エコ・ブログトップへ スマイル・エコ・プログラム
生きていると、いろんなことがある。うれしいとき、悲しいとき、楽しいとき、辛いとき、、、

人間は様々な経験によって成長するんだと思う。机に向かって勉強していることで知識は得られるかもしれないけど、本当にそれがどういう意味を持っているのかは経験してみないと実際のところはわからない。痛い思いをして、初めて気づくこともあるし、一生懸命に頑張って、ようやく1つのことを成し遂げたときに、みんなから感謝されることだってある。

LIFE IS BEAUTIFUL

そういう風に言えるように、今日も僕は生きてます。

第六話:「たかが電話でしょ?」

テーマ:日記
November 20, 2009
10月16日 午後20時 @新宿居酒屋

今日は、前の会社で同期だった長谷川と島田との飲み会だ。僕が転職してから1か月経ち様子が知りたいようだ。というか、おそらく化粧品会社っていうものがどういうところなのか興味があるらしい。どーせ、最終的には女を紹介しろってことで終わりそうだけど。。。

研修の身分だから、残業もなく時間通りに居酒屋に行くと、すでに2人も集まっていた。

「なんかお前が時間通りに来るって少し違和感あるな。」

「確かに(笑)」

「そうだね、転職するとこんなに大きな変化があるんだよ(笑)。」

前は、仕事が終わらなくて、ひどいときには飲み会にさえいけなかったことがある。それがこうして時間通りに行けるんだから、それだけでも大きな変化だ。

「とりあえず、乾杯しようっか。」

長谷川がいつものように生中を3つ頼み、乾杯した。それにしても、思えばこうして集まったのは久しぶりだ。会社を辞めた日も結局、長谷川も島田も仕事の都合がつかなくて、何もできずに終わってしまった。なので、今回は、転職祝いも兼ねての飲み会ということで長谷川が主催してくれたんだ。

「まずは、おめでとうだよね。どう、職場は?」

長谷川は、グラス片手に一気に飲み干した。

「相変わらず、ペース早いな。職場は、そうね、女性が多いって聞いてたけど、実際働いてみると、やっぱ驚くね。今は、男は僕1人しかいないから、環境の変化に対応するので精いっぱいってところ。」

「えっ、男1人なの?それって結構つらいな。いろいろと大変そうだな。」

「今まで、経験したことのないことだからね。毎日、定時には帰れてるから体力的には疲れてないはずなんだけど、家帰ったら、めちゃくちゃ疲れてるんだよね。最近、寝つきがよくて(笑)おそらく、環境に慣れてないのと変にいいろと気を使っているからかもしれない。」

「でも、前よりは良かったろ?」

島田もすでに2杯目に入った。この二人、ビールのペースが早すぎる。水のように飲んでいる二人をみて、僕はいつも呆気にとられてる。

「まぁ、まだわからないけど、今のところはね。毎日、お客さんから電話かかってきて、注文取ってる。」

「っん??」

2人が同時に唸った。島田が神妙な面持ちで僕に聞いてきた。

「お前さ、今、何やってるの?」

「コールセンターでお客さんの注文を電話で取る仕事。」

「もしかして、コールセンターで採用されたの?そんなはずないよな、だって、前の仕事は経理だったんだから。」

「もちろん、経理で採用されたんだけど、今は研修でコールセンターで働いているんだよ。でも、結構面白いよ。」

「だよな、研修だよな。まさかコールセンターが本業だったらねぇ。バイトみたいな仕事なんだから、それいつまでやるの?」

「たぶん、2か月ぐらいかな。」

「そっか、早く終わるといいな。だいたい、経理やりたくてその会社入ったんだろ?」

「いや、まぁ、そうだね。自分にはあまり接客とか向いてないと思ってたから。」

「早く終わるといいな、それ。」

島田も長谷川もどーやらコールセンターの仕事を僕がやっていたことが信じられなかったようだ。というか、そもそもコールセンターなんかの仕事なんて何でやってるの?ぐらいの感じだった。確かに、前の会社のイメージを2人は持っているから僕がコールセンターで働くなんて思えなかったのかもしれない。僕が入社した時、いきなり経営の上層部に抜擢されて、新入社員でありながらいろいろと現場に指示を出したり、かなり強権的なこともやってきた。僕も新人でありながらも、実力があれば上も下も関係ないと思い込んでいて、ある時には、年配の方と対立したこともあった。自分が正しいとは思わなかったが、会社にとって何がメリットなのか、それだけを考えて常に動いていたつもりだった。実は、それはまだまだ自分が青かったことを証明していたことにもつながるのだけど。そんな人間がコールセンターでお客さんと会話している光景が想像できなかったのかもしれない。

