代替医療学会 The Society of Alternative Medicine from 1987

ヘリカル炭素、構造化微量要素、ホルミシスに関する特許・実施例を記載する【キヤノン電子(株)酒巻久の支援に基づく】
https://socbhe.amebaownd.com/pages/711382/posts

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がんの発症には遺伝子の変異だけでなく、遺伝子の働きを調節する仕組みの不具合も関与していることが、京都大iPS細胞研究所の山田泰広教授や橋本恭一・元大学院生、山田洋介研究員のグループの研究で分かった。がんの新たな治療法の開発につながる成果で、米国科学アカデミー紀要でこのほど発表した。

 iPS細胞(人工多能性幹細胞)は、遺伝子の働きを調節する仕組み「エピジェネティクス」が初期化されることによってできる。

 グループは、特定遺伝子の変異が原因で大腸がんを発症したマウスのがん細胞について、iPS細胞を作製する手順を応用して初期化すると、再びがんになりにくくなることを実験で確かめた。がん細胞にはエピジェネティクスの不具合があったが、初期化によって不具合が解消されたためにがん化が抑制されたとみている。

 山田教授は「細胞は遺伝子の変異があっても、エピジェネティクスを正常にすることでがん化が抑えられることが明らかになった。薬剤などで制御することができれば、がんの発症や進行も抑制できると考えられる」と話している。

 

http://www.kyoto-np.co.jp/education/article/20170106000025

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がんの前段階にある細胞が周囲の正常な細胞から攻撃されて取り除かれる仕組みを、京都大生命科学研究科の井垣達吏教授と大学院生の山本真寿さんらが突き止めた。新たながん治療法の開発につながることが期待できる。英科学誌ネイチャーに17日、発表する。
 がんは、正常細胞の遺伝子が徐々に変化することで生じる。がん化の初期の段階で、周囲の正常細胞から攻撃されて排除されることは分かっていたが、詳細なメカニズムが不明だった。
 グループは、ショウジョウバエを使い、がん化の過程にある細胞を人工的に体内に作って実験した。結果、正常細胞の表面にあるタンパク質「Sas」が、前がん細胞の表面にあるタンパク質「PTP10D」に結合すると、前がん細胞の細胞死を引き起こすことが分かった。前がん細胞内では、がん化の過程も止まることが判明した。
 PTP10Dに似たタンパク質はヒトでも確認されているため、同様のがん排除の仕組みがヒトに存在する可能性があるという。井垣教授は「哺乳類でも実験し、新たながん治療の戦略となるか検討したい」としている。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170117-00000000-kyt-sctch
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ヒートショックはなぜ起こる?

ヒートショックとは?

 冬の寒さが本格化するにつれ、注意したいのが突然死を招く恐れのある「ヒートショック」です。ヒートショックとは、暖かい部屋と寒い部屋を行き来したときなどの急激な寒暖差によって、血圧が変動することで、心臓や脳の病気を発症したり、意識を失ったりする健康被害のことをいいます。

ヒートショックの危険が高いのは入浴時

 ヒートショックは、入浴時に多く発生しています。冬場、暖房をしていない脱衣所や浴室では、室温が非常に低くなっていることがあります。寒い脱衣所で衣服を脱いで裸になると、体の表面の温度が下がり、この刺激によって血管が収縮して血圧が急激に上がります。そして、浴室で熱めのお湯につかると、血圧はさらに上昇しますが、しばらくすると皮膚が温められて血管が拡張し、血圧は急に下がり始めます。

 このように、脱衣所で体が冷えてから熱い湯につかったときの急激な温度変化が、血圧に悪影響を与えます。その結果、入浴中に狭心症や心筋梗塞(こうそく)、脳梗塞を引き起こしたり、意識を失って溺れたりなど、命に関わることがあります。ヒートショックが原因で、入浴中に急死に至ったケースは、交通事故死の3倍を超えるともいわれています。

冬は自宅内の寒暖差が起こりやすい

 冬の季節、リビング・居間は暖房でしっかりと暖めるものの、脱衣所や浴室、トイレなどは暖めないという人も多いのではないでしょうか。家の中の危険な寒暖差は、知らず知らずのうちに生まれがちです。また、暖かいリビングから暖房の利いていない部屋に薄着のまま移動することも、ヒートショックを招く原因になります。さらに、寒いからと帰宅後すぐに風呂につかることも、危険性を高めます。

ヒートショックが起こりやすい人

 

 ヒートショックによる急死者の大多数を占めているのが高齢者です。特に持病などがなくても、高齢になると血圧の変動が起こりやすく、体温を調整する機能も低下しています。元々高血圧の人は、血圧の急激な上下によって、狭心症や心筋梗塞などを発症しやすくなります。また、糖尿病や脂質異常症、肥満がある人も、高血圧の人と同様に動脈硬化の進行によって血管が傷み、血圧のコントロールが難しくなっていることがあるので、十分な注意が必要。その他にも、過去に狭心症、心筋梗塞、脳梗塞などを患った人も要注意です。

ヒートショックの予防法/冬は浴室と脱衣所の温度管理にひと工夫を

 ヒートショックの危険が最も高いのは入浴時です。ちょっとした工夫でできるヒートショック予防のポイントを紹介します。

<脱衣所を暖めておく>

 冷え込みやすい脱衣所は、入浴前にあらかじめ小型のヒーターなどを設置して暖めておきましょう。

<お湯はりはシャワーを活用する>

 入浴前に浴室を暖めておくには、高い位置に設置したシャワーからお湯を出して、浴槽にためるのが効果的です。自動給湯器のお湯はりを、最後の5分だけでもシャワーに切り替えましょう。シャワーなしのお風呂は、お湯はりのすんだ湯船のふたをあけておくのもよいでしょう。

