浦 輝大「PURSUIT OF HAPPINESS」 | ソーシャルアスリートキャリア OFFICIAL BLOG 

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浦 輝大 39歳

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【経歴】
競技:アメフト
高校
大学:日本体育大学アメリカンフットボール部
社会人:すかいらーく→オンワードすかいらーくす


「PURSUIT OF HAPPINESS」

大学卒業と同時に実業団チームに入れてもらった。

仕事はファミリーレストランの社員。

アメフトができれば仕事は何でも良かった。

でも年を重ねるごとに、何でも良くはなくなっていた。

「昔から異国への憧れがあったんだ。アメフトでも当時アメリカ人コーチのいるチームにとても興味があった。文化の違いというか、どんな生活をしているんだろうとか」

浦は実際に休職しハワイのAFL(アリーナフットボール)のトライアウトに参加し、チームに帯同したことがある。
異国への憧れは現実となり、さらなる好奇心をかきたてることになる。

「アメリカ人コーチがアメフトを教えるために日本に来る。そして日本人の役に立っている。自分にもそういうことができないか?途上国に体育を教える、とか。」

「誰かの役に立ちたい」

「異国への憧れ」

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この2つが重なり、選手を引退と同時にJICA(青年海外協力隊)に申し込む。
行き先はどこでも良かった。
バヌアツという場所も分からない国に行くことになった。
JICAのミッションは「体育の普及」。
「魚を与えて一日を養うのではなく、漁港を伝えて一生を養う」
2年間で現地の人々が主体的に体育ができるようになることが目的。

そもそも「体育」の定義が違う。
日本の体育は軍隊から来ているので、規律が求められる。
しかしバヌアツではレクレーションとして捉えられていた。
整列する必要もないし、楽しければいい。


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そういう価値観を持つ人に、必死に浦は言葉の通じない相手に体育を指導していく。
ハンカチ落としひとつを取っても、誰もルールを守ってくれない。ストレスが溜まる日々が続く。
次第にこのミッション自体が意味をなさないことに気づく。

「そもそも雨が降ったら学校は休みになり、労働時間は1時間の国。
日本の体育を教えること自体が間違っていた。」

そこからはただ、バヌアツの人とその日を楽しむことを大切にした。
同じ所に住み、同じ物をを食べ、同じように働く。

「あいつはいいやつだけど、なんであんなに怒っているのか?」
バヌアツの人々は必死に体育を普及させようとする浦を見てそう思っていた。
バヌアツの人々が望んでいたのは、ただ一緒にいてくれればいい。
体育の普及がどれだけ進んだのか?といった成果など求めていない。
ただ浦という人間がいい奴ならそれでいい。

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日々成長、改善。日本では当たり前の考えが、バヌアツでは全くない。
その日暮らし、変化は求めない。明日は同じ明日が来ればいい。
こういう生き方でもいいんだ。
今までにない価値観、「そのままでいい。」を知ることになる。

学んで帰ってきたのは浦の方だった。

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帰国後どうするのかは考えていなかった。

アメリカの協力隊Peace Corpsと話す機会があった。
「彼らは誰かの為にボランティアに行くのではなく、自分のために行くんだ。
自分の経験値にしてこれからの人生に生かす。そういう感覚で行ってもいいのか?と思った。
奉仕の精神がなければ行ってはいけないと思っていた」

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外国人の視点でボランティアに関わりたいと思う自分がいた。
外国人と一緒にボランティアに関わりたい。
しかしPeace Corpsはアメリカ国籍でなければ参加できない。
CICD(College for International Co-operation and Development)イギリスのボランティア団体なら日本人でも参加できることができた。
自分の為のボランティアとは何なのか?
好奇心が行動させる。

その後、CICDでアンゴラに行くことになる。

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ボランティアとは何なのか?

社会人で働いた10年間、矛盾を感じることが多かった。社員以上に働くパートさんなのに給料は社員の方がいい。人件費を削る為にサービス残業を強いられる。現場にいない上司は怒鳴り散らして改善策は示さない。自分さえよければいいという感覚の人は割り切って時間になったら帰ってしまう。

無責任、保身、人として大切なことを大切としない矛盾が続き、大切なことが分からなくなることも多い環境でただアメフトをするために我慢し続けた日々。

フットボールは自分そのものだった。ルールがあり、努力して結果を出した者だけがフィールドに立つことができた。本気で勝利を目指し、勝利を仲間と分かち合う。浦の言葉を借りると美しい世界だった。フットボール以外に同じように美しい世界があるのではないか?それが浦にとっては海外のボランティアだった。

そこから本当に自分が自分らしくいられる場所を求めて日本を離れ、ボランティアという役割を見つける。国によってボランティアの考え方も違う。

CICDでは「本気で人を助けたいのならば、自分で稼いで行きなさい」

ボランティアだけど人のお金は使わない本当のボランティアというスタンスだった。自分がやりたいからやる。ここに浦の求める美しい世界があった。

アンゴラでのボランティアを終えて、 縁あって今はJICAでの自身の経験を語り、JICAの国際協力推進に携わる。その先に、本当にやりたいことがある。

「先生になりたい。先生になって様々な国の考え方、文化の違いを伝えて行きたい。でも結局伝えたいことはそのままの自分でいいんじゃないかなってことかな。他国から見て日本は経済大国と見られていてとても羨ましがられた。でもその中で10年間働いて、求めたことはアンゴラやバヌアツにあった。豊かさや幸せは経済的なものだけではないし、本当は自分の中にあるんものだと思う。
他国や他人と比較して見える豊かさや幸せが、自分の幸せとは限らない。人それぞれ違うものだし、違っていいことを伝えたいかな。」



PURSUIT OF HAPPINESS

幸せを追求した浦の今の答えだ。


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