園山一家の幸腹(福) -3ページ目

あげものでつけもの?!

春を感じたかと思えば、今日は大雪雪
季節の変わり目のお天気は激しいですね。

2月の園山メニューは、最後の月ということで、うちらしいお料理が満載です。

その中の一つがこちら。
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揚げ物二種です。

春巻きとかき揚げの盛り合わせですが、二つに共通しているのが「お漬物」。
あげものでオツケモノ?と初めての方は少し驚かれるかもしれませんが、これが合うんです!ニコニコ

春巻きには、秋田のお漬物「いぶりがっこ」とクリームチーズを合わせたフィリング、チーズ、大葉、そしてリンゴを巻いて揚げています。
さっぱりしたリンゴの風味に、いぶりがっこの深みある燻製の味。
何本でも食べられちゃいそうです笑。

かき揚げは、炊いたコンニャクに春らしく空豆、そして東京のお漬物「大根のべったら漬け」を合わせています。

お酒の肴に漬物を食べることは多いですが、漬物以上にお酒が進んじゃう一品ですにひひ

暦の上ではもう立春。
春はもうそこまで来ているのでしょうか。

春が待ち遠しい、山口でしたチューリップ赤

人生の縮図



蕗の薹に桜の葉・・・

冬の名残を感じつつも、厨房内は、もうすっかり春の香りです。


中でも、栃木っ子としてはたまらない香りがコチラ。



$園山一家の幸腹(福)



そうです。


$園山一家の幸腹(福)


です。




苺が入った紙袋を両手で抱えて、思いっきり息を吸い込むと、
甘酸っぱい香りが細胞の隅々まで瞬時に行き届いて、一気に幸せな気持ちに!


袋を抱えたままそわそわして、
もう一度香りを楽しんで、もう一度楽しんで、さらにもう一度・・・
(ああ、こんなことしてると仕込みが間に合わなくなる。。!)


後ろ髪ひかれる思いで煩悩を必死に抑え、苺を手放してから少しすると、
初々しかった香りにプラスして、なんだか大人なしっとりした香りが漂ってきましたよ。



$園山一家の幸腹(福)




苺のソース!
春の贅沢の極みじゃないですか!




溢れんばかりのフレッシュ感の面影も残しつつも、
思わずドキッとしてしまうような大人の表情。
ベースがピュアだからこそ、出てくる色気に強さと健気さが感じられるのでしょう。



美しく変化を遂げた苺を見ていると、
なんだか胸がじんわり温かくなって、成長を見届けた母親のような気持ちになります。


そんなに綺麗になって、美味しくなって・・・
みんなに喜んでもらえるといいね。
さあ胸を張って、いってらっしゃい!

というような心境です。





食材が手をかけられて変化するように、
人も変わるし、
時代も変わるけれど、
ひらひらいろんな表情を見せる変化の穂先の根底には、
やっぱり変わらないベースがあります。


素材を知ること、愛することと、
人に対するそれとは、
やはり共通する部分がたくさんあるなぁと、
キラキラ光る苺の原石と、美しく生まれ変わった妖艶なソースを見比べながら、
改めてしみじみと思ったのでした。




料理って、人生の縮図みたいですね。




五味渕かぐみ






ゴボウだって、ケーキになりたい

先日、スタッフと

「これが最後の・・・なんて言葉が、いよいよ頻繁に出るんだろうねー」

なんて話をしていました。


いつもと同じ作業や風景が

とても愛おしく思える毎日です。




そんな、最後の月の

コースの最後にお出しするデザートは


シフォンケーキです!


間近に迫ったバレンタインデーに因んで

ココア入りにしてみました。


園山一家の幸腹(福)


見た目には分かりませんが・・・

実はもう1つの食材が入っているのですよ。



園山一家の幸腹(福)

ゴボウです!


きんぴらや煮物、美味しいおかずに変化自在のゴボウですが

ケーキにだって変身します!


じっくり蒸したゴボウをペーストにして

生地に混ぜ込んであります。


ココアの中に、土の香りがふんわり。


愛称抜群のコンビネーションです。





お店の営業日数も残りわずかとなり

お客様とお会いするのも最後かと思うと

玄関先でのお見送りにも、こみ上げるものがありますが・・・


「寂しい」よりも

「美味しかったよ!」「楽しかったね!」

そんな気持ちで心をいっぱいにして頂き、

いつものように笑顔でお帰り頂きたいと思っております。




時田。