<お風呂の湯温は41℃以下に設定>

 浴槽にためるお湯の温度が高すぎると、入浴時に血圧が急上昇するため危険です。41℃以下に設定しましょう。

<浴室の床にマットやスノコを敷く>

 浴室の冷たい床に、足の裏が直接触れないようにすることも重要です。浴室の床にマット(すべり止め付きのもの)やスノコを敷くなどの対策を。

ヒートショックを防ぐ入浴習慣のポイント

 ヒートショックを防ぐには、入浴のタイミングなど、日ごろの習慣を見直すことも大切です。特に高齢者や高血圧の人など、ヒートショックのリスクが高い人は見直しましょう。

<いきなり浴槽のお湯につからない>

 脱衣所で衣服を脱ぎ、浴室で急に浴槽に入ると一気に寒暖差が生じ、大変危険です。かけ湯をする、半身浴をするなど、うまく組み合わせて徐々に体を温めましょう。

<食事直後や飲酒後の入浴は控える>

 食後1時間以内や飲酒後は、血圧が下がりやすくなるので、できるだけ入浴を控えます。できれば、夕食前に入ることを心がけましょう。

<高齢者や高血圧の人は一番風呂を避ける>

 高血圧などの持病がある人や高齢者は一番風呂を避け、寒暖差が少しでも緩和されてから入浴しましょう。

<可能なら入浴を日没前に済ませる>

 日没前は気温が高いため、脱衣所や浴室の冷え込みが抑えられます。高齢者などは、可能なら日没前に入浴を済ませることで、ヒートショックのリスクを減らせます。

<公衆浴場などの活用で一人での入浴を控える>

 入浴前後に声をかけるなど、家族による見守りを習慣に。公衆浴場や日帰り温泉などを上手に活用し、一人での入浴を控えることも有効です。

住環境の見直しでヒートショックを防ぐ

 ヒートショックを防ぐには、部屋間の寒暖差を3〜5℃以内に収めるのが理想です。費用はかさみますが、効果的なのは浴室に「浴室暖房機」を設置すること。脱衣所や浴室のほかにトイレも冷え込みやすい場所のため、小型の暖房器具などを置いて暖めることが勧められます。また、トイレの便座は「暖房便座」にすると、座ったときのヒヤッとした感触を防げます。

 さらに、浴室をユニットバスに改修したり、内窓を設置したりすることで、家の断熱性は向上します。カーテンを厚手のものにする、窓に専用のフィルムを貼ることなども有効です。まずはできることから対策を。

 暖房を使用するときは、サーキュレーターや扇風機を利用して、部屋の下にある冷たい空気と上にある暖かい空気を循環させるなどの工夫も。洗面や炊事のときは、冷たい水ではなくお湯を使うことで、ヒートショックの予防につながります。

服装の工夫でヒートショックを防ごう

 ヒートショックを防ぐには、家の中全体を暖めるのが理想ですが、現実的には難しい場合もあります。そこで、家の中にいるときの服装にひと工夫して、体の表面をできるだけ冷やさないようにしましょう。また外出するときも暖かい服装で肌の露出を防ぎ、冷たく乾燥した外気から身を守ることが大切です。

<家の中での服装の工夫>

 廊下や玄関先に出るときは、上着を羽織る/厚手の靴下を履く

<外出時の服装の工夫>

 ハイネックの服やマフラーを着用する、コートの襟を立てるなどして、首まわりを冷やさない/帽子、手袋、マスクを着用する(車やバスなどの温かいところでは、上着を着たままでは汗をかくため、脱いで上手に温度調節をしましょう)

 

監修:さかい医院院長 堺浩之

「みんなの健康ライブラリー」2015年12月掲載より (C)保健同人社

 

http://mainichi.jp/premier/health/articles/20151230/med/00m/010/005000c

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寒さが厳しくなるこの時期に起こりやすい事故が、お風呂での突然死です。特に高齢者がお風呂で亡くなったケースが最近も相次いで報道されました。そもそもお風呂は体にいいのか、悪いのか。不幸な事故を避ける方法は。よこすか女性泌尿器科・泌尿器科クリニックの奥井識仁院長に聞きました。【医療プレミア編集部】

 ◇冬場に増える日本の入浴中突然死

 東京都内におけるお風呂での高齢者死亡事故の件数が、2015年に報告されています。09~11年の総数3289人のお風呂に関連した死亡者のうち、解剖を実施した550人のケースを検討しています。ほとんどが60歳以上の高齢者で、435人(79.1%)がおぼれて水を飲んでいました。また300人(54.5%)は、循環器系の疾患が死亡に大きな関係があることが突き止められ、さらに250人(45.5%)では心臓病変が認められました。

 冬に高齢者に起こる入浴中の死亡事故は、海や川などで起きる溺水とはかなり異なります。前述の研究によると、水を飲んだ兆候がある人もない人も、心臓病変があると死亡事故につながる確率がもっとも高いと報告されています。ということは、お風呂は心臓に悪いということなのでしょうか? それともお風呂の入り方の問題なのでしょうか?

 ◇お風呂は毎日入る人は、死亡リスクが減る!?

 日本人と同じようにお風呂にゆっくり入る習慣がある民族はなかなか見つかりません。そのため研究論文も少ないのですが、フィンランドとイタリア、米国の研究者のチームが出した注目すべき研究成果があります。

 フィンランドでは、サウナが一般的です。研究者らは、フィンランド東部に住む42~60歳の2315人を、1984~89年に調査対象者として登録し、その後平均20.7年間の長期追跡調査を行いました。この観察期間にいろいろな原因で死亡した人(全死因死亡)は929人、そのうち190人に心臓突然死、281人に致命的な冠状動脈性心疾患、407人に致命的な心血管疾患がありました。

 この研究によると、心臓突然死は1週間に1回のサウナ入浴をしている男性を1とすると、週2~3回入浴する人は0.78、週4~7回の人は0.37とその割合が少なくなっています。さらに、サウナの回数が増えると、致命的な冠状動脈性心疾患、致命的な心血管疾患、および全死因死亡リスクまで低下することがわかりました。

 この結果からは、お風呂そのものは体によく、心臓や血管のためにはなるべく毎日入った方がいいと言えそうです。そうなると、日本で報告されているお風呂での突然死の原因は、お風呂の入り方にあると思われます。

