反する勢力を敵に仕立て上げ手段を選ばず圧力をかける独裁的手法にうんざりし、いろいろと後味が悪い住民投票でした。


今回の結果には大きな遺恨も残るでしょうが、何らかの形で大阪の将来像を考えないといけないということは、賛成派・反対派意見は違えど、双方ともに感じたことでしょう。

昨日の結果が、本当の意味でみんなで次の大阪像、いや関西像を考える節目となった、そうあって欲しいと願うばかりです。




主張を生で聞いておきたいと、投票日前日には反対派(自民党大阪府連)、賛成派(維新、橋下&松井氏登場)双方の「最後の訴え」を聞きに行きました。

(選挙と違い、投票日当日の活動が出来るため厳密にいえば「最後」ではありませんが…)