「しかし、よくそんな仕事してるよな。俺だったら、すぐに辞めちゃうかもしれないな。」

「そうか、コールセンターって結構面白いぜ。」

「確かに、1日か2日だったらいいけどさ。そんなに長くいて、何か学べることでもあるのか?なんか時間もったいない気がするよ。だって、パートやバイトでもできるぜ、あんなの。たかが電話でしょ?」

長谷川はどうも、コールセンターの仕事は大したことはないように思っているらしい。島田も頷いているところをみると、同意見のようだ。僕は、いろいろ言いたいこともあったが、ここはあえて合わせていった。

「そうだな、まぁ、すぐに終わるみたいだから今は環境に慣れることと、定時に帰れて時間があるから、経理の勉強でもしているよ。」

「また、異動したら詳しく話聞かせろよな。中小企業の経理や経営ってどんなものなのか知りたくて。」

「あぁ、それより長谷川と島田は、どーなんだ?仕事のほうは?」

2人はあるプロジェクトが先月終わって、今月は時間があるらしい。そのプロジェクトは、ある大学のスーパーコンピュータの開発、設計、運用で、従来の演算機能をあげることで自然界で起きているあらゆる現象を計算することができるものらしい。僕のつたない知識によると、自然界で起きる現象を数式で表し、それを何億通りも計算することで例えば、地球温暖化やエルニーニョ現象、南極の氷解の割合などを研究することができるらしい。

あのプロジェクトは、確か受注額が30億とか40億とか言ってたし、新聞にも報道されたから相当話題になった。あんなものが大学に必要なのか僕にはよくわからないが、何でも世界中で一番早い演算能力を持つものを大学が手に入れたということで、研究の飛躍・発展が期待されるとのことだった。

僕も、長谷川と島田に負けないくらいビールをたらふく飲んで、2人と別れた。2人とも元気そうでよかった。仕事もそこそこ楽しんでいるようだし、プライベートも充実してるようだった。なぜか、女を紹介しろって言われなかったのに僕は内心、驚いたが黙っていた。後で言うと、面倒になりそうだったから。

それにしても、今日の夜の空は寂しいほど暗い。新宿の空は星が一つも見えない。

「たかが電話でしょ?」

ホントにそうなのか?僕には、そう思えなかった。たぶん、長谷川も島田もあの現場を見たことがないからそういったのかもしれない。僕もきっと見てなかったら、そんな認識でいたのかもしれない。単純で地味な仕事ほど、軽く見られている。そして、誰でもできると思われている。

しかし、僕はそれは違うと思った。そして、そう思ったのは自分がそこで働いているから気付いたことなんだ。単純で地味な仕事に見えるかもしれない。だれにでもできるように見えるかもしれない。

しかし、それは、あくまでも「そう見える」だけ。実際のところは、わからない。そして、「たかが電話」を受ける仕事が今の会社にとって、どれほど重要なことか。

僕は、なんとなく釈然としない気持ちを胸に、新宿の空を眺めていた。

第五話:「コールセンター日和」

テーマ:日記
November 17, 2009
10月7日 午前10時@8階オフィス

僕は、今日もコールセンターでお客さんからの注文を待っている。今日は、注文が多くてまだ1時間も経っていないのに、15件以上は電話を取ったかもしれない。キャンペーンで多くの化粧品が少し安くなっているからかもしれない。

まだ、言ってなかったかもしれないけど、僕は化粧品会社で働いています。しかも、今はコールセンターで研修中の身分でありまして、会社に入ってようやく1カ月経った感じなのです。

こんな不景気によく転職ができたのもだと自分でもびっくり。こればっかりは、縁だったのかなって今でも思う。転職活動しているときは、まさか自分が化粧品会社に勤めるなんて夢にも思わなかった。自分とは関係ない世界だったし、前の会社は大手電機メーカーだったから、全くつながりなんてなかった。だけど、こうして働いているわけだから世の中何が起こるかわからないね。

そんなわけで、僕は晴れて化粧品会社に転職することができた。内心、ほっとしたし、とにかく働く場所が確保できたことだけでうれしかった。化粧品ってどんな雰囲気なのかいまいちよくわからなかったけど、少なくとも前の会社よりは、環境が整っているようだったから、安心していた。

