ウォーレン・バフェットに学ぶ!1分でわかる株式投資

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IBMの2017年1Q(1-3月期)の決算書の影響で株価が大暴落!


東条雅彦です。

IBMの株価が169.83ドルから一気に161.69ドルまで下落しました。

やはり昨日の決算はかなりヤバイと市場では見なされているようです。

今日は、私の視点で2017年1Q(1-3月期)の決算書で見るべきポイントを補足いたします。

今日の記事はどちらというと、「何かの間違いでIBM株を保有しちゃっている人」に向けて書きます。(もちろん、私も何かの間違いを犯したうちの一人です。)

バフェット銘柄の中ではIBMは不確実性が高い企業であることが改めて認識しました。

しかし、悪いニュースだけではなく、良いニュースも混じっています。

昨日の記事では「クラウドの伸び率」について少し誤解を与えるような書き方をしてしまったので、その点についても補足したいと思います。

IBMの戦略的重点事業と非戦略的重点事業


IBMの決算書はホームページのInvestor relationsのコーナーから閲覧できます。

株主の人はニュースサイトから流れる情報を確認するよりも原文を読んだ方が正しい情報を得られます。

まず、大前提として現在、IBMは戦略的重点分野として、データ分析、クラウドサービス、モバイルコンピューティング、セキュリティソフト、ソーシャルソリューションの5つの分野を伸ばそうとしています。

それ以外の分野は非戦略的重点分野となります。

イメージとしては戦略的重点分野の売上高を伸ばす一方で、非戦略的重点分野を縮小しようとしています。

<将来に向かって戦略的重点分野を増やしていく計画(イメージ)>
将来に向かって戦略的重点分野を増やしていく計画(イメージ)

2016年通期の決算で、現在、戦略的重点分野の占める売上高は全体の4割に達しています。

計画では戦略的重点分野の売上高を2018年末までに年間売上高400億ドルまで引き上げようとしています。

2016年通期の売上高全体で799億ドルだったので、あと1年半で5割程度に引き上げていく予定です。

ただ、少しややこしいのですが、決算書には主に事業部門毎の売上高を示していて、戦略的重点分野の売上高は1ページ目にハイライトとして掲載しているだけです。

事業部門としては、認知ソリューション、グローバルビジネスサービス、テクノロジーサービス&クラウドプラットフォーム、システムズ(ハードウェア)、グローバルファイナンスの5部門になります。

戦略的重点分野(データ分析、クラウドサービス、モバイルコンピューティング、セキュリティソフト、ソーシャルソリューション)は上記の5つの部門を横断した形で存在しています。

<IBM 5つの事業部門と戦略的重点分野との関係>
IBM 5つの事業部門と戦略的重点分野との関係

最も重視すべきは「戦略的重点分野」が伸びているかどうか


IBMの決算書の1ページ目に戦略的重点分野の売上高が記載されています。

<IBM 2017年1Q(1-3月期)の戦略的重点分野の状況>
IBM 2017年1Q(1-3月期)の戦略的重点分野の状況

全体の売上高が前年同期比で-5%(為替調整後-2%)の18.2(10億ドル)でした。

全体の売上高のうち、7.8(10億ドル)が戦略的重点分野の売上高になっています。

さらにこの7.8(10億ドル)のうち、クラウドの売上高が3.5(10億ドル)を占めています。

これらの数字からわかることは、戦略的重点分野が売上高全体の42.8%(7.8÷18.2)を占めるようになったという点です。

Year/Yearは前年同期比を示します。

Year/Year adjusting for currencyは為替調整後の前年同期比を意味します。

クラウドが前年同期比で33%(為替調整後36%)の伸びを示しています。

戦略的重点分野も前年同期比で12%(為替調整後13%)の伸びを示していて、事業計画通りに進展していることが伺えます。

参考までに1年前の2016年1Q(1-3月期)の決算を確認すると、やはり順調に戦略的重点分野が伸びていることが伺えます。

<IBM 2016年1Q(1-3月期)の戦略的重点分野の状況>
IBM 2016年1Q(1-3月期)の戦略的重点分野の状況

1年前の戦略的重点分野の売上高が全体の中で占める割合は、37.4%(7.0÷18.7)でした。

戦略的重点分野単体で見ても、7.0(10億ドル)から11.4%増の7.8(10億ドル)に増えています。

戦略的重点分野の売上高が11.4%も増えているのに、売上高全体が-5%なのは、非重点分野分野の売上高が6%以上、落ちたためです。

長期投資家は戦略的重点分野が成長しているのなら、そんなに慌てる必要はないと個人的には思っています。

あと、前年同期比で見た場合、戦略的重点分野の伸び率が14%から12%(為替調整後では17%から13%)に落ちている点は少し気になります。

クラウドの伸び率は34%から33%(為替調整後では36%から35%)になっていて、それ程、変化していません。

つまり、戦略的重点分野(データ分析、クラウドサービス、モバイルコンピューティング、セキュリティソフト、ソーシャルソリューション)のうち、クラウド以外の分野の伸びが少し弱かったことが伺えます。

楽観しすぎても悲観しすぎてもいけない!


今のIBMの状況は「楽観しすぎても悲観しすぎてもいけない」という状況にあります。

おそらくウォーレン・バフェットも戦略的重点分野の売上高がどのように推移しているかはチェックしているはずです。

私は今のIBMの状況を見て、書籍『億万長者をめざすバフェットの銘柄選択術』に書かれていることをふと思い出しました。

この書籍の第7章には「絶好の買い場が訪れる4つのケース」が示されていました。

  1. 相場全体の調整や暴落
  2. 全般的な景気後退
  3. 個別企業の特殊要因
  4. 企業の構造変化

IBMは明らかに4番目の「企業の構造変化」です。

この1、2、3、4は投資の難易度の順番も表していると私は思っています。

相場全体の調整や暴落や全般的な景気後退の時は、株価は大きく落ちるので、長期投資で考えるのであれば、買うのが正解です。

しばらく待っていれば、金融危機は去って景気は上向いてくるので、株価が上昇します。

1番目の「相場全体の調整や暴落」や2番目の「全般的な景気後退」はリスクが小さいのです。

それに比べて、3番目の「個別企業の特殊要因」や4番目の「企業の構造変化」が要因で株価が下落している場合、不確実性がかなり高くなります。

今のIBMは、写真市場が消える中、事業構造を転換した富士フイルムのかつての状況に似ています。

戦略的重点分野の売上高の占める割合が上昇すればする程、ある程度、安定感が出てくるはずです。

今はとても難しい局面であることには違いないものの、一方で希望の光もあります。
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