ゲンジボタルの幼虫が上陸する光景は、水路や川の護岸壁を真っ直ぐに登るいく筋もの光跡を思い浮かべるだろう。ボクも、そうである。しかし、住宅地を縫うように走る水路で、そのような画像を得ることはできない。5分間もシャッターを開いたら、明るい曇りの日の写真になってしまう。そんな中、30分もシャッターを開いていたら、太陽に向けて写真を撮るようなものだ。

 あれこれ考えて、クローズアップの幼虫の発光を30秒開放で記録し、その後、フラッシュで幼虫を撮影して、重ね焼きをすることにした。
 

ゲンジボタルの幼虫

 これが、ゲンジボタルの最終令の幼虫だ。左が頭部で右が腹部だ。発光器官は、腹部第8節の横側に1対ある。黄色い丸いものが付いているように見えるのが、それ(発光器官)だ。下の画像は、幼虫と光跡を重ねて焼いている。これで、発光器官の位置が分かると思う。また、幼虫の発する光も、成虫とおなじように少し緑がかった黄色だ。幼虫は、匍匐しながら発光器官を点滅させているため、長時間露光すると、光が点々と軌跡を描いてくれる。幼虫の機嫌がいいと、30秒間に2回、発光器官を点滅させていることがわかった。

 

幼虫の発光部位


 この幼虫、護岸壁の壁面を登ってきたのだが、頂上のあたりが乾いていたので、横に移動していた。多少でも湿ったところを求めて、動いているように見えた。

 あと、3脚にカメラを載せて、幼虫に向けて構えると、点滅をやめるときが多いのは、気のせいだろうか?撮影は、やたらと時間がかかって、大変だ(笑)。