 ◇危険なのは「湯船で起きる熱中症」

 改めて高齢者がお風呂に入ったときのリスクを考えてみましょう。循環器や心臓に病気がある人がお風呂に入ると、皮膚の表面の血管が広がります。すると手足に血液を取られ、脳の血液が少なくなって、血圧が急激に低下します。脳に血液が足りないと、意識がもうろうとし、その結果、危険な状態を察知できないまま、お風呂の中で体が熱をどんどん吸収して、熱中症を起こします。脈が速く、かつ弱くなるという特徴があり、めまい、一時的な失神、顔面蒼白(そうはく)などの症状が生じ、意識を失っているうちに、溺水する可能性もあります。

 このような血圧の変化は、冷えた体でお風呂に入ると起こりやすいと考えられます。また、お湯の温度が42度を超えると入浴直後の1~2分で急激な血圧上昇が起こる可能性があります。その後は前述のように血圧が下がるため、その時の血圧変動の幅が大変大きくなります。その場合、さらに意識低下、そして熱中症のリスクが高まりますし、急激な血圧変動は脳梗塞(こうそく)を起こすことも考えられます。

 ◇適切な準備をしてお風呂に入ろう

 さまざまな研究から言えることは、入浴中の突然死を防ぐには、お風呂に入る前の準備が大切だということです。

1)脱衣室や浴室の室温を24~26度程度に維持する。

2)お風呂のお湯の温度は高すぎない41度以下にする。

3)入浴中に水分を取ることができるように浴室に水を持って入る。

4)お湯につかる時間は10分以内を目安にする。

5)浴槽から急に立ち上がらないようにする。

といったことが事故の予防策になるでしょう。入浴前に家族に声をかけるのも事故予防に役立ちます。また、アルコールを飲んだ状態での入浴は危険です。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170115-00000008-mai-soci

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アトピー性皮膚炎でかゆみを引き起こす原因物質の生成に、体内の「EPAS1」と呼ばれる遺伝子から作られるタンパク質が鍵となっていることを、九州大生体防御医学研究所の福井宣規(よしのり)教授らの研究グループが明らかにした。EPAS1の動きを抑制する化合物を突き止めれば、かゆみを根本から絶つ薬の開発につながるという。

 研究成果は9日、英科学誌ネイチャー・コミュニケーションズ(電子版)に発表。アトピーは国民の7~15%が患う国民病で、かゆみに伴い生活の質も低下するため対策が急務となっている。近年の研究で、かゆみの原因はIL-31と呼ばれる物質が体内で大量に生成されるためと分かっているが、そのメカニズムは明らかでなかった。

「体に優しく低コストの薬の開発につなげたい」

 グループは、アトピー状態のモデルマウスを作り、遺伝子解析で健康な野生型マウスと比較したところ、EPAS1と呼ばれる遺伝子の発現が異なっていた点に着目。アトピーのマウスのEPAS1の働きを人為的に抑制すると、かゆみによるひっかき行動がなくなり皮膚炎が改善、血中のIL-31も減少した。

 一方、アトピー患者から血液を提供してもらい、IL-31の量を調べたところ健常者の約5倍の値を示したが、試験管内でEPAS1の働きを人為的に止めると、IL-31は10分の1になった。これらのことからEPAS1がかゆみ物質の生成に大きく関与していることが分かったという。

 アトピー治療ではステロイド軟こうや免疫抑制剤が使われているが、いずれも免疫系全体に作用するため、皮膚が萎縮したり感染症にかかりやすくなったりと副作用が指摘されている。福井教授は「EPAS1だけに作用する体に優しく低コストの薬の開発につなげたい」と話している。

 

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170110-00010001-nishinpc-sctch

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抗がん剤で治る確率は5%

 2人に1人ががんになる時代である。やがて誰でもがんになる時代がやって来るだろう。あなたががんになったとする。現在、そのがんが原発巣にとどまっているかぎり、治療法として考えられるのが外科手術だ。

 ただし、これが転移したりするとやっかいである。外科手術ができないから、あとは抗がん剤となるが、これが問題なのだ。なぜなら、がん種にもよるが、ほとんど役に立たない。抗がん剤で治る可能性はわずか5%なのである。

 さらにやっかいなのはその副作用だろう。痛み、発熱、吐き気、嘔吐、しびれ、呼吸困難……。それだけならまだしも、骨髄がやられると白血球や血小板が壊されて死に至ることもある。がんで死んだのか、抗がん剤の副作用で死んだのかわからないことがよくあるのはこういうことである。

 薬といえば、ペニシリンのように「治す」というイメージがあるが、少なくとも抗がん剤は私たちの考える「薬」ではない。顧客満足度からいえばゼロに近いだろう。

 がん治療にとって大事なことは、QOL(Quality of Life:生活の質)×生存期間である。

 つまり、生活のレベルを落とさず、できるだけ長く生きること。ところが、現在の抗がん剤は副作用でQOLはガタ落ち。延命効果があってもわずか2~3ヵ月にすぎない。そんなとんでもない薬が、今や年間に1000万円を超えるのが当たり前になっているのだ。

 せめて副作用のない抗がん剤があったら……。多くのがん患者の願いにこたえるように、そんな抗がん剤が誕生した。

 「P-THP」といって、開発者は前田浩教授(熊本大学名誉教授・崇城大学DDS研究所特任教授)である。2011年には優れた研究者に与えられる「吉田富三賞」を受賞し、2015年のノーベル賞候補と目された人物だ。

 

 実際にこのP-THPで治療を受けた患者を紹介する。

 瀬山治彦さんは61歳の大学教授。ある日、突然研究室で倒れた。寝たら治ると思っていたが、妻に言われて同級生がやっている泌尿器科を訪ねところ、前立腺がんの腫瘍マーカー(PSA)が異常に高く、CTなどで調べるとすでに肺、肝臓、骨に転院していて末期だった。

