そらねこカフェ・店主ゆぎえみ・そらねこ会ブログ

そらねこ会は、『今ある命を大切に、不幸な命は増やさない』をコンセプトに活動している猫ボランティアチームです。


日々の思いを書いてます。


テーマ:



写真はちゃーです。今も元気いっぱいで毎日いたずらばっかりしています。




私が書いた、夕焼けトラックというお話のモデルになったにゃんこです。

作家のえみこ・Tさんが書きおろして下さった挿絵がすごくかわいかった。



そう言えば、えみこさんも茶トラのにゃんと暮らしていて、にゃんの体調が悪いと聞きました。


その後回復に向かっていることを祈ってます。






先月、しるおと言う、変な名前のうちの猫を亡くしてから、私もとてもつらい日々でした。

物言えぬ小さな命と向き合うことはしんどいこともありますが、何より大切な想いが残ると、そう思える日がくると(自分に言い聞かせて)思っています。









『夕焼けトラック』




おいらは猫。

桃畑の中にある農機具小屋でくらしているんだ。


前はかあちゃんといたのに、かあちゃんが帰ってこなくてなって、それからずっとひとりでいる。



長い冬が終わるころ、おいらは風邪をこじらせて、小屋のすみっこに丸まっていた。
もう何日も狩りにもでてない。

かあちゃんを思いだしたのは久しぶりだった。

母ちゃん、どこへいったんだろ?

ガサガサって小屋の戸が開く音がした。
けれどおいらはもう動けない。

母ちゃんかな。
だって母ちゃんの匂いがする。

おいらが目を開けると、お皿にミルクがおいてあった。

ぺちゃぺちゃぺちゃぺちゃ。

ミルクを飲むと少しあったかくなってまた眠くなって、おいらは朝まで眠り続けた。



目が覚めて小屋からでて見ると、人間のじいちゃんが畑でのら仕事をやっていた。

春の日差しがぽかぽかで、ちょっと暑いくらいの陽気だったから、おいらは久しぶりに伸びをした。

じいちゃんは、おいらに見られていることも知らないで、お茶を飲んでひとやすみ。



じいちゃんのそばにいくと、ビスケットがひとつあった。

『ちゃーぼうのぶんだ』

じいちゃんが言った。

ちゃーぼうって誰だ?

まあいいや、食べちゃえ食べちゃえ。

ガリガリガリガリ。

ビスケットは少し甘くて、やっぱり母ちゃんの匂いがした。

お昼をたべると、じいちゃんは日かげで横になったから、またこっそりそばにいった。

煮干しと小さいおにぎりがあった。

『ちゃーぼうのぶんだ』

誰だ?ちゃーぼうって。

良くわからないけど、おにぎりと煮干しを食べて、おいらもひとやすみした。

わらの上でお昼寝したら母ちゃんの夢をみた。



次の日も、次の日もじいちゃんはのら仕事にやってきた。

おいらはビスケットと煮干しとおにぎりを食べてすっかり元気になってきた。





『じいちゃん!』

夏のある日、おいらは勇気をだして呼んでみた。

『なんだい?ちゃーぼう。お茶の時間はもう少し先だ』

ちゃーぼうっておいらのことか?!

ちゃーぼう。

おいらはちょっと照れくさくなって、わらの上で寝たふりをした。



たくさん葉っぱをつけた桃の木が、日陰になって気持ちいい。


みんみんゼミが鳴いていた。


桃のしゅうかくが始まると、ばあちゃんも手伝いにきた。

お茶の時間になるとじいちゃんとばあちゃんがひとつずつビスケットをくれた。


『おまえがちゃーぼうかい?よろしくな』
ばあちゃんが、おいらの背中を何度もなでた。

かあちゃんみたいだ。


おいらはふたつもビスケットを食べてはらいっぱいだ。

ひとつかあちゃんに食べさせたいな。


夕方、じいちゃんとばあちゃんはトラックに桃をいっぱいのせて帰っていく。

『ちゃーぼう、またあした』

『じいちゃん、ばあちゃんまたあした』

おいらはちょっぴりさびしくなった。






秋になって桃の葉っぱが落ち始めると、畑の仕事はそろそろおしまい。



暗くなるのも早くなってきた。



じいちゃんが畑の小屋に、フカフカの毛布をしいてくれたから、おいらは毛布にくるまってねた。



母ちゃんといるみたいだったけど、おいらはとてもさびしくなった。



じいちゃんは毎日おいらに会いにくる。

じいちゃんがくると、おいらは葉っぱのついてない桃の木に登ってみせるんだ。

『ちゃーぼうは木登りが上手い上手い』


じいちゃんが喜ぶから、うんと高く登ってみせた。

木の先っぽまで登ったら、まっかな夕焼けがよくみえた。



とおくで誰かが手をふっている。


『ちゃーぼう、ちゃーぼう』ってよびながら、誰かがこっちにやってきた。



ばあちゃんだ!



『ちゃーぼう、うちにおいで。じいちゃんもその方が安心だから、うちでくらそう』



おいらがじいちゃんとばあちゃんちにいくのか?


『いやか?ちゃーぼう』


ばあちゃんがおいらをだきあげた。


ばあちゃんもなかなかあったかい。



『冬はいっしょにこたつに入ろうな』



じいちゃんが言った。



いいよ、おいらじいちゃんちにいくよ。


春になったら、じいちゃんとばあちゃんを連れてまた畑にこよう。

それまでじいちゃんとばあちゃんちでくらすよ。

おいらはばあちゃんにだっこされて、じいちゃんのトラックにのっかった。








かあちゃん、おいらは元気でいるよ。



かあちゃんも元気かい?



おいらはかあちゃんのことを忘れたりはしないけど、じいちゃんとばあちゃんも大好きになってきたよ。



かあちゃんのこと忘れたりしないけど、おいら、もうさみしくないよ。



かあちゃん、じいちゃんのトラックは夕焼けの匂いがする。



夕焼けのそばにうちがあるらしい。




かあちゃん、おいらちゃーぼうっていうんだ。



かあちゃん、おいら元気だよ。







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