とにかく、みんな楽しそうである。
堀江元社長、現容疑者逮捕。
ヒルズの豪邸からわずか三畳の独房へ。
時価総額世界一の夢が、一夜にして一文無しへ!!
嗚呼悲劇の転落人生!!
とにかく、言いたい放題である。
こずるく立ち回って、いいようにお偉いさんを手なずけておけば、ここまでいじめられることもなかった。
しかしこのいじめられようをみると、
この人、ほんとに直球で生きてきた人なんだなあ、という感慨すら浮かぶ。
まさに、金だけあってもしょうがない、戦中のような状態。
奇しくもライブドアショックの四日ほど前、サンデージャポンを観た。
30億円で購入したばかり(確か去年の十月!)の自家用ジェットに、青木裕子アナウンサーを乗せて(正直このひとはほんとにアナウンサーか?と疑りたくなるぎりぎりの女性に見えるがどうだ)商品の買い付けに出かけていた。言わなきゃいいのに、つうか放送しなきゃいいのに、逮捕後のワイドショーで、
女の子も乗ったんですか?
と青木が聞き、
まだですけど・・・・うしろ、扉が閉まって、ソファを倒すとベッドになるんですよ。
なんていう、通常なら聞き流すような台詞をお茶の間に流し、
彼は、絶頂だった
・・・・このナレーション、どうよ?
以前ここでも書いたけど、このひとのボキャブラリー、変と思ってた。
草葉の陰から・・・
とか
すべて想定の範囲内
とか
自分は人寄せパンダですから
とか
あげく自分のことホリエモンと呼ばせて。じゃなかった呼んで。
こんなことだから、いまああして執拗にいじめられてるわけじゃんかって話。
彼という人のなりたちの内訳の大半は単なるパフォーマーだったといえるわけだけれど、びっくりするような提案をして好きなように立ち回って三年後には時価総額世界一とか豪語する型破りさと、いい大学でてるわりに英語がまるきしだめだったり、妙な言語感覚でマスコミに不平をさらしたりするという、株価操作のためのパフォーミングとは一見無縁の、無防備すぎるほどの無防備さの両極のバランスによる不思議な魅力(とでも言えばよいのか)であったはずだ。
彼のやりたかったことがわからない、とコメンテーターはそろって渋い面構えで語るが、そんなのわかりきったことじゃないか?
彼はやりたいようにやっただけだ。
野球チームが欲しいなあ。あれ?なんかこれ、よく考えたら買えそうじゃん?
フジテレビおもしろいなあ、自由に使いたいなあここ。あれ?これもまたちょっと頑張れば買えそうくない?
金があればなんでもいいのか、とおとなは言う。
しかーし、である。彼はそんな極悪非道な人間じゃない。子どもが、
イチローみたいなプロ野球選手になりたい。
という夢を抱く延長線上に、それはあった。
でも誰も、金があればフジ買えるじゃん?
そういう発想がなかった、それだけだ。
言うまでもないが、彼は別に改革者ではない。夢を持てばまあある程度は叶う。不可能はない。
世の中でまことしやかに囁かれる「勝ち組」になるためのノウハウ、それを体現したある見本である。そして残念ながら、かつてカリスマ美容師隆盛のまっただなか、無免許カリスマが逮捕されたことでカリスマ美容師がこの世から抹殺されたように、IT勝ち組も抹殺される危険にさらされている。世の中なんてそんなもんだ。そんな風に、簡単に右へ行き左へ行くだけ。
でも大体、勝ち組ってなに?勝ってたった一割のひとになって、ヒルズに住んで、それがなに?
ひとはときどき、得たものより多くのものを失う。
そんな人生、ごめんだ。まじで。