 セカンドオピニオンを聞こうと、別の同級生の医師を訪ねると、「もって3ヵ月」と宣告される。ところが、ここでP-THPの存在を知った。

 早速2週間に1回のサイクルで投与を受け、並行して陽子線の照射も受けた。「全身がん」の状態だから治るはずがないと思われたのに、なんと数ヵ月でPSAが正常値になり、1年後には肺などの転移が消え、1年半後には骨転移も消失して「寛解」を告げられた。

 寛解というのは不思議な言葉で、本来ならがんが消えたのだから「完治」というべきところを、がんは完全に治せないという考えから、症状が一時的に消えたという意味で「寛解」という言葉が使われる。ただし、治る可能性があるのは寛解だけである。

 瀬山さんに新しい抗がん剤を受けた感想を訊くとこう言った。

 「さあ、これといった副作用は記憶にないし、末期がんの治療を受けたという実感がないんです。大学の講義は1日も休まなかったし、フィールドワークもやりました。なんだか騙されたみたいです」

 前立腺がんと診断されてから約3年半経ったが、瀬山さんは今も元気に大学へ通っている。

 もう1人紹介する。野口美子さんという40代の女性だ。たまたま検診を受けたら胃がんが分かった。腫瘍マーカーは正常だったが、リンパ節だけでなく、右肺にも左肺にも転移していて、余命は1年未満と告げられた。

 どういうわけか、このP-THPは前立腺がんや乳がん、卵巣がんのようなホルモン依存性がんに著しい効果がある一方で、胃がんに対してはそれほどでもない。ただ縮小することが多い。

 そこで、原発の胃がんが縮小したときに外科手術で切除し、肺に転移した腫瘍は冷凍療法といって、腫瘍を凍らせて破壊した。こうした併用療法ができるのもP-THPの特色だろう。リンパ節に転移した腫瘍はP-THPでほぼ消え、2年経った現在、野口さんは寛解の状態を維持している。

 

理論的に「抗がん剤」は効かない

 抗がん剤はなぜ効かないか。なぜ副作用があるのだろうか。そのことがわかれば、逆にこのP-THPが、通常の抗がん剤よりも治癒効果が高く、副作用がない理由も理解できると思う。

 まず副作用だ。血管は閉鎖系といって出口はなく、その中を血液がぐるぐる巡っている。いわばドーナツのようなチューブだ。そのチューブに小さな穴が開いていて、ここから酸素や栄養素が漏れて体の細胞を維持している。

 ところが、低分子の抗がん剤もここから漏れてしまうのである。猛毒の抗がん剤は漏れたところの細胞を壊死させるので、これが副作用となってあらわれる。

 また多くの抗がん剤は、がん細胞が休みなく分裂するのを利用して、分裂するときにDNAの合成を止める仕組みになっている。つまり、分裂できなくして殺すのである。

 ところが、がん細胞と同じように激しく分裂している細胞は他にもたくさんあり、そこがやられると副作用があらわれる。たとえば毛根だ。毎日のように細胞が分裂しているから、抗がん剤にやられて髪の毛が抜けるのである。

 腸管上皮や胃の粘膜もそうだ。骨髄もやられやすい。つまり、がん細胞と一緒に正常細胞もやられることが副作用なのである。

 そんな副作用がありながら、なぜ抗がん剤でがん細胞を殺せないのだろうか。

 抗がん剤を点滴しても、がん細胞に到達したときは、点滴した量の100分の1以下に薄まっていることがその理由の一つだ。

 では、薄まってもいいように、最初から100倍投与すればどうか。

 こんな実験がある。抗がん剤が、がん細胞を殺す量はわかっているので、その量が腫瘍に届くように投与したらマウスはすべて死んだという。人間も同じで、がん細胞が死ぬ量を投与して、人間が耐えられる抗がん剤は存在しない。

 つまり、どんな理屈をこねようとも、理論的に抗がん剤は効かないということだ。

 次に考えられるのは、がん細胞のしたたかさである。実はこの40年間で、分子生物学者ががんを研究してきてわかったのは、がんはあまりにも複雑すぎてカオスの世界だということである。

 たとえば、がん細胞が毒物に触れると、最初のがん細胞がやられても、次の段階で排出ポンプのようなタンパク質を働かせて、内部に入ってきた毒物を外に放り出してしまう。それだけではない。毒物を分解する酵素を出して毒性を消したり、毒物の分子を変えて毒性をなくしてしまうこともある。

 その他にも、免疫細胞からの攻撃をかわすバリヤーを張ったり、人間の想像力を超えた能力を次々と繰り出しては生き延びようとする。これが薬剤耐性と言われるものである。

 いずれも、生命が数十億年の時間をかけて獲得した能力だろう。

 抗がん剤とは、患者を生きるか死ぬかの瀬戸際まで追い込んで、運良く腫瘍の方が先に死んでくれればラッキーという、まるでバクチのような「薬」なのである。

 では今世紀に入って登場した分子標的薬はどうか。がん細胞上のある遺伝子をピンポイントで狙うから副作用が少ないといわれたが、皮膚障害のような副作用がけっこうあらわれる。そのうえ、思ったほど効かない。

 なぜかというと、がん細胞が分裂するたびに、ターゲットである遺伝子が変異するからである。変身したら狙いが定まらない。つまり効かないということである。

 さらに、がん細胞にしかないと思っていたそのターゲットが、他の細胞にもあったために、そこも一緒に狙われて副作用があらわれるというわけだ。

 がんと闘うためには、これらの欠点をクリアしたものでなければならない。正常な細胞を殺さず、がん細胞にとって致死量にあたる毒物を一気に降り注ぐ抗がん剤だ。それが前田教授の開発したP-THPだった。

 

新しい抗がん剤の誕生

 実は、P-THPに使われているピラルビシンは、特許が切れた古い抗がん剤である。P-THPのPはポリマーで、THPはピラルビシン。つまり、ピラルビシンに、高分子のポリマーをくっつけたという意味だ。

