【買い物カゴを覗く老女】
相変わらず、パワーの出ない今日を
ただ、雑用の為に費やすのか?と思うと虚しくなる・・・。
毎朝の如く、朝食の支度をし家の主(あるじ)を駅まで見送り
子供を起こし、朝食を一緒に食べ、マンション前での集団登校を見送る。
その後、洗濯物干しを済ませ、主(あるじ)のスーツをクリーニングに出しに行く。
借りていたレンタルDVDを返却する為、車に乗り開店前のTSUTAYAに到着。
DVDを返却BOXに入れ、オープン前の入り口でバッグからジャン・コクトーの
『ぼく自身、あるいは困難な存在』を取り出し、しばし読書に浸る。
開店まもなく、戸惑うことなく邦画のコーナーへと足が向かう。
借りたのは、2003年モノ須永秀明監督・永瀬正敏主演。『けものがれ、俺らの猿と』
それと、1998年モノつげ義春原作・石井輝男監督・浅野忠信主演『ねじ式』確か、随分昔に一度見た作品。
最後は、昨日影響を受けたキム・ギドク監督作品『うつせみ』
本来借りる予定だった『かまち(山田かまち)』の映画、新規契約はレンタル4本までと定められていたのを忘れていた為キャンセル。(ちび豆がウルトラマンを借りているから)
私はどうやらパワーがない時は、やたらと映像が見たくなるらしい。
そのまま車をスーパーに走らせ、木曜市に向かう。
野菜や果物、魚や肉なぞを物色しカゴに入れレジに並ぶ私。
レジの店員が手際よくレジ打ちしながらカゴからカゴへ移す様を、
後列に並ぶ綺麗に着飾った老女2人が覗き込むように見つめる。
そうマジマジと物色するか?と思うほど
『今の若い子はどんなものを買うのか?』などと、思い見ているのか?
勝手な妄想。
なんだか、その光景を見ていて無性に其処に居る自分が只タダ虚しくなってきた。
お買いものバッグに移し変え、スーパーを出る。
まばゆいばかりに、外は雲ひとつない快晴。
ギラギラと光を浴びる。
とてつもなく虚しさを感じる。
老女2人の顔が脳裏に焼きついて離れない。
外は、こんなに晴れていると言うのにだ。
無性に胸が締め付けられる思いだった。
何気ない日常。ありふれた光景の中
あたりは、親子連れの買い物客や何気ない人の群れの中に居るだけなのに・・・
あまりにも太陽の光が眩しすぎたのか?
今目に映る光景は、自分が選んで見ているモノ
そのありふれた日常が、いやおうなく自分の胸を締め付ける
ダメだ・・・あたし。。。
心がむずがゆい。
このままじゃダメになる。
未だ、パワーの出ない歯がゆさが更に追い討ちをかける
長いトンネル・・・未だ抜け出せてないのかな。
只タダ、虚しさと胸の苦しさだけが残ったありふれた木曜日の正午だった。