小野伸二はやはりこうあって欲しい。そう思わせるような鮮烈デビューだった。


欧州冬の移籍期間にブンデスリーガのボーフムに移籍した小野。フェイエノールトから浦和に復帰したのが2006年ワールドカップの前だから約2年前になる。2度目のJリーグ在籍期間は実力の片鱗を見せたこともあったが、ほぼ丸2年の間怪我に悩まされた。約3億と言われた高い移籍金に見合う活躍はなかったと言っていい。


今回の移籍は浦和の「親心」が成立させたようなものだ。来季の覇権奪回に向けて必要戦力である小野を、獲得した時より安い移籍金(1億半との報道)で放出。ドイツW杯後は日本代表からも漏れ、日本で燻っている姿をどうにかしたいとの思いが強かったのだろう。


そこで本人はというと、懸念された左足首痛の経過も良好のよう。浦和からの恩も心に抱え、2年ぶりの欧州復帰に意欲も高い。デビュー戦となった3日のブレーメン戦では、途中出場ながら2アシストを記録して逆転勝利を演出してみせた。UEFA杯を主力として制覇したこともある小野に周囲の期待は大きい。


怪我さえなければ・・・といわれ続けている小野。ならば、怪我をしなければいいのだ。「Shinji Ono」という才能が、再びヨーロッパを驚かせる。日本中が心待ちにしていた再出発が始まった。