 簡単にいえば、P-THPとはこれだけである。たったこれだけで、在来型の抗がん剤とすっかり変わってしまったのだ。

 このP-THPが、「魔法の弾丸」のように腫瘍に届くまでには、図のようなステップ(主に三段階)がある。

 第1のステップは、腫瘍にだけ集まることだ。

 腫瘍にも血管があって、やはり正常な血管のように隙間があるのだが、正常血管の隙間をバレーボール大とすれば、腫瘍の血管は25メートルプールほどもある。それなら、ピラルビシンを自動車ぐらいの大きさにすれば、正常な血管からは漏れなくなるはずだ。

 この自動車ぐらいの大きさにするのが、ポリマー(図の赤い〇)なのである。こうすると、体の中をぐるぐる回っているうちに、巨大な穴が開いている腫瘍の血管から漏れていくので、結果的に腫瘍だけに集まる。同時に、他の組織には漏れないから副作用がない。

 第2のステップは、腫瘍血管から漏れたら、薬剤がポリマー(図の小さな〇)から離れなければならない。

 ピラルビシンとポリマーをつないでいる紐は、酸性になると切れるようになっていて、腫瘍の周辺は、腫瘍の廃棄物で酸性の海になっているので簡単に切れるのだ。

 第3のステップが難題で、ポリマーから離れたピラルビシンが、腫瘍の内部に取り込まれないといけない。

 がん細胞は常に分裂しているから、大量のエネルギーを必要とする。そのために、トランスポーターという細胞を使って、ポンプで汲み上げるように外部のブドウ糖を取り込んでいる。

 実はピラルビシンには、ブドウ糖に似た分子がくっついていて、がん細胞はピラルビシンをブドウ糖と勘違いして内部に取り込んでしまうのである。他の抗がん剤でうまくいかないのは、このブドウ糖様分子がないからだ。

 実験では、通常の抗がん剤と比較すると、腫瘍の内部にその数百倍もの薬剤が取り込まれている。まるでトロイの木馬のように入り込んでがん組織を攻撃するのがP-THPなのだ。

 分子生物学の権威であるアメリカのロバート・ワインバーグ博士によれば、転移していないがんで死亡するのは約10%、残りの90%は転移したがんで死んでいるという。つまり、抗がん剤は転移したがんに効かなければ治せないということだ。

 従来の抗がん剤は転移したがんには効かなかったが、P-THPは先に述べた3つのステップで転移したがん細胞にも薬剤が届くのである。

 発見というのは、あとで振り返ってみたら、あまりにも単純すぎて驚くことがよくある。ピラルビシンという古い抗がん剤にポリマーをくっつけただけなのに、従来の抗がん剤とは違う、まったく新しい抗がん剤が誕生したのである。

 

前田教授とは何者か

 前田教授が「魔法の弾丸」のような抗がん剤の開発に気づいたのは1980年代だった。

 低分子の薬剤を、分子量4万以上の高分子にすると、正常な血管から漏れずに腫瘍の血管だけに集まるのみならず、いったん腫瘍の内部に取り込まれると外に漏れなくなることを発見し、これを「EPR効果」として発表した。

 もともと前田教授は東北大学で食糧化学を専攻していた。卒業後、フルブライト奨学生としてカリフォルニア大学大学院に留学したが、なんと受け入れ先がたんぱく質の研究室だった。

 これがきっかけでたんぱく質が研究テーマになるのだが、帰国後、恩師である石田名香雄教授(のちの東北大総長)が、放線菌からネオカルチノスタチンという、世界で初めてたんぱく質の制癌物質を発見すると、この研究に携わるようになった。

 このネオカルチノスタチンに世界最強の毒性があることがわかり、ハーバード大学から招聘を受けて、ファーバー癌研究所の研究員としてアメリカに渡る。

 シドニー・ファーバー博士は化学療法の父とも言われ、がん治療の世界ではカリスマ的な存在だった。前田教授はこのファーバー博士に師事することになる。

 帰国後、様々な事情があって熊本大学に移るのだが、ここでもネオカルチノスタチンを研究していた。これを高分子につないだら腎臓から漏れなくなるのではないかと考え、カーワックスに使われるポリマーにつないだ。

 これを油性の造影剤に溶かして、動脈から肝臓のそばで放出すると、見事に肝臓の腫瘍に集まったのである。これが後に肝臓がんの治療薬として承認される世界初の高分子型抗がん剤「スマンクス」である。

 前田教授が、スマンクスに続いて研究していたのがP-THPだった。

 80年代、副作用が強くて効かない化学療法の限界をブレイクスルーするために、DDS(ドラッグ・デリバリー・システム)という概念が生まれた。抗がん剤をピンポイントで腫瘍に届けるシステムである。

 前田教授もこのDDSを研究していて、メルシャン株式会社(ワインメーカーだが、豊富な発酵技術やバイオテクノロジーを利用して医薬品などを開発していた)に研究用の薬剤の提供を申し出たら、たまたまピラルビシンだったという。腫瘍内部に取り込まれやすいことが分かったのは後のことである。

 

末期がんなのに元気

 昔、「エイリアン」というSFホラー映画があったが、これはがん細胞からヒントを得たと言われている。

 実際、宿主の人間を動けなくしておいて、身体を食べ尽くすところがエイリアンにそっくりだが、決定的に違う点がある。それは、エイリアンはみんな同じ顔をしているが、がん細胞は、場所や人によって顔つきがまったく違うことである。

 原因は、正常細胞の遺伝子がランダムに損傷を受けてがん細胞になり、長い年月の間にさらに変異を繰り返してきたからだ。分子標的薬が効かないのも、がん細胞はカオスのように変異だらけだからである。

 P-THPは、理論的にどんながんもやっつけられそうだが、そうならないのは、がんはカオス的世界だからである。

 たとえば、山藤ひろ子さんである。彼女は64歳のときに直腸がんが見つかった。

 外科手術で取れたが、4年後に肺に転移したため抗がん剤治療を始めた。それ以来、1年半にわたって抗がん剤治療を続け、そのたびに猛烈な苦しみに耐えた。そしてもう限界と思ったときにP-THPに出会う。