ただ、一つを除いては。。。

「ねぇ、ちょっといいかな?これ見てほしいんだけど。」

SVの坂井さんが僕のところにきて、1枚の紙を渡した。ちなみに、SVとはスーパーバイザーのことだ。現場の管理者であり、責任者みたいなものだ。

「はい。」

僕は、電話が入らないように離席ボタンを押して、渡された紙をみた。そこには、CS検定受験の案内と書いてあった。

「今度、CS検定っていう試験があるんだけど、それに林くんも受けてほしいと思って。もちろん、受験料は会社負担だし、試験は会社内で行われるから、これってすごくチャンスだと思うよ。興味があったら、受けてみて。返事は、来週までにお願いね。」

「はい、わかりました。ありがとうございます。」

それにしても、坂井さんの笑顔には癒されるなぁと僕は、渡された紙とは全く関係ないことを考えていた。一体、いくつなんだろう、年齢不詳だ。そもそも、このコールセンターで働いている女性は年齢不詳が多すぎる。たぶん、自分より10歳は上なんだろうと思っていたら、20歳も上だったり、中には自分の母親と同じ年齢の女性もいた。さすがにそれにはびっくりして、働いていると若くなると本気で信じてしまいそうになる。

僕の見る目がないって言われたら、その通りなんだろうが、働いている女性は見た目以上に若く見えると僕は思う。みんな、充実感や達成感があるようで、笑顔で応対している様子は、とっても気持ちがいい。それがおばさんであろうと、母親であろうと関係ないね。

中には、僕と同じぐらいの20代もいるみたいだけど、多くがパートさんで構成されていて、みんな家庭を持っている主婦でもあるわけだから、30~40代が中心のようだ。

ちなみに男は僕1人。だから、みんな僕を息子のように思ってくれて、すごく優しく接してくれる。前の会社にはなかった暖かい人の感情に僕は思わず心打たれる毎日でもあった。

ふと、もう一度渡された紙を読んでみた。CS検定…。顧客満足度??

「実技と筆記を通じて、あなたの顧客満足のスキルがどれほどなのかを試験するものです。ベーシック、プロフェッショナルスペシャリストとランクがありますが、今回みなさんには、ベーシックを受験していただきます。」

と書いてある。詳しくは、http://www.cs-kentei.jp/

「なるほど、面白そうだから、受けてみるか。それに、この研修の成果を出すためにもこれに挑戦することは悪くない。」

僕は、ひとまず受験することを決意して、離席ボタンを解除した。するといきなり電話が鳴ってくる。

「今日は、100件ペースかな。」

僕は、ちょっと憂鬱になったが、CS検定という目標ができて、ちょっとやる気が出てきた。たくさん電話に出ることでスキルが少しでも上がるかもしれないと思ったからだ。

そういえば、受験日っていつだったっけ??

1日の業務を終えた後に、坂井さんに受験することを伝えて、そのことを聞いた。

「あらっ、ちゃんと読んでないの?ここに書いてあるじゃない。1か月後よ。」

「1か月後ですか、あまり時間がないんですね。」

「大丈夫、2週間前に直前セミナーをやっていただけるから、それにちゃんと出席して勉強すれば合格できるわよ。あっ、そうそう、この直前セミナーって必須だから、必ず予定空けておいてね。じゃないと受験できないから。」

「わかりました。何か対策とか事前にやっておけることってないですか?」

「そうね、今はたくさん電話に出て慣れることが重要よ。林くん、最初は、お客様に敬語を使ってもとてもたどたどしかったよね。今は、とてもスムーズに言えるようになってきたし、あとはお客様へエクセレントフレーズや気遣いの言葉がかけられるように頑張らなきゃね。」

「気遣いの言葉ですか?」

「そう、お客様のことを思っていれば、自然に出てくるって思われがちだけど、これも意識してないとなかなか言えないものなの。今度、時間があるときに教えてあげるわね。それまでに、基本的な敬語はばっちり身につけておいてよ、それができなきゃ、まずは失格よ。」

「わかりました、よろしくお願いします。」

僕は、この後、コールセンターの仕事の奥深さに気づくことになる。

第四話:「いわゆる草食系:後編」

テーマ:日記
November 14, 2009
すでに、開始して20分も経ってないのに、女性たちはすでに出来上がっているのかと思わせるくらいのハイテンションだ。こちらも負けじと焼酎で何とかこのノリについていく。

お決まりの自己紹介は簡単に済ませると、いきなり僕に食ってかかった。それにしても、どうして女性が3人いるのに、男は2人しかいないんだ??田中の迷幹事ぶりがここにも発揮されていて、もはや合コンではなく、単なる飲み会になってきた。しかも、女性が全員年上っていうのもどーなんだ??後で聞いたら、女性たちは「年上」の男性を紹介してくれるってことで開いたらしい。田中よ、お前は何でもアリなんだな(笑)

