『マーメイドの伝説』第20章-10-
テーマ:森のウミ-『マーメイドの伝説』-
全身の「浮遊感」と気だるい痺れの中で、「目」だけはカッと開けさせ
られている。
「目」の奥底から、「何者」かが「自分自身」を見透かしているような気
がして、靖子は思わず「吐き気」を催していた。
アキラが随分小さく、自分の下に見えている。
だが、良く看ると、アキラに組み敷かれているのは、見覚えのある花柄
の衣服の「女」である。
アキラがゆっくりと膝を割り入れて、黒髪の流れる「その女」の下肢を
広げようとしていた。
その「情景」の意味するところが、靖子にはまだ「了解」出来ていかない。
時折、黒い靄のような物が、時折靖子の『視界』を遮って漂って来る。
靖子の「脳髄」は、看させようとする自分の内部からの「力」と、それを
遮る「黒い靄」の間で、バランスを喪いかけていた・・・・
このままでは、「自分」の心と身体はバラバラになってしまう。。。
そう幽かに気づいた瞬間、靖子の「身体」はクルリと反転すると、一気に
落下し始めて行った・・・・・
