 2週間に1回のサイクルで投与を受けたが、結論から言うと、腫瘍マーカーが上がり続け、腫瘍も小さくなっていない。つまり、P-THPは効いていないのである。なぜ効かないのかわからない。

 ところが、副作用はなく、食欲も落ちないから、体重は減っていないし、家事も自分でこなしている。つまり、末期がんなのに、QOLは非常に高いのだ。

 また、山本健二さんは68歳のときに肺癌とわかった。この時点でステージⅣ、つまり末期で、余命は2ヵ月と宣告された。そのうえ、チェーンスモーカーだからひどい肺気腫で、横になると息ができなくて眠ることも出来なかった。

 ところが、P-THPの投与を始めてから横になって眠れるようになり、「日常生活に不自由はありません」と言えるまでになった。

 しかし10ヵ月後、自ら洗面所で髭を剃って身ぎれいにしてベッドに入ると、そのまま眠るように亡くなった。生前に山本さんが願っていた最期だった。

 

ラーメンを食べに行く患者

 これまでに200人近い方がP-THPの安全性試験に参加している。そのほとんどがステージⅣの末期患者だから一概に言えないが、大半は山藤さんや山本さんのようなケースだ。副作用がないことがQOLを高めているのだろう。

 副作用がないことによるメリットはたくさんある。

 たとえば、一般的に抗がん剤治療を行うと食欲がなくなり、やせ細って苦しむというイメージがあるが、どういうわけかP-THPは、治療を受けたその日にラーメンや焼き鳥を食べに行く患者が多い。

 理由はわからないが、食欲が増進するらしい。食欲があるのとないのでは予後がまったく違う。口から食べられるうちは元気なのである。

 がんは認知症と同じで、退職前にがんになると多くの人が勤め先を辞めさせられている。抗がん剤の副作用で仕事ができないと思われているからだろう。

 ところがP-THPは副作用がないから、治療を受けながら仕事を続けられる。瀬山さんがそのいい例だ。その他にも、設計事務所を経営しながら、あるいは畑仕事をしながらP-THPの治療を受けている人もいる。今のところ、P-THPのために仕事を辞めたという人はゼロである。

 通常、重粒子線治療や放射線治療を行うと、数ヵ月間は抗がん剤治療ができない。免疫が落ちているところへ、抗がん剤でさらに免疫を落とすと命に関わるからだ。

 ところが、せっかく放射線治療でがんが小さくなっても、体の回復を待つうちに腫瘍が大きくなる危険性がある。ところが、P-THPだと、同時に併用できるのである。こんな抗がん剤は他にないだろう。

 現在の安全性試験では、治癒力がどこまであるかは未定だが、寛解に至るケースがたくさんあることから、分子標的薬を含めた従来の抗がん剤と比較しても、P-THPの有効性をはるかに高いことは言える。

 ただ、確実に言えることは、延命効果があることと、副作用は限りなくゼロに近いことだ。不幸にして亡くなっても、死の直前まで普通の生活ができるということである。

 

製薬会社の弊害

 こんなすごい抗がん剤なら、なぜ保険薬にならないのだろうか。

 保険薬にするには製薬会社が関わる必要がある。ところが、P-THPに使われた抗がん剤は、古い抗がん剤で薬価も決まっているから、何千万という高額な値段をつけられない。つまり、企業にとって大きな利益をもたらさないということである。

 2015年にノーベル生理学・医学賞を受賞した大村智さんは、前田教授の研究を《癌との闘いに光明を示した一科学者の独創的な戦略と優れた戦術》と絶賛したが、製薬会社はそういうふうには見ないのである。

 現在の創薬は、オブジーボのように免疫反応を抑制する分子に働きかけたり、分子標的薬のように細胞の表面にある遺伝子やタンパク質を攻撃するといった、分子レベルで働くメカニズムが中心だ。

 日本の製薬会社は、世界がその方向なら、乗り遅れるなとばかりにどこもかしこも一斉に同じ方を向く。あるいは、アメリカでコンピュータによる創薬が流行すると、それに負けじと追いかける。P-THPのように、あまりにもアナログ的なメカニズムには関心がないのである。

 かつて「2位じゃ駄目なんでしょうか? と言って批判を浴びた政治家がいたが、世界の流行から遅れまいと、一斉に2位を目指して後追いする日本の企業に危うさを感じる。

 

http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20170112-00050647-gendaibiz-bus_all&p=1

 

 

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「女性医師(内科医)が担当した入院患者は男性医師が担当するよりも死亡率が低い」――。米国医師会の学会誌で発表された日本人研究者(米国在住)の論文が、現地のワシントンポスト紙、ウォール・ストリート・ジャーナルなどの有力一般紙がこぞって取り上げるほどの騒ぎとなった。『死にたくなければ女医を選べ! 』という報道まであったという。果たして、女性医師に診てもらった方が安全なのだろうか。日本でも当てはまることなのだろうか。その論文を書いたハーバード公衆衛生大学院の津川友介氏に取材してみた。(医学ライター 井手ゆきえ)

 医師・歯科医師・薬剤師調査の概況(厚生労働省)によると、2014年12月31日現在の医師数は31万1205人で、このうち病院や診療所で働いている医師は29万6845人、男性医師が23万6350人、79.6%、女性医師が6万495人、20.4%だった。

 診療科別では圧倒的に内科医が多く、全体の2割6万1317人を占めた。内科の男女比は男性81.1%、女性が18.9%で、ほぼ全体像をなぞっている。

 さて、男女比に注目したのにはわけがある。

● 女性内科医が担当した入院患者は 男性が担当するより死亡率が低い

 昨年12月、米国医師会の学会誌のJAMA Internal Medicineに「女性内科医が担当した入院患者は、死亡率や再入院率が低い」という調査結果が掲載された。

 調査対象はメディケア(高齢者・障害者向けの公的保険)に加入している65歳以上の高齢者で、肺炎や心疾患、COPD(慢性閉塞性肺疾患)など日本でもおなじみの内科の病気で緊急入院した患者およそ130万人。