「どういう女性が好みなんですか?」

うわっ、いきなりのストレート。でも、嫌いじゃないよ、こういうの。

「そうですね、思いやりがあればいいです。献身的な女性って感じですね。」

僕は、この場の雰囲気に合わない極めてまじめにお返ししてやった。

「そーなんだ、芸能人でいうと誰になる?」

そんな芸能人なんてし知らねーっ。適当にごまかそうとするも、意外と
しつこく聞いてくるから、仕方なく、

「優香」

って答えてやった。以前、友達からとりあえずそーいう質問が来たら、「優香」って答えておけば大丈夫と教えてくれた。なぜ、「優香」と答えることが安全なのかよくわからなかったが、ここで実証されてしまった。

「へぇー、優香なんだね。あのこ、いいよね。」

いいのかよっ、と思わずツッコミそうになったけど、ぐっとこらえて会話を楽しむことにした。

それからしばらく仕事の話しや好みの話しが続き、あっという間にお開きに。

会計を済ませて、駅に向かい、「今日は楽しかった、また機会があったら飲もうね。」のお決まりのセリフで幕が下りた。

田中と僕は帰りが同じ方向だったので、電車の中で、今日の反省会を行った。ひとしきり、反省しきったところで、田中が突然、僕に聞いてきた。

「おまえは結婚しないの?」

「なんで?何の脈絡もなくいきなりなんだよ(笑)だいたい、相手がいねーよ。」

「そっか、いや、俺の周りじゃみんな結婚してるし、てっきりお前もそろそろ結婚するんじゃないかって説が巷では流れていたからつい聞いてみたんだ。」

「おいおい、なんだその説は、誰がそんな根も葉もないことを流すんだろう。まぁ、彼女いたら合コンなんていかないよ(笑)」

「おっ、意外と真面目なんだな。別にいても行くけどな、俺は」

さすが、田中先生は人間が違うな。

「でも、なんで彼女作らないんだ?その気になれば、できるんじゃないの?」

「よく友達からそーいうこと言われるけど、別にその気になってもできないよ。世の中、結構うまくいかないもんだ。」

「そーかなぁ。お前、草食系だからな。自分からいくことなんてないんじゃないか?」

「いや、あるさ。でも、本気にならないと自分からはいかないし、だいたい、興味さえ持たないからな。中途半端に付き合って、ちょっと気まずくなったこともあるからあんまりね…。僕にとって恋愛ってのが結構難しくて。しばらくは、1人で過ごそうって決めたんだ。1人暮らしも始めたしね」

「ふーん。まぁ、恋愛に関してはみんな難しいって思ってるんじゃないかな。でも、お前、ホント草食系だな。何でもいいから、付き合ってみろよ。」

「・・・、しつこいぞ(笑)」

僕は、軽くいなしたつもりだったが、田中は、急に黙ってしまった。僕が何か悪いことでも言ったんだろうか。電車は、酒に酔った若い男どもと、席で居眠りしている中年男性、携帯電話で夢中になって話しているOLと、窓の外をじっと見つめているニット帽をかぶって、IPODを聴いている若そうな男。みんな、それぞれ自分のことで精一杯で周りが見えない、そんな雰囲気が漂っている。そして、みんな、疲れている。何に疲れているのかわからないけれど、疲れている。

「未来」を信じることに不安を感じる時代に、僕たちはほかに何を信じていけばいいのだろう。この不安定な時代に確かなものなんてあるんだろうか。

ふと、そんな思いにとらわれる。電車は、同じリズムでレールを走る。

「ガタン、ゴトン。」

田中は、なぜか黙ったままだ。僕も、別に話すことはなかったので、品川駅で降りるまでそのままだった。

品川駅について、駅から降りる僕は、田中に今日のお礼を言って、別れを告げようとした。田中も笑顔で「また、よろしくな。」と言った後に

「まっ、いろいろあるんだろうけど、落ち着いたら、彼女作れよ。」とアドバイスをくれた。

「りょーかい。」

僕は、警察官の敬礼をまねて、田中と別れた。田中は、ほかにも何か言いたそうな感じだったが、あきらめたようだった。僕も特に気にならなかったので、その後深く追求しなかった。でも、今になって田中はおそらく僕が恋愛をあまりにも軽視しているように感じたのかもしれない。確かに、あの時、僕は恋愛に対して、ちょっと面倒くさくてどうでもいい感じに思っていたから。

いわゆる草食系。僕は、そんなレッテルを張られて世の中からみられているのかもしれない。別に、何でもいいさ。僕は僕なんだから。

あなたもエコ・ブログでブログをつくりませんか?