タコの赤ちゃん

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 実習では、学生への指導が主なので、チリモンの顕微鏡撮影にうつつを抜かしている訳にはいかず、数枚しか撮影できなかった。


 この画像は、ファーブル・フォトを使って、プロジェクターでスクリーンに映して、部位の説明やスケッチするときの構図を説明したときに撮影したものです。



オカヤマのフィールドノート-タコ

 

 タコの赤ちゃん、マダコかな?軟体動物の頭足類になる。左から、腕部(わんぶ)、頭部(とうぶ)、胴部(どうぶ)に分かれる。

 腕部って、いわゆる足のこと。腕足というので、ボクたちの四肢にあたる。ちっちゃな吸盤がプチプチとかわいく並んでいるところが受けた。

 頭部は、口や目、脳がある。軟体動物の頭足類くらいから脳といえるような神経の集まりを見ることができる。

 胴部は、内臓や心臓、鰓(えら)などがある。この部分には、タコが貝などと一緒の生き物だと分かる貝殻の痕跡のようなものがある。表皮には、収縮した黒色素胞が点々と見えている。

 

 

 

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 2回目の実験は、チリメンジャコの海で、モンスターを探してもらった。


 本来は、暖かい頃に、燈下採集をしたり、プランクトンネットをひいたりして、プランクトンを採集し、実体顕微鏡で観察してもらうのが理想なんだけど・・・。


 それができない場合でも、プランクトン観察ができることを紹介した。学生時代には、高価な最先端の装置で、最先端の研究をしてもらいたいけれど、この先の長い人生、親子で家庭でサイエンスライフを続けてもらえると嬉しいので、『ルーペがあれば、食卓は理科室』になることを説明した。


 チリメンジャコを買うときに、パックをひっくり返したり、袋のスミを良く見ると、カタクチイワシの仔魚・稚魚のほかにいろんなものを発見できる。なるべく、たくさん見ることができるパックや袋を買って帰るといい。このいろんなものが『チリメンモンスター』と呼ばれる生き物の不思議の案内人だ。


 黒っぽい紙の上に広げて、ルーペでのぞきながら、チリメンジャコからこの異物を選別する。


 学生の教養実験では、解剖用の黒いゴムシートの上にばら撒いて、各自に先細ピンセットでチリメンモンスターを4種類くらいをプレートに採らせた。

 実体顕微鏡を20倍くらいにしておいて、前後・左右・上下とチリモンを小突き回して、位置を決めさせ、スケッチさせた。つついている間に、貴重なチリモンを粉々にしてくれたり、床のゴミにしてくれたりして、困っていた。


 これも、いい経験だろう。大事に扱うように・・・。


 スケッチを見せてもらいつつ、顕微鏡を覗かせてもらうと、上下さかさまだったり、右左逆だったりして・・・。

ボクと学生の生き物への視点の違いを教えてくれたのは、楽しかった。


 下の画像のような、死んでいるんだけど『生命』を感じさせるような構図のスケッチをしてくれた学生もいて、スケッチの点検も楽しいものだ。

 


オカヤマのフィールドノート-食われるエビ

 

 今回は、牛窓沖で10月中旬に採集したチリメンジャコを使った。 エビ、カニ、カニダマシ、タコなどが入っていた。中でも、タコが多かった。春先から夏にかけてのチリメンジャコは、楽しいだろうと思う。


 ちなみに、実験への導入は、『甲殻類の発生の多様性』を講義しました。

 

 

 

 あと2週間とちょっとで、講義が終わり、2ヶ月ほどの臨時休講日が始まる。その間に、学生の成績をつけ、進級判定がある。


 人の人生を左右する判定が続く。


 ちゃんと講義に出席してくれて、そこそこのレポートを提出してくれて、そつのない答案を書いてくれていると、成績をつけるのに苦労をしないでいいんだけどな~。総合評価点をつけているときに、学生の顔が浮かんできて、ちょっとした会話の中にあったキーワードを思い出したりして・・・。


 レポートや答案を見ていると、たまに、学生のころに先生から言われた言葉を思い出したりして、


「ああっ、こういうことだったのか~!」


などど、真意を理解すると、深く反省する。突然、20年以上前のことが目の当たりになり、心に逃げ場がなく、結構つらい。ときに、先生方の仕返しかとも、勘繰ってしまう。




 そうそう、この時期は、入試もある。


 合否判定なんか、ボーダーラインの受験生をどうするの?って、いつも時間をかけて、議論する。得点の向こう側に受験生を想像して、すこし感情移入してしまう。

 しかし、得点が全てなので、順位が代わるものでもなく・・・。涙を呑む。


 ボーダーぎりぎりで入学させてもらい。すれすれで進級させてもらい、卒業させてもらい、就職させてもらった人生だ。温情で育ててもらったが、温情をかけることができない現実がつらい。そのことを、一層感じる年度末だ。