 対象患者の入院後の経過と担当医の性別との関連を解析するため、メディケアに登録されたデータから病状や診療に関するデータを入手し、入院日から30日以内の死亡率(30日死亡率)と退院後の30日以内に再び入院する確率(30日再入院率)を女性医師と男性医師とで比較した。

 

この際、患者の重症度や年齢、入院の原因以外に持っている病気など患者の特性と、医師の特性(年齢、出身医学部など)、入院している施設をそろえるなど、結果に影響を与えそうな条件を補正したうえで比較を行っている。

 条件を補正した後の30日死亡率をみると、女性医師の担当患者は11.1%、男性医師は11.5%、再入院率はそれぞれ15.0%と15.6%で、女性医師が担当した患者のほうが死亡率、再入院率ともに「統計学的に有意」に低いことが判明したのだ。

 「どうせ、女性医師のほうが軽症患者を診ているんだろう? 」という疑いの声が聞こえてきそうだが、同調査はこうした批判を事前に想定し、米国特有の職種である「ホスピタリスト」のデータも分析している。

 ホスピタリストとは、入院患者の診療しか行わない病棟勤務の内科医のこと。勤務時間内に入院した患者を順番に担当するので、軽症患者を意識的に選ぶことはできないし、逆に「この先生がいい」と患者が医師を指定することも不可能だ。どの医者が誰を担当するかは「くじびき」のようなもので、必然的に各ホスピタリストが担当する患者の重症度は同じレベルにそろうと考えていい。

 この結果、対象をホスピタリストに限定した場合でも女性医師が担当した患者の30日死亡率は10.8%、男性医師では11.2%、再入院率は女性医師14.6%、男性医師15.1%とこちらも「統計学的に有意に」女性医師のほうが低かったのである。

 実はこの「統計学的に有意に」がミソ。つまり、偶然や計算上の誤差では説明がつかない「明らかな理由」で、女性医師に担当してもらったほうが命拾いする確率が高い、ということが示されたのだ。

 研究者の一人が「この死亡率の差が真実であれば、仮に男性医師が女性医師なみの医療を提供すれば、メディケアの対象者だけでも年間3万2000人の命を救える」とコメントしたこともあり、日本と同じく「男性医師>女性医師」と見なす米国では、調査結果が公表されたとたん、ワシントンポスト紙、ウォール・ストリート・ジャーナルなど米国の一般紙がこぞって取り上げる騒ぎになった。

 いったい男女の違いの何が、明らかな有意差につながったのだろうか。

 

● 慎重にガイドラインを遵守する女性 リスクを取りガイドラインを逸脱する男性

 研究チームの一員であるハーバード公衆衛生大学院の津川友介氏は「一般紙では『男性医師は3万2000人を殺している』とか『死にたくなければ女医を選べ! 』みたいな極端な扱いをされてしまってちょっと困っています」と苦笑しながら、「例えば、医学部で受けた教育プロセスが同じで勤務先や診療スタイルも同じ、しかも周囲の評判に差がなければ男性医師よりも女性医師のほうが質の高い医療を提供している可能性がある」という。

 津川氏の説明によると、一般に女性医師は、診療ガイドライン(GL)などルールの遵守率が高く、エビデンス(科学的根拠)に沿った診療を行うほか、患者とより良いコミュニケーションを取ることが知られている。また、女性医師は専門外のことを他の専門医によく相談するなど、可能な限りリスクを避ける傾向があるようだ。

 「ここにあげた理由は先行研究で示されたことですが、今回の調査でも女性医師のほうが、より詳しい検査を行うなど慎重に診療を進めている可能性が示唆されています」

 ただ、米国でも医療界は「男社会」で、医学部卒業生の男女比は1:1なのに、実際に働いている女性医師はまだ全体の3割ほど。給与面にも格差があり女性医師の給与は男性医師よりも平均8%低い。質の高い医療を提供できる女性医師が実力を発揮できる場は、かなり狭いのだ。

 「現実に死亡率を0.4%下げようとしたら、並大抵のことでは達成できません。女性医師はもっと評価されてしかるべきです。一般の方も『男性、経験豊か』が良い医師だというステレオタイプの思い込みは捨てたほうがいい」

 米国の調査結果を一律に日本に当てはめて良いかどうか議論の余地はあるが、ステレオタイプを見直したほうがいいのは日本でも同じ。

 ただ、現時点で主治医の性別に一喜一憂する必要はない。第一、日本の内科医の8割は男性なので、残念ながら女性医師に当たる確率は少ない。むしろ男女によらず、様々な研究で示唆された女性医師の長所──エビデンスに基づく診療を心がけ、決して独りよがりにならない柔軟性と謙虚さを持ち合わせているか、を見極めるほうが現実的だ。

 

● 医師個人の医療の質を評価 科学的根拠に基づく選択が可能に

 津川氏は医師個人を客観的に評価する目安になるエビデンスの創出を目指しており、今回の調査結果はその第一弾だ。今後は対象を他領域や外来患者にも拡げていくという。

 「一般の方は病院を選ぶ際に、病院ランキング本や口コミを参考にしていると思いますが、評価の根拠は曖昧です。また、評判の良い病院で働いているからといって医師個人の医療の質が高いとは限りません。米国でも事情は同じです」

 確かに、群馬大学附属病院の特定機能病院取り消し事例を目の当たりにすると、病院の機能評価=医師個人の医療の質ではないことは痛感する。

 「同じ疾患を診ているにもかかわらず、医師の間で死亡率や再入院率にばらつきがあるなら、それは何故なのかを科学的に評価することで修正できるようになります。一般の人がエビデンスに基づいて医師を選択できる指標を提供する一方で、どの病院でどの医者にかかっても標準化された高い質の医療を受けられるというのが研究の最終的な目標ですね」。機会があれば、日本でも同様の研究を行いたいという。

 医療者にとって「個人の評価」はあまり歓迎できないかもしれない。しかし、エビデンスに基づく評価基準とビッグデータの活用で医師の「診療成績」を見える化できれば、医療者と患者・家族の間にある情報格差が生み出している医師への過度な期待や極端な不信もなくなるだろう。患者・家族が求めているのは“神の手”ではなく、標準化された質の良い医療を「いつでも、どこでも」提供してくれる医師なのだ。

