錦秋
昨夜は、地元の京都テレビが「京都紅葉生中継2016」と\と銘打っての特番を放映した。
岩倉・実相院とか、古知谷・阿弥陀寺とか、青蓮院・将軍塚青龍殿とか、北野天満宮とか、
知る人ぞ知る紅葉の名所が紹介されたのだったが、
紅葉の時期がそろそろ過ぎようかというこの時の放映というのは、
ちょっと微妙なものがある。
そういえば、
私がまだ若かった頃は、関西のテレビ局の朝の番組で、
ヘリコプターを飛ばして、
洛西から洛東までの錦秋を空撮して、、というのがお約束ごとだったのだが、
現在ではそういった番組作りをしていないようで、
夜間拝観・ライトアップというイベントが主流になっているようで、
そうなると、年を追うごとに夜間ライトアップをする社寺が増えてきそうな気もする。
要するに、夜桜見物も紅葉ライトアップも、観光的には「等価」という話になるから、
夜間拝観となると、お庭が荒れてしまうから、
余り好ましいことにはならないだろうというのだ。
番組内で、版画の摺り師方が、
紅葉の「赤」や「黄色」や、常緑樹の「緑」が織りなす色彩の背景になる、
空の「青」というものを強調されていたのだが、
全くその通りで、至言なのであって、
その色彩感覚が王朝文化の色彩を生み出したわけだったから、
人為的な色作りという技巧(ライトアップ)は、伝統文化の否定だと、私は思うのだが。
まぁ、12月に入って、錦秋の季節もお終い。