河川の高水敷や低水路、護岸や堤防などに、いつの間にか先駆的樹木が生え、大きく成長して、水辺に近寄れないようになってしまう。人足が、水辺から遠退くと、いつも間にやら、粗大ゴミやスーパーの買い物袋や発泡スチロールの箱などが捨てらたり、引っ掛かっていたりして、ゴミ汚くなり、さらに人足は遠退く。

 また、木々が大きくなると、幹や枝が流れを止めたり、根が護岸や土手を傷めたりする原因となる。


 水辺が暗くなることや水の流れが変わってくることから、生育する植物の種類も代わってくる。保全すべき植物がある場合や、かつての植物を再生させる場合には、水辺の環境をその頃に戻すことが必要となる。都市部の川は、昔から人手が入り、河畔林が成り立つことはまずなかったため、明るい水辺へと保全することとなった。


 昨年の作業を2008年3月に紹介したが 、今年はその対岸に手をつけた。


 9時半くらいから、作業の範囲と伐採の注意などを打ち合わせた。保全を前に出した説明ではなかったので、少し心配した。

 


オカヤマのフィールドノート-伐採作業01

 

 打ち合わせが終わると、作業範囲の下流側からドンドンと手分けして、低水路護岸に生えているヤナギ類を切り倒し始めた。アカメヤナギ(マルバヤナギ)、オオタチヤナギ、タチヤナギのほか、センダンなども切り倒していった。大体が、10~15年くらいのヤナギだ。平成10年に大きな台風が来て、そのときに旭川から流れ込んだヤナギが定着して大きくなったものが多い。

 木を切り倒して、高水敷へ引っ張り上げ、枝を発って、丸太にする。丸太を1mくらいに玉切りして、作業は終わり。枝は、チップに砕いて、袋に詰めて、たい肥に混ぜたり、土に漉き込んだりする。

 


オカヤマのフィールドノート-伐採作業02

 

 木の中腹にロープを掛け、岸に引っ張りながらチェーンソーで木を倒していく。川へ倒れると、引き上げるのに大変なので、このようにする。根元の幹は、太くて重い。倒したあと、1mでも切ってもらうと軽くなるのに驚いた。

 下流側から上流側に次々と伐採が進んでいった。


オカヤマのフィールドノート-伐採作業03

 

 1時間ほどで、茂って近寄りがたかった低水路の水辺に下りやすくなった。見渡しがよく、すっきりした。多少水位が高くなっても、スムーズに流れるだろう。


 玉切りした丸太は、ドリルで孔を開け、ヒラタケなどのコマを打って、ホダ木となる。秋には、おいしいキノコがたくさん採れるので、トン汁の具となる。



 

 さて、どのくらいすっきりしたのかというと・・・

 

オカヤマのフィールドノート-再生地090221-01

 

オカヤマのフィールドノート-再生地090221-02

 

 上の画像が下の画像のようになった。

 

 このあと、どのようになるのかは経過観察となる。

 

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 ミズアオイの水辺の再生のために、人工的に撹乱させてから1ヶ月が過ぎた(3月2日の再生作業の記事 はこちら)。気温も上がり、どんどん緑が濃くなっている。水位が数cm上がったようで、草を刈った河原に、水が少し入っていた。


ミズアオイの水辺0804

↑ 画像をクリックして拡大


 生えている草は、ヤエムグラ、シロネが目立つ。ヒレタゴボウも水際で芽を出していた。

 


 2000年頃、この低水護岸から5mくらいは水深5cmくらいの砂底だった。オギなどの草丈の高いイネ科の植物はなく、ヒレタゴボウ、カンガレイ、ウキヤガラ、ホソイ、ミゾソバ、シロネなどに混じって、ミズアオイが生えていた。しかし、数年後、マルバヤナギ(アカメヤナギ)やオオタチヤナギが根付き、オギ、アシ、ツルヨシ、が生え始めると、一気に砂やシルトが堆積して、陸化してしまった。ヤナギ類も5年を超えると、直径10cmを超えて太い幹になってくる。水気のある川原ではなくなっている。
 グリムス

 2年ほど前から、少しずつ手を入れて、ミズアオイのための環境保全を行っていたのだが、なかなか、効果が出ない。そこで、今年は、大胆に、一気に、一昔前に戻すことになった。
 

ミズアオイの水辺080302a
作業前の河床 (クリックで拡大)

 

 まず、背丈ほどある立ち枯れたイネ科の植物を刈り払い機で刈り、レーキで掻き集め、高水敷へ運んだ。次に、ヤナギの木をチェーンソーで切り倒して、高水敷へ運び上げ、チッパーでチップにした。

 刈り払った草をそのままにしておくと、河床に日が当たらないので、できるだけ運び上げた。ヤナギは、根起こしすることも考えて、50cmくらい残して切った。枝を残しておくと根付くのでできるだけ運び上げた。切り株は、芽吹かぬように表皮を剥いでおいた。



ミズアオイの水辺080302b
作業後の河床 (クリックで拡大)


 15人くらいで2時間ほどかけて、ここまでできた。低水護岸の隙間から水が流れ出る場所が数箇所あり、その場所と川を結ぶ溝を数本ほど作って、陸化した岸が湿るようにした。かつて、ミズアオイが生えていた付近を耕し、水で練っておいた。


 あと、杭を打って、数箇所にコドラートを設定しておいて、草刈り頻度や、植物相の変化を記録するようにしないといけないと思った。このあたりもヌートリアが出るので、そいつらの妨害が危惧される。

 

 岡山の自然を守る会の皆さん、地元有志の皆さん、行政関係の皆さん、今年も頑張りましょう。