 

http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20170113-00114029-diamond-soci&p=1

 

 

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空腹の際に脳から信号を受け、体熱の発生を抑えるとともに食事を促す神経細胞群が延髄にあることが分かった。名古屋大と群馬大、米オレゴン健康科学大の研究成果で、5日付の米科学誌セル・メタボリズム電子版に発表された。
異常な飢餓反応が引き起こす肥満症や拒食などによる低体温症の仕組みを解明し、治療法を開発するのに役立つという。
空腹になると、脳の視床下部から飢餓感を伝える物質が放出され、体熱によるエネルギー消費を減らすために交感神経の働きを抑えるとともに、口で物をかんで食べるように運動神経を働かせる。
名大の中村和弘教授らはこの交感神経や運動神経への中継役を果たす細胞群が延髄の「網様体」と呼ばれる領域にあることを、ラットやマウスの実験で解明した。

http://medical.jiji.com/news/3659

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がん治療への応用が期待される銅の放射性同位体「銅67」を大量生産する手法を、量子科学技術研究開発機構などが開発した。マウスの実験で、銅67ががん細胞に集積することも確認しており、新たな治療薬開発が期待される。成果は28日付の日本物理学会欧文誌に掲載された。
放射性同位体を含む薬剤を服用し、がん細胞を体内から攻撃する治療法は、外科手術よりも負担が少なく注目されている。銅67は、投与後にがん細胞に集まっているかを知る手掛かりとなるガンマ線と、がん細胞を直接攻撃するベータ線の2種類の放射線を出すため、治療薬に最適と考えられてきた。しかし、従来の製造法では大量生産が難しく、実用的ではなかった。
量研機構の橋本和幸上席研究員らは、加速器で重陽子(陽子と中性子が結合した粒子)をベリリウムの板にぶつけ、飛び出した高速の中性子を「亜鉛68」に衝突させることで、銅67を生成する新たな方法を開発。従来の100倍の効率で、高純度の銅67を取り出すことに成功した。
この銅67をがん細胞を移植したマウスに投与したところ、がん細胞に集積しやすいことも確認。研究チームは今後、がん細胞への効果や安全性などを調べる。

 

http://medical.jiji.com/news/3515

 

 

 

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一昔前の「がんは不治の病」というイメージから、ここ10年は治るがんが増えてきたことは事実です。一昔前はがんが見つかった場合、医師や家族は本人に内緒にしましたが、現在は医師も躊躇無く患者に告知しています。
しかし、今でも我が国のがんの死者数は年間で30万人台が続き僅かに微増を続けています。
最近の厚生労働省の統計によりますと2009年にがんで死亡した人の数は男性206,352人・女性137,753人で合計344,105人に上っています。
この数字は1日当り1,000人前後の人が、がんが原因で亡くなっていることを意味しています。つまり、1ヶ月で東日本大震災を上回る人が、がんで亡くなり続けているのです。
がんは治る病になったにも関わらず、がんで亡くなる人の数は減ってはいない訳です。がん患者の数が増えているのか、それとも、がん患者の余命が延びているだけなのでしょうか?

がん死が多い原因の1つに国家的ながんに対する対策の遅れが指摘されています。
厚生労働省のがん対策は旧態依然の状況で、「がんが不治の病」だった頃と根本的には変わっていません。また、抗がん剤や新薬に対する認可は、先進国中で最も時間が掛かる国になっています。この様な日本のがん患者を「がん難民」と表現するがん研究の権威もいます。
つまり、現在の厚生労働省のがん対策は、「がんが不治の病」だった頃の対策と何ら変わっていません。相変わらず厚生労働省は責任もリスクも取ろうとはしないのです。責任を取らないのなら、せめてリスクだけでも取って貰いたいというのが患者の偽らざる気持ちなのです。
従って、もっと、がんの新薬に対する認可を早め、先進医療に国家予算を注ぎ込む覚悟が必要と言えます。

がんの死亡率

そして、全死因に対するがんの割合は約3割に達しています。
只、男女差が有ることも事実です。男性の全死因に対するがんの割合が34%前後に達しているのに対して、女性は25%前後と女性のがんの比率が低くなっています。
更に、がんは加齢によって発症リスクが高くなることから、高齢化の影響でがんの死亡数は増加傾向を続けています。只、75歳未満の各年齢ごとのがん死亡率は減少傾向が見えていますが、がんの部位別の種類は逆に増加していると言えます。

がんの患者数

男女別のがんの部位別の上位は男性の場合、最も多いのが肺がんで、以下、胃がん・肝臓がん・結腸がん・すい臓がんの順番になっています。同様に女性の部位別の上位は肺がん・胃がん・結腸がん・すい臓がん・乳がんの順番で男女共に肺がんと胃がんが1位と2位に入っているのが我が国のがんの特長と言えます。

また、がんに罹る人の数は、がんの死者数のおおよそ2倍で年間65万人前後となっていますが、男性が37万人前後で女性が27万人前後となっています。
がんの患者数の多い部位は男性の場合、胃がん・大腸がん・肺がん・前立腺がん・肝臓がんの順番で、女性は乳がん・大腸がん・胃がん・子宮がん・肺がんとなっています。
がんの部位別死亡者数と比較しますと男性は前立腺がんの患者が多く、女性は乳がんと子宮がんの患者数が多いのが特長と言えます。つまり、男性の前立腺がんや女性の乳がん・子宮がんは死に至ることが少ないがんと言えます。
また、継続的な治療を受けているがん患者は全国で常時150万人以上で、その内の1割程度の患者が入院治療を受けており、毎日、同数の患者が外来診察を受けているのが実態と言えます。そして、現在のがん罹患の生涯リスクは男性で54%・女性で41%に達しており、日本人の2人に1人の人が一生の間に何らかのがんを患う計算になります。

 

http://www.g-pw.info/